工場野菜のサステナビリティ

近年、スーパーマーケットなどで見かけることが増えた工場生産の野菜。もやしやかいわれ大根、豆苗といった従来の工場生産野菜の他にも、珍しい品種のリーフレタスなどが流通するようになっています。皆さんの中にも、手に取ったことのある方がいらっしゃるでしょう。

「柔らかくて甘い」「野菜が高騰している時期でも、値段が変わらない」といった強みを持つ工場野菜ですが、実は味や経済性の点のみならず、環境という観点でも知られざる長所を持っています。それは、「サステナブルな生産方法である」ということです。一見自然や環境とは程遠いイメージのある工場野菜。それが「サステナブルである」とはどういうことなのかを、考えてみましょう。

工場野菜とは

 そもそも工場野菜とは、外部の環境とは切り離された施設の中で、照明の光と培養液を用いて栽培される野菜のことです。光、水、肥料、気温といった諸条件を、野菜が成長するために最適な環境に維持することができるので、自然条件に左右されることなく栽培ができます。そのため、畑で育てるよりも短期間で収穫でき、台風や降雨量不足といった悪条件の天候下でも比較的安定した生産が可能です。

こういった野菜工場では照明、空調、水の循環設備等に電気を使用しています。この点だけを取り上げれば、畑での生産に比べ多くのエネルギーを投じており、サステナブルとは言えないようにも見えるでしょう。しかしその一方で、工場野菜には投入した資源を畑に比べて効率よく利用できるという長所もあるのです。

例えば畑へ水や肥料をまいたとき、そのすべてが野菜の成長に使われるわけではありません。特に水に関していえば、畑にまかれた大部分が野菜に吸収されることなく蒸発してしまいます。一方、工場では培養液という形で野菜に水や肥料を与えることで、効率よく吸収させることが可能です。また、特にクローズドタイプの野菜工場(水や空気の環境を人工的に管理した装置の中で野菜を育てる工場)の場合、蒸発した水を空気から回収して再利用することで、ほとんど無駄を出さずに水資源を利用することが可能となっています。畑に比べ収穫までの期間も短いため、野菜の生産量当たりで見た資源利用効率も高いのです。

もちろん、「野菜工場はサステナブルな生産方法である」というためには、そこで利用される電力をクリーンエネルギー等で賄うこと、建設時に周囲の環境に悪影響を与えていないことなど、工場の外の諸条件にまで目を向ける必要があります。しかしそれらの問題をクリアすることができれば、例えば砂漠に工場を建設し野菜を生産するなど、これまで資源の問題で農業に利用できなかった土地を農地に変え、サステナブルな野菜生産を実現できると想定されます。

このように、工場野菜は環境に配慮した農業の新しい形として大きな可能性をもっていると言えるのではないでしょうか。
「食べ物を買うのなら、環境に配慮したものを選びたい」という方は、ぜひサステナブルな工場野菜も選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。

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