BLOG -SDGs and Sustainability
名古屋のUrban Farmingに注目!事例や最新プロジェクトも解説
Friday, 18 October 2024
近未来の雰囲気が漂う名古屋市では、都市化に伴う農地の減少や環境問題への解決策として「Urban Farming」の重要性が高まっています。
今回は、名古屋でUrban Farmingが始まった背景や活動事例、最新のプロジェクトもあわせて解説します!
名古屋でUrban Farmingが始まった背景
そもそもUrban Farmingとは、都市で行う農業のことです。名古屋の都市部でUrban Farmingが始まった背景には、いくつかの要因があります。どのような要因があるのか、詳しく見ていきましょう。
急速な都市化による農地の減少
名古屋市は、日本の主要な都市のひとつであり、急速な都市化が進みました。それに伴い多くの農地が商業地や住宅地に転用され、農地が減少したのです。
これによって、都市内での農業活動も減少しました。こうした状況の中で、都市内でも食料を生産する新たな方法が求められるようになったのです。
(参照:名古屋市農業施策等に関する意見書)
環境問題への対応
名古屋市を含む都市部では、気温上昇や大気汚染による環境悪化が問題視され、緑化の増加が求められるようになりました。Urban Farmingによって都市部に緑を取り戻すことで、ヒートアイランド現象の緩和が期待できます。
また、大気中に発生するCO2を吸収し、温暖化を抑える役割を担えるとしてUrban Farmingが注目されるようになりました。
都市部の食料自給率低下と食の安全保障
日本における食料自給率の低下が懸念される中、都市部においても食料の安定供給が課題となっています。また、遺伝子組み換え食品など輸入食料の安全性が問われるようになり、自分たちの手で安心・安全な食料を生産することの重要が高まりました。
心身の健康意識の高まり
都市のストレスフルな環境に対して、心身の健康への意識が高まり、自然との触れ合いや身体活動の機会を提供するUrban Farmingが求められるようになりました。
農作業で自然と触れ合い、汗を流す時間は身体的だけでなく、精神的にもポジティブな影響をもたらすと考えられています。
(参照:ストレスを可視化して、職員のメンタルヘルス不調を未然に防止したい!)
(参照:農作業でストレス減、幸福度アップ JA全中と順天堂大が研究発表)
コミュニティー弱体化による社会的つながりの強化
都市化が急激に進んだ名古屋市では、地域コミュニティーのつながりが弱体化し、社会的なつながりの強化が必要とされています。Urban Farmingは地域住民の交流を促進し、コミュニティーの活性化が期待されるとして、注目が集まりました。
また、Urban Farmingを通じて共同作業を行うことで、住民同士の絆や信頼度が深まり、地域社会の連帯感が強化されると考えられています。
行政によるUrban Farmingの推進や支援
名古屋市が都市部の緑化を支援する助成金や、Urban Farmingを推進する政策などを通して、地域住民や団体の活動を支援してきたという背景もあります。
地元のNPO法人や市民団体を中心に、Urban Farmingの普及活動に取り組み、地域住民の参加を促してきました。
(参照:もう、始まっています)
(参照:みどりの補助金(名古屋市 民有地緑化助成事業)について)
名古屋におけるUrban Farmingの事例
名古屋のUrban Farmingは、商業施設や駐車場の屋上を利用するなど、人が集まりやすい都市部の空いたスペースを有効活用して実施されているのが特徴です。
ここでは、名古屋におけるUrban Farmingの事例をご紹介します。
駅前の駐車場屋上で体験するUrban Farming
名古屋市千種区の星ヶ丘駅から徒歩6分の場所で体験できるUrban Farmingです。商業施設の駐車場屋上を活用し、大型プランターを使った栽培を行っています。
季節に応じた20種類以上の種から、育てたい野菜を選べるのが特徴です。肥料や農具なども用意されているため、誰でも手ぶらで野菜作りが楽しめます。アドバイザーが栽培の指導もしてくれるため、家庭菜園の経験がない人にもおすすめです。
(参照:シェア畑garden 星が丘)
買い物ついでに楽しめる!商業施設のビルにある屋上菜園
商業施設のビル屋上内で体験できるUrban Farmingがあります。オーガニック培養土を使用した無農薬栽培で、新鮮でおいしい野菜が栽培できます。
農具はすべて完備されているほか、きれいな庭園で靴や服が汚れないため、買い物ついでに楽しめるのもポイント。座って作業もできるため、足腰に負担がかからないのも良い点です。収穫祭や園芸教室などのイベントも開催されています。
(参照:イオンタウン名西)
名古屋初!AI/IoTを導入したUrban Farmingも登場
最近では栄駅前のミュニケーションスペース「SAKAE HIROBAs」にて、AI/IoTを導入したUrban Farmingも登場しています。専用のIoTセンサーがアプリと連携して野菜の手入れ状況を通知してくれるため、初心者でも安心して栽培できるのが魅力。
発芽、収穫、種取りまでのステップをガイドしてくれる機能や、リマインドもしてくれるため、忙しい人でも安心して取り組めます。
また、メンバーと共同で野菜の世話をしていくため、ライフスタイルに合わせて参加できるのも特徴です。アプリには仲間とのコミュニティー機能もあり、栽培状況や手入れを報告し合ったり、収穫した野菜で調理した写真を共有したりできます。
収穫した野菜をみんなで食べたり、季節ごとのイベントやワークショップなども楽しみのひとつです。農業体験を通じて仲間を作りたい人や、家庭菜園が未経験の人にもおすすめのUrban Farmingです。
名古屋市のUrban Farmingは持続可能性を広げる重要な取り組み
名古屋のUrban Farmingは、都市化による農地の減少や環境問題、食料自給率の低下や食の安全保障、コミュニティー弱体化などの課題解決を担っています。名古屋の持続可能性を高める重要な取り組みとして、Urban Farmingはさらに加速していくことでしょう。
あわせて読みたい: 今すぐ実践!サステナビリティに配慮した会社作りのアイデア8選