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Urban Farmingの新境地|地下農場で実現する持続可能な食料生産

Wednesday, 13 November 2024

自然や農地が少ない都市部では、食料自給率が低いことからUrban Farmingの重要性が高まっています。都市で野菜や植物を育てるUrban Farmingはビルの屋上や室内、空き地で行なうのが一般的ですが、地下空間に広がる農場も登場しているのです。

今回はUrban Farmingの新境地ともいえる地下農場について、メリットや成功事例も併せて解説します。

Urban Farmingで活用される地下農場とは?

地下農場とはその名の通り、地下空間に作る農場を指します。都市の空きスペースは地上だけでなく、地下の未利用のスペースも有効活用できるのです。

 

例えば、地下鉄の廃線跡や駐車場、地下室などが挙げられます。地下農場は太陽光が入らないため、LED照明などの人工的な光源を使用して栽培するのが特徴です。

 

イギリスのロンドンをはじめ、フランスのパリやベルギー、日本の都市でも地下農場によるUrban Farmingが実施されています。

 

(参考:https://project.nikkeibp.co.jp/mirakoto/atcl/global/h_vol6/)

地下農場でUrban Farmingを実践するメリットと課題

地下農場でUrban Farmingを行なうメリットはいくつか挙げられます。地下農場ならではのメリットにはどんなものがあるのか、詳しく見ていきましょう。

 

<未利用の地下空間を活用できる>

 

都市部では使用できる土地が少なく、空きスペースも限られていますが、未使用の地下スペースを農業に活用できるのは大きな利点です。

 

使われなくなった防空壕やショッピングモールの地下にある未利用スペースなど、地上に比べて地下空間の未利用スペースは数多く存在します。

 

また、都市部の地下道や歩行者トンネルも、人通りが少なくなると未利用のスペースができるため、地下農場として活用するケースがあります。

 

<気候変動に左右されずに食料生産できる>

 

地下農場は屋上や空き地を活用した農園と違い、外部環境に左右されずに食料を生産できるのがメリットです。LED照明の光で植物の成長を促し、気温や湿度をコントロールしやすいため一年を通して生産量が安定します。

 

地球温暖化による気候変動の影響を受けずに作物を栽培できる地下農場でのUrban Farmingは、未来の食料生産システムに必要不可欠です。

 

<温度や湿度を管理しやすくエネルギー効率が良い>

 

地下農場は、湿度や温度を管理しやすくエネルギー効率が向上するメリットがあります。地下空間は外部環境から隔離されているため、一定の温度を維持しやすく季節による気候の影響を受けにくいからです。

 

また、地下の自然な断熱効果により、冷暖房に必要なエネルギーが少なくて済むためエネルギー効率が向上します。植物にとって適した環境を作れるため、高品質な食材を安定的に生産できます。

 

<害虫や病害のリスクが軽減する>

 

地下農場は外部からの害虫の侵入が少ないため、クリーンな栽培環境を維持しやすい特徴があります。害虫や病害のリスクが軽減するため、無農薬で栽培しやすいのもメリットです。

これにより、都市住民に安全で健康的な食材を継続的に提供できます。

 

上記のように多くのメリットが得られる地下農場でのUrban Farmingですが、その一方で以下のような課題もあります。

 

・初期コストがかかる

・技術的なハードルが高い

・運営維持が難しい

 

地下農場でUrban Farmingを行なうには、導入費用がかかるだけでなく、技術開発が必要です。例えば照明や換気システムの電力消費とその対策も考えなければなりません。

 

また、運営維持も課題のひとつです。運営を維持するためには、人材育成や技術サポート、運営コストの管理も重要になります。

 

(参考:https://www.kaku-ichi.co.jp/media/tips/column/underground-farm)

地下農場で行なうUrban Farmingの成功事例

課題がありつつも持続可能な食料生産として期待される地下農場で、既にUrban Farmingを実践している都市が存在します。ここでは地下農場で行なうUrban Farmingの成功事例を見ていきましょう。

 

<パリ・首都最大の地下農場>

フランスの首都・パリには使用されなくなった大規模な地下駐車場を利用した地下農場があります。

 

9,000㎡にも及ぶ巨大な地下農場では、シイタケやマッシュルーム、ヒラタケなどのきのこ類をはじめ、「マイクログリーン」と呼ばれる栄養価の高い小さな葉野菜を、有機栽培で育てています。

 

ここで育てられた食材は、パリ近郊にある数多くのレストランや地元住民に提供されており、消費者に届ける際にも環境に優しい自転車を活用。

 

廃墟となり無法地帯と化していた地下駐車場が地下農場に生まれ変わり、地産地消を実現したUrban Farmingです。

 

(参考:https://www.sortiraparis.com/ja/nyusu/pari-de/articles/307184-pari-shou-dou-zui-dano-de-xia-you-ji-dou-shi-nong-changwo-fangreta

https://finders.me/kqFQpDI2NzU/1)

 

<リーフ類やきのこ類を栽培する千葉県・習志野市にある地下農場>

千葉県・習志野市の道路下には、新鮮なリーフやきのこ類を栽培する地下農場が存在します。搬送機器メーカーが運営している植物工場で、整然と並んだ棚ではベビーリーフやエディブルフラワー、ハーブ、きのこ類を栽培中。

 

棚の天井に取り付けられたLED発光とチューブから送られる養液、均一化された温度と二酸化炭素濃度によって、季節を問わず安定して生産されています。

 

また、毎週金曜日の10時〜14時には直売を開催。テレビ番組で取り上げられるなど、都市農業の新たなスタイルとして話題を呼んでいるUrban Farmingです。

 

(参考:https://www.kaku-ichi.co.jp/media/tips/column/underground-farm

https://emira-t.jp/kengaku/4623/)

地下農場で行なうUrban Farmingは持続可能な食料生産の選択肢

地下の未利用スペースを有効活用した地下農場では、気候の影響を受けずに一年中安定して作物の生産ができます。未来の持続可能な食料生産を実現する地下農場で行なうUrban Farmingに、今後も期待が寄せられることでしょう。

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