日本の代表的な調味料のひとつでもある「お酢」。数年前からお酢は健康に良いものとして、メディアなどでも取り上げられるようになりました。ザクロ酢や黒酢、りんご酢など、ドリンクタイプの商品も増えています。
今回は、お酢の健康効果や効果的な摂り方、注意点を解説します!
お酢はさまざまな原材料から造られます。一般的にお酢と呼ばれているものは、米や穀物などの糖質を含んだ食材を原材料として、アルコール発酵と酢酸発酵の工程を経た液体の調味料を指しています。
お酢の主成分は「酢酸」です。お酢と呼ばれるものには、以下のような種類があります。
・穀物酢
米、小麦、酒粕、とうもろこしなどをブレンドして醸造したお酢。日本で最も多く調味料に使われている。
・米酢
米から造られる醸造酢。お米特有の甘さやうま味、まろやかさがある。
・米黒酢
玄米など、精白米以外の米に小麦または大麦を加えたもの。コクがあり酸味がまろやか。
・大麦黒酢
大麦のみで造られたもの。コクや風味が豊か。
・りんご酢
りんご果汁を使用した果実酢。りんごの香りが豊かでフルーティーな味わい。飲料用としても人気。
・ワインビネガー
ぶどうから造られる果実酢。ぶどうにワイン酵母を入れ発酵させ、さらに酢酸を加えて発酵させる。フルーティーな味わいで肉料理や魚料理に合う。
・バルサミコ酢
白ぶどうから造られる果実酢。ワインビネガーとの違いは、ワイン酵母や酢酸を使用せずに長期間熟成させること。ぶどうの風味が強く、濃厚な味わいが楽しめる。
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ここからは、お酢の驚くべき健康効果を見ていきましょう!
お酢には内臓脂肪の減少をサポートする効果があることが、研究で明らかになっています。酢の主成分である酢酸の働きによって、脂肪の合成を抑制し、内臓脂肪の増加を予防するからです。
研究では、12週間毎日大さじ1杯(15ml)のお酢を摂ることで、内臓脂肪が減ったことが報告されています。
(参照:酢酸の生理機能性)
お酢には血糖値の上昇をゆるやかにする効果があることが研究でわかっています。
炭水化物など糖を含む食事をすると、血糖値が急激に上昇します。糖はエネルギーとして必要なものですが、血糖値の急激な上昇は、体脂肪の増加や糖尿病のリスクが上がるため、注意が必要です。
そこで、食事の中で大さじ1杯(15ml)のお酢を摂ることで、血糖値の上昇をゆるやかにし、糖尿病などのリスクを抑えることができます。食事メニューに酢の物を入れるのもおすすめです。
(参照:「食酢配合飲料の正常高値血圧者および軽症高血圧者に対する降圧効果」(健康・栄養食品研究 6(1):51-68 2003))
お酢には高血圧を下げる効果があるといわれています。血圧が高めの男女に10週間毎朝続けて大さじ1杯(15ml)のお酢を摂取してもらった研究では、多くの人の血圧が低下したことがわかりました。
高血圧は心疾患や脳の病気を引き起こしやすいため、血圧が高めの人は、お酢を意識して摂ることをおすすめします。
(参照:食酢の食後血糖上昇抑制効果)
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お酢の効果的な摂り方は、毎日大さじ1杯(15ml)のお酢を摂ることです。朝昼晩いつでも構いません。
先ほどお伝えしたように、お酢には食後の血糖値の上昇をゆるやかにする効果があるため、血糖値が気になる人は、食事のメニューに取り入れるのもおすすめです。オリーブオイルと合わせてドレッシングとしてサラダにかけるのも良いでしょう。
また、酢の物や酢を使った煮込み料理にするのも良いですね。健康効果を得るためには、毎日大さじ1(15ml)のお酢を継続して摂るようにしましょう。
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お酢を摂る際には、いくつか注意点があります。
ドリンクタイプではないお酢(醸造酢)を飲む場合には、そのまま飲むのではなく5倍〜10倍に薄めて飲むようにしましょう。
また、お酢は強い酸性なので、空腹時に飲むと胃が荒れてしまう恐れがあります。空腹時は避けるようにしましょう。
お酢を摂り過ぎると、歯のエナメル質が溶ける可能性があります。酸には歯の表面にあるエナメル質を溶かす作用があるため、虫歯や知覚過敏など口内のトラブルになる恐れがあるのです。
また、お酢の摂り過ぎは胃腸が炎症を起こす恐れがあります。特に胃腸が弱い人は注意しましょう。
お酢のドリンクには、糖分や人工甘味料などが入っている場合があります。健康のために飲み始めたのに、糖分を摂りすぎてしまう可能性が。お酢のドリンクを飲む時には、成分表示を良く確認して、選ぶようにしましょう。
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お酢には内臓脂肪の減少をサポートする効果や、食後の血糖値をゆるやかにする効果、高血圧を下げる効果など、さまざまな健康効果があることがわかりました。
毎日大さじ1杯(15ml)のお酢を継続的に摂り続けることで、これらの健康効果を得ることができます。効果を早く得たいからといって過剰に摂取してはいけません。
健康のためにお酢を摂るのに、誤った摂り方をしたら逆効果になってしまいます。注意点を守りながら正しくお酢を摂って、健康効果を手に入れましょう!