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オランダはサーキュラーエコノミーの先進国!取り組み事例も解説

Friday, 17 May 2024

気候変動や資源の枯渇問題などの解決策として世界全体で求められているサーキュラーエコノミー。環境負荷を抑えながらビジネスも両立させていく経済システムとして、推進されています。

中でもサーキュラーエコノミーの先進国といえるのが欧州のオランダです。今回はオランダでサーキュラーエコノミーを促進する背景やオランダの首都アムステルダムを中心とした、サーキュラーエコノミーの先進的な取り組み事例を解説します。

オランダはなぜサーキュラーエコノミーが進んでいるのか?

2-オランダはサーキュラーエコノミーの先進国!取り組み事例も解説
サーキュラーエコノミーとは「循環型経済」のことです。これまで捨てられていた不用な原材料や製品などを資源と捉え、循環利用することによって廃棄物を出さないようにする経済システムを指します。

日本の企業もサーキュラーエコノミーに向けた取り組みが進められていますが、世界的にリードしているのがオランダです。オランダの首都アムステルダムでは、2050年までに100%循環型都市にするという目標を掲げ、官庁と民間が連携しさまざまな事業でのサーキュラー化を実現しています。

オランダのサーキュラーエコノミーが進んでいる理由のひとつに、民間がサーキュラーエコノミーに取り組みやすい環境が整っていることが挙げられます。

政府がサーキュラーエコノミー分野に対する補助金の拡充や、規制の緩和・改定を行うなどして、民間活動を促しているのです。また、官庁と民間が連携して行うプロジェクトが活発化している点や、行政が持つ情報を民間に共有している点も理由に挙げられます。

さらに首都アムステルダムはリベラル(自由)な都市であり、変化を喜んで受け入れる市民意識もサーキュラーエコノミーの促進につながっていると考えられています。

(参照:なぜアムステルダムは循環経済の先進都市になれたのか? アムステルダム市長、ハーベスト・ウェイストCEOに聞く)

サーキュラーエコノミーを先導するオランダの取り組み事例

3-オランダはサーキュラーエコノミーの先進国!取り組み事例も解説
オランダはサーキュラーエコノミーの先進国として紹介されることが多く、その先進的な取り組みは、他国にとっての学びや実践につながるとして注目を浴びています。

ここでは具体的な事例として、サーキュラーエコノミーを先導するオランダの取り組みをご紹介します。

廃棄食材を使ったディナーパーティーやフードマーケットの開催

 

アムステルダムを中心とした食料品店などで発生する廃棄食材を使用し、ディナーパーティーやフードサイクルマーケットを開催する取り組みがあります。地域住民が規格外野菜を見慣れることで抵抗感がなくなるよう、視覚的な教育を目的としているイベントです。

現在では、オランダのベルゲンやユトレヒト、ニュージーランドのオークランド、カナダのキングトンなどにも拡大し、食品ロス削減のムーブメントを巻き起こしているとして話題を呼んでいます。

(参照:【欧州CE特集#11】見て感じて味わって。住民主体で食品ロスを解決する「Taste before you waste」)

廃棄物を出す企業と資源を再利用する企業をつなぐプラットフォーム

 

オランダでは廃棄物を出す企業と、それを資源として活用したい企業をつなぐプラットフォームが開発されています。

ブロックチェーン技術を用いて、製品のデザインや製造、使用・修理、リサイクルなどの情報を共通データベースで管理し、透明性とプライバシーを確保するという仕組みです。

このデータに基づいて素材が持つ経済的価値などをコーディネーターが計算し、AI技術も活用しながら最適なマッチングを行います。

廃棄物を出す事業者は資源を提供することで利益を得られ、資源を求める企業は低コストで調達できる画期的なプラットフォームです。

耐用年数を超えた古い郵便局を再利用したオフィスビル

 

オランダのアムステルダムでは、耐用年数を超えた古い郵便局を取り壊さず、スマートなオフィスビルへと再利用した事例があります。

新しい建築材料を一切使用せず、郵便局時代に使えなくなっていた天然石は1階の床に再利用し、2階部分は将来の再利用を考慮し、分解可能な木造構造になっています。

また、健康や快適性を重視した、建物環境評価システムの『WELL™Core&Shell Platinum認証』をオランダで初めて取得。テクノロジー技術を採用し、環境への影響を最小限に抑えつつ、緑を多く取り入れ、人々の健康と幸福を最重要視したデザインのオフィスビルです。

(参照:欧州CE特集#8】人間の健康と幸福が最優先。新世代のスマートビルディングEDGE Olympic)

サーキュラーデザインを採用した複合施設

 

オランダのメガバンクが造った、資源を循環利用することを前提とするサーキュラーデザインを採用した複合施設があります。

多くの廃材を活用し、解体後の再利用も考慮したデザインがポイント。太陽光発電でエネルギーを生み出し、雨水タンクも活用するなどさまざまな点で資源の再利用が取り入れられています。

また、併設されたレストランやバーでは、廃棄食材を生かした料理や自家栽培のハーブなども提供されており食品ロス削減や食材の輸送時にかかる二酸化炭素の抑制にも貢献しています。

(参照:銀行が造った、革新的な複合施設。アムステルダム市民が集う『CIRCL』。)

サーキュラーエコノミーを先導するオランダから取り組みを学ぼう

4-オランダはサーキュラーエコノミーの先進国!取り組み事例も解説
オランダでは首都アムステルダムを中心に、サーキュラーエコノミーに向けた先進的な取り組みが広がっています。

国によるサーキュラーエコノミー分野への支援や、行政と民間が連携して行うプロジェクトが頻繁に開催されるなど、サーキュラーエコノミーに取り組みやすい環境が整っている点が、推進力のポイントです。

取り組みを先導するオランダから学び、サーキュラーエコノミーへの意識や行動へとつなげていきましょう。
あわせて読みたい: サーキュラーエコノミーとは?意味やポイントをわかりやすく解説

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