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サーキュラーエコノミーの実現に重要なシェアリングエコノミーとは?
Thursday, 23 May 2024
今回は、シェアリングエコノミーとは何か、サーキュラーエコノミーとの関係性に加え、シェアリングエコノミーのメリットや利用時の注意点も解説します。
シェアリングエコノミーとは?
シェアリングエコノミーとは、インターネット上のマッチングプラットフォームを介して、個人と個人、または企業との間で保有するモノや場所、スキル、移動手段などを貸し借りするサービスのことです。
シェアリングエコノミーは、サービスを提供する「提供者」として、またサービスを利用する「利用者」としても活用できます。
提供者は自分が保有する資産を有効活用して利益を得ることができ、利用者は必要なときだけ低コストでサービスを受けられるのが良い点です。また、モノや場所だけでなく、スキルや時間などの無形のものも共有できます。
近年では、個人間だけでなく、企業がシェアリングエコノミーを活用するケースも増えており、新しいビジネスモデルとして市場は急速に拡大しています。
(参照:シェアリング・エコノミー(C to Cサービス))
(参照:シェアリングエコノミーSharing Economy利用ガイドブック)
サーキュラーエコノミーとシェアリングエコノミーの関係性
シェアリングエコノミーは「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」とも関係しています。循環型経済とは、廃棄物を出さず、資源を循環させ有効活用していく経済システムを指します。
従来のモノを大量に生産し大量に廃棄する「リニアエコノミー(直線型経済)」では、気候変動や資源の枯渇、海洋汚染問題などが解決できないとして、世界全体でサーキュラーエコノミーへの移行が求められているのです。
シェアリングエコノミーは他人と資産を共有するため、資源を有効活用でき、廃棄物を削減できます。つまり、シェアリングエコノミーはサーキュラーエコノミーの一部というわけです。
また、サーキュラーエコノミーの実現には、シェアリングエコノミーの拡大がカギになるといえるでしょう。
シェアリングエコノミーは5つの分野に分けられる
シェアリングエコノミーのサービスは5つの分野に分かれています。それぞれのサービス内容を見ていきましょう。
空間
民泊をはじめ駐車場やコワーキングスペースなどが空間のシェアにあたります。使っていない物件や駐車スペースを提供し、利用者がプラットフォームを介して利用することで成り立つサービスです。
スキル
家事代行や育児代行、知識のシェアなどがスキルの分野に当てはまります。提供側は自分のスキルを価値として提供できるのが良いところです。得意なことが仕事になり、利用者との関わりも財産になります。
移動
カーシェアやシェアサイクル、電動キックボード、相乗り、運転代行などが移動のシェアにあたります。必要なときだけ利用できるので、乗り物自体の購入費や維持費の節約になるのがポイントです。また、飲酒時に運転できないときの運転代行も需要が高いサービスです。
モノ
フリーマーケットやレンタルサービスなどがモノのシェアにあたります。フリマアプリなどを活用し不用なものを売ることで、廃棄物を減らしながら利益が得られるのが良い点です。また、イベントなどで一度しか着ない服をレンタルすることで、節約になり資源消費を抑えられます。
お金
クラウドファンディングなどがお金のシェアにあたります。プロジェクトや会社の立ち上げなど、やりたいことに資金を支援してもらえるサービスです。
支援した側は、そのリターンとして何らかの報酬が得られる仕組みになっています。やりたいことの実現につながり、夢を追いかける人の応援もできるサービスです。
(参照:シェアリングエコノミー協会のビジョン)
シェアリングエコノミーのメリット
シェアリングエコノミーには次のようなメリットがあります。
・自分が持っている資産を有効活用し価値を提供できる
・プラットフォームを活用するため提供者は初期費用がほぼかからない
・必要なときだけ利用できるので安く抑えられる
・モノの生産量や廃棄量が抑えられ、環境負荷が軽減する
自分のスキルや所有しているモノなどを有効活用し、価値を提供することで、人の役に立てるうえ、利益も得られるのがメリットです。
また、ほぼ無料で使えるプラットフォームを介すため、提供者は初期費用がかかりません。さらに必要なときにだけ使うため、モノを買うよりも節約でき、廃棄物が抑えられるのもメリットです。
シェアリングエコノミーを利用する際の注意点
シェアリングエコノミーを利用する際には、必ずプラットフォーム上で取引するようにしましょう。トラブルの際にはプラットフォーマー(シェア事業者)に相談することをおすすめします。
また「レビュー機能」「運転免許証などによる本人確認」「相談窓口が設けられている」など、これらの基準を満たす「シェアリングエコノミー認証マーク」があるプラットフォームが安心です。
サーキュラーエコノミー実現に重要なシェアリングエコノミーを活用してみよう!
シェアリングエコノミーは他人と資産を共有するため、社会全体でシェアリングサービスが進むことでモノの生産量や廃棄量を削減できます。これは廃棄物を出さず資源を循環させていくサーキュラーエコノミーの概念に通じるものです。
ぜひ、モノの所有を改め、シェアリングエコノミーを積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
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