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気候変動で引き起こされる熱波がウミガメにもたらす影響とは?

Friday, 09 August 2024

地球温暖化による気候変動で熱波が引き起こされ、一部の海岸でウミガメのメスが急増している事態が発生しています。またそれによって、個体数の激減や絶滅危機の可能性もあるというのです。

今回は気候変動がウミガメに及ぼす影響や、ウミガメを守るために私たちができることを解説します!

気候変動はウミガメにどんな影響を及ぼしている?

2-気候変動で引き起こされる熱波がウミガメにもたらす影響とは?.jpg

地球温暖化による気候変動は年々深刻化していて、2023年の夏は歴史的にも記録的な熱波が各地で観測されています。カナダやハワイで過去最大規模の山火事が発生したのは記憶に新しいかもしれません。

気候変動は山火事だけでなく、海の生物にも影響しています。ここでは、気候変動がウミガメにどんな影響を及ぼしているのか詳しく見ていきましょう。

(参照:834. 2023年7月熱波に対する気候変動の痕跡)

一部の海岸でウミガメのメスが急増

地球温暖化による気候変動が熱波を引き起こすことによって、一部の海岸でウミガメのメスが急増しています。メスが急増している理由は、ウミガメの卵から誕生する子どもの性別は、孵化する際の温度(孵卵温度)で変化するからです。

アメリカ国立海洋局の調査によれば、孵卵温度が27℃以下だとオス、31℃以上だとメスになるといわれています。近年、気候変動による熱波で砂浜の温度が上昇し、一日中高温が続いていることが原因で、ウミガメのメスが急増しているのではと考えられています。

(参照:What causes a sea turtle to be born male or female?)

メスの比率が99%以上を占めている地域も

 

米学術誌「Current Biology」で発表された研究結果によれば、オーストラリアに位置する世界最大のサンゴ礁地帯「グレート・バリア・リーフ」の北東部に生息する、アオウミガメの幼体が、99%以上メスであることがわかりました。

グレート・バリア・リーフに生息するアオウミガメの場合、孵卵温度が29.3℃だとオスとメスの比率が半々で生まれるため適温だといいます。適温以下であればオス、適温以上だとメスの割合が高くなると考えられています。

このようにカメの性別決定には「温度依存性決定」という仕組みがあり、孵卵温度が性別決定に大きく影響するのです。

(参照:地球温暖化の影響で、アオウミガメは「ほぼすべてメス」になる:研究結果)

性別の不均衡や海面上昇によって絶滅の危機も

気候変動で気温上昇が続き、このままメスだけが増え続けた場合、ウミガメの個体数が激減し絶滅の危機に瀕する可能性があるとされています。メスだけになってしまうと、繁殖ができないからです。

また、気候変動の影響で南極の氷が融解し、海面上昇が起こることによって産卵できる砂浜が無くなってしまう恐れもあるといいます。

ただでさえ、人間の活動による砂浜環境の悪化や漁業の犠牲でウミガメの個体数が減っている中、気候変動がウミガメの生息環境にさらなる追い打ちをかけているのです。

(参照:ウミガメが減る理由)

気候変動対策に加えて、ウミガメを守るために海岸で気をつけたいこと

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ウミガメを守るためには、温暖化を防ぎ気候変動による気温上昇を抑えなければなりません。それに加えてウミガメが安心して産卵でき、子ガメが無事に海に帰れるよう、砂浜の環境を守ることも大切です。

ここではウミガメを守るために海岸付近で気をつけたいことを確認していきましょう!

砂浜ではむやみに懐中電灯や携帯電話のライトを照らさない

 

産卵期のウミガメは光を嫌がるため、ライトがあたると産卵に悪影響を及ぼす可能性があります。また、子ガメは光の方向に進んでいく性質があり、海に帰れなくなるケースもあるのです。

実際、外灯に誘われて車道に迷い込み、車にひかれてしまう子ガメもいます。砂浜では、むやみに懐中電灯や携帯電話のライトを照らさないよう注意しましょう。

夜の海岸では歩いたり騒いだりしない

 

夜、暗くなるとウミガメは海から波打ち際に接近します。しかし警戒心が強いため、海岸で人の気配がすると砂浜に上陸するのをやめてしまう可能性があります。

また、孵化時期の子ガメを踏んでしまう恐れがあるため、夜の海岸ではできるだけ歩いたり騒いだりしないようにしましょう。

ウミガメを見かけても近づかない、触らない

ウミガメは非常に警戒心が強く、敏感な生き物です。人が近づいてきたり触ったりしてくると、産卵せず海に帰ってしまうことがあります。ウミガメがめずらしいからといって近づいたり触ったり、フラッシュをたいて写真を撮ったりせずに、そっと見守りましょう。

海岸で出たごみは必ず持ち帰る

 

海岸に散らかったごみは、ウミガメが上陸するときや子ガメが海に帰るときの妨げになります。海水浴や釣りなど、海のレジャーで出たごみは必ず持ち帰るようにしましょう。

また、風に飛ばされて砂浜に流れ着いたプラスチックごみも大量に発生しています。海岸でなくても、ごみのポイ捨ては絶対にしないようにしましょう。

砂浜に残っているウミガメの足あとは消さないよう注意する

 

ウミガメ保護監視員がいる地域では、砂浜に残っているウミガメの足あとを頼りに産卵場所を探します。そして孵化に向いてない場所の場合、安全に孵化できる場所に移しています。これもウミガメの絶滅を防ぐための重要な取り組みです。

ウミガメの足あとを見つけた際には、消さずにその地域の環境政策課などに連絡することをおすすめします。

(参照:地球温暖化による影響)

気候変動対策と砂浜を守る取り組みでウミガメの生存危機を救おう!

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気候変動が引き起こす熱波が、ウミガメの産卵に多大な影響を及ぼしています。孵化温度が29℃~31℃以上だとメスの割合が高くなるため、このまま温暖化が続けばメスのみになり、やがて絶滅してしまう可能性もあるでしょう。

ウミガメを守るためには、気候変動対策に加え、安心して産卵できる砂浜の環境を整えることも重要です。

日々の生活の中で二酸化炭素排出量の削減を心がけるほか、海岸付近での行動に気をつけて、ウミガメを守っていきましょう。
あわせて読みたい: ユキヒョウが気候変動や人による密猟などの影響で絶滅危惧種に?

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