BLOG -SDGs and Sustainability

SDGsはなぜ2030年を目標達成期限にしているの?

Tuesday, 27 February 2024

持続可能でより良い社会を目指す、世界共通目標のSDGs。17のゴールとそれを達成するための169のターゲットが設定されていますが、なぜ2030年までを目標達成期限としているのでしょうか?

また、SDGsへの取り組みをしなかった場合、未来はどうなるのでしょう。今回はSDGsが2030年を目標達成期限とする理由やSDGsに取り組まなかった場合の未来予測を解説します!

SDGsが2030年までに目標達成を目指す理由

SDGsが2030年までを目標達成期限としたのには、以下の2つの理由が考えられます。

・前身のMDGsにならって期限を設定したため
・2030年を目指して課題解決に取り組まなければ、地球が抱える問題が悪化するため

それぞれどういうことなのか、詳しく見ていきましょう。

前身のMDGsにならって期限を設定したため

 

MDGsとは「ミレニアム開発目標」のことで、SDGsが生まれる前の2000年に作られた、途上国支援を中心とする開発目標のことです。

MDGsでは、環境の持続性をはじめ、飢餓の撲滅や乳幼児死亡率の削減など、全部で8つの目標が掲げられました。このMDGsの目標達成期限が2000年〜2015年の15年間とされていたのです。

SDGsはMDGsの後継として2015年に誕生し、2030年までを目標としています。つまり、MDGsと同じ15年間を目標期限とした結果、2030年までに設定されたと考えられています。

MDGsの目標をより強化したのがSDGsであり、途上国支援中心の目標から先進国の課題解決も含めた内容にバージョンアップしているのがSDGsの開発目標です。

(参照:ミレニアム開発目標(MDGs))

2030年を目指して課題解決に取り組まなければ、問題が悪化するため

今地球では環境問題をはじめ、社会問題、紛争問題、貧困問題、差別問題などさまざまな問題を抱えています。SDGsはこれらの問題の課題解決に向けて設定された行動計画と目標です。

しかし、目標を定めたとしても行動に起こさなければ意味がありません。課題解決に取り組まなければ、地球が抱える問題はさらに悪化していくでしょう。

そして今ある地球環境を次の世代にまでつないでいくことは難しくなるといえます。こうした事態を防ぎ、人々の行動を促すために、2030年までを目標達成期限として定められたと考えられているのです。

(参照:SDGsは、なぜ2030年までなのか?わかりやすく解説)

何もアクションを起こさなかった場合、2030年はどうなる?

SDGsは世界共通の目標ですが、2030年までに目標達成ができなかったからといって罰則があるわけではありません。

法的な拘束力もないため「じゃあ取り組まなくても良いのでは?」という人も少なからずいることでしょう。

しかし、先述したようにSDGsへの取り組みを行わなければ地球環境は悪化をたどる一方です。ここではもしも何もアクションを起こさなかった場合に予測される、2030年の未来を見ていきましょう。

地球の平均気温が上昇し、気候変動による災害リスクが高まる

 

地球が抱える環境問題の中で最も重要課題とされているのが、気候変動対策です。SDGsでも13番目の目標に「気候変動に具体的な対策を」があります。

気候変動対策に取り組まなかった場合温暖化は促進し続け、2030年には地球全体の平均気温が約1.5度上昇すると予測されています。地球の平均温度が上がると起こるのが、海面上昇です。

海面が上昇すると、国土の一部が水没し、住む場所が失われるといった問題が起こります。また、陸地が浸水して農地や農作物への被害も発生します。

さらに海水が地下水に流れ、飲用水への影響も生じてしまうのです。加えて気候変動による異常気象で山火事の発生率が高くなり、生物多様性の喪失も大きくなると予測されています。

(参照:2030年ごろ気温1.5度上昇 温暖化の原因は人間活動「疑う余地ない」 IPCC報告)
(参照:SDGsの達成目標はなぜ2030年なのか?起こり得る問題から推察)

気候変動と世界の人口増加による水不足と食糧危機

気候変動がもたらす異常気象や人口増加によって、食糧不足や水不足が起こると予測されています。SDGs6番目に「安全な水とトイレを世界中に」という目標があり、誰もが安全な水とトイレを利用できることを目指しています。

しかし、対策に取り組まなかった場合、2030年までに世界で水が入手できる可能性は40%不足すると報告されているのです。また、深刻な水不足で2030年までに7億人が避難民になる恐れがあるといわれています。

さらに世界の人口は増加傾向にあるものの、1人あたりの穀物作付き面積は減少しています。日本は食料供給の多くを海外に依存しているため、食糧危機の影響を受けるのは当然となるでしょう。

(参照:水と衛生に関するファクトシート)
(参照:世界の食料需給の動向)
(参照:「日本が食料危機に?」名和高司氏と考える2030年の企業戦略)

上記の予測はごく一部であり、ほかにもエネルギー資源の枯渇問題や飢餓や貧困による教育格差や紛争の長期化の深刻化が挙げられます。

また日本では、少子高齢化や過疎地域の増加、経済成長率の低下など、解決できないどころか問題は悪化をたどる一方です。

SDGs17個の目標は、これらの問題解決策となる重要な取り組みであることを忘れてはなりません。

2030年まであと7年弱!SDGs達成と明るい未来に向けて行動しよう

SDGsが2030年までに目標達成を目指す理由は、SDGsの前身となる「MDGs」の目標期限にならって設定されたことや、地球が抱える問題の悪化を防ぐためと考えられています。

SDGsが達成できなくてもペナルティなどはありませんが、問題が深刻化し、持続可能な社会を築けなくなることは確かです。

ぜひ、明るい未来のためにも今日から2030年に向けて、SDGsへの取り組みを実践していきましょう!
あわせて読みたい: 気候変動による生態系への影響|起きている現象と今後の予測

Share

  • Facebook
  • Twitter
  • whatsapp
  • URLをコピー

BLOGのおすすめ記事

CLOSE

greengrowers

URLをコピーしました