クライメートテックのスタートアップを調査!|状況や事例を解説
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クライメートテックのスタートアップを調査!|状況や事例を解説

Monday, 17 February 2025

世界各国が2050年のカーボンニュートラル実現を目指す中、クライメートテックのスタートアップに期待が高まっています。しかし、日本においては大企業が取り組んでいる傾向があり、スタートアップは資金調達や人材育成などの課題を抱えているのが現状です。

今回はクライメートテックのスタートアップについて、日本の状況や取り組み事例を解説します。

クライメートテックのスタートアップ日本の状況 

クライメートテックに挑む日本のスタートアップは少しずつ増えており、2024年上半期の資金調達額は618.3億円で増加傾向にあります。

 

しかし、スタートアップの創業数や投資額は欧米と比較して少ない状況です。それには日本のスタートアップが直面しているいくつかの課題があります。

 

まず、資金調達の問題です。欧米に比べてクライメートテックへの投資規模が小さく、長期的なリターンを要するカーボンリサイクルや水素技術に対する投資が限定的である点が挙げられます。

 

また、ベンチャーキャピタル(VC)の多くは、短期的な利益を重視し、成長に時間を要する気候関連スタートアップへの資金提供を敬遠する傾向です。こうした状況から、初期段階のスタートアップが資金不足で事業拡大に苦戦するといったケースも少なくありません。

 

海外の競合に比べて、日本におけるクライメートテックのスタートアップの国際競争力が低下するなどの影響が生じています。

 

(参考:https://journal.addlight.co.jp/archives/suitz_webiner_20240725/

「GXスタートアップの創出・成長に向けたガイダンス」を策定しました

日本のクライメートテックのスタートアップを支援する動き  

日本におけるクライメートテック関連のスタートアップを支援する動きとして、経済産業省がGXスタートアップの創出・成長に向けたガイダンス」を発表しました。

 

GXスタートアップとは、グリーントランスフォーメーション(GX)に取り組むスタートアップ企業を指します。GXは化石燃料から再生可能エネルギーへの移行などを通じて、温暖化や気候変動の問題を解決し、経済成長や社会の変革を目指す取り組みです。

 

GXスタートアップのガイダンスには、国内のクライメートテックの現状や課題がまとめられており、GXスタートアップ支援に特化した国内のVCファンドなども掲載されています。

 

このように、国全体でクライメートテックのスタートアップを活性化していこうという動きが見られています。

 

(参考:https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/gx_startup/gx_guidance.pdf)

クライメートテックのスタートアップ・国内の取り組み事例

さまざまな課題と向き合い、クライメートテック分野で成功している国内のスタートアップが存在します。具体的にどんな事業で成功しているのか、日本で活躍するクライメートテックのスタートアップ成功事例を見ていきましょう。

 

<高吸水性ポリマーを開発>

農業資材として活用できる、植物由来の超吸水性ポリマーを提供しているスタートアップがあります。従来、廃棄されてきた果物の皮や搾りかすなどの作物残渣を活用し、100%オーガニックの超吸水性ポリマーを開発しました。

 

あわせて読みたい: カーボンニュートラルとは?実現を目指す理由や取り組みを解説

 

農地に使用することで、水不足などの作物が育ちにくい環境下でも、生産費用を抑えながら収穫量を向上できるとしています。

 

また、この農地で栽培された作物の残渣を活用し、再び超吸水性ポリマーにアップサイクルすることで、持続可能な農業と循環型モデルの確立を実現しています。

 

(参考:https://efpolymer.jp/

 

<世界最小級のロボットで労働力を補完>  

人手不足や生産性の課題を解決に導いてくれる、世界最小級のロボットを開発した事例です。従来のロボットは大型で、大規模な工場にしか導入できないのが難点でした。

 

しかし、独自の技術で開発された世界最小級のロボットは、中小規模の生産ラインに導入できます。

 

人と同じ速度で24時間作業できるため、生産性は3倍に上がり、人件費や教育、マネジメントなどが不要で最大80%コストを削減できるほか、労災を防げるのもメリットです。

 

(参考:https://www.close-r.com/)

 

<再生可能エネルギーの提供と電力消費量の「見える化」を実現>  

「再生エネルギー事業で日本に貢献したい」という思いから誕生した、スタートアップの事例です。東日本大震災の際に、被災地に太陽光発電を設置するボランティア活動から始まったといわれています。

 

自然エネルギーをもっと身近に感じられるような仕組みを目指し、自分で作れる発電所キットや、小型風力キットなどの販売も行ってきました。また、アプリを活用して電気代や料金単価を確認できるのもポイントです。

 

大手電力会社よりも低額なプランもあるなど、節約が期待できる電力会社として人気を集めています。電気代を抑えながら環境負荷を軽減できるとして、多くの国民の再生可能エネルギーへの移行に貢献している取り組みです。

 

(参考:https://looop-denki.com/home/

気候変動対策の救世主!日本のクライメートテック・スタートアップに期待

日本のクライメートテックのスタートアップは、資金調達などの課題がありますが、政策支援により拡大へと進んでいる傾向です。

 

気候変動対策の救世主ともいえる、日本のクライメートテックのスタートアップは、今後もさらなる技術革新で持続可能な社会に向けて取り組みを進めていくと期待できるでしょう。

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