気候変動による海面上昇は、年々加速していると報告されています。日本を含む世界の国々で、海面上昇に伴いさまざまな問題が起きているのが現状です。
なぜ海面上昇は加速しているのでしょうか。今回は気候変動が引き起こす海面上昇によって、世界中で起きている問題や将来の予測、海面上昇を抑えるために必要な対策について解説します!
海面上昇とは、海面の水位が上がることを意味します。海面水位の計測は1850年以降に開始されましたが、海面は年々上昇傾向にありこれまでに平均で約20cm上昇したといわれています。
特に2000年以降はとてつもないスピードで上昇しており、2006年以降は年間3.6mmずつ上昇、1990年までと比較すると約2.5倍のスピードであることがわかっています。その主な原因として考えられているのが、石油や石炭などの化石燃料を燃やすことで発生する温室効果ガスによる、地球温暖化です。
温暖化の影響で、海が温められ体積が膨らむ「熱膨張」が起こり、海面が上昇してしまうのです。また、極地に降り積もった雪の固まりである「山岳氷河」が温暖化によって溶け出し、海に流れ出て海面上昇を引き起こしています。
さらに南極大陸の氷が急速に溶けているのも原因のひとつです。グリーンランドでは、2021年7月末に1日当たり80億トンが解け、気候変動による影響で記録的な熱波に見舞われたことが理由として挙げられます。
もしも南極大陸の氷がすべて溶けてしまった場合には、海面が57m上昇すると予測されています。信じられない数値ですが、海面上昇を抑えなければ現実に起こりうる可能性があるのです。
(参照:気候変動に伴う海面上昇量に関する最近の議論)
(参照:グリーンランド氷床、熱波で「大規模融解」)
海面上昇は加速しているとお伝えしましたが、それによって一部の地域が水没するなどさまざまな問題が発生しています。
海面上昇の加速を防ぐには、温暖化を抑えることが急務になります。温暖化対策には、原因となる温室効果ガスの排出を減らすしかありません。
二酸化炭素(CO2)は石炭や石油を原料とした化石燃料によって大量に発生するため、これらのエネルギー供給源から風力・水力を燃料とした再生可能エネルギーへの移行が不可欠とされています。
再生可能エネルギーを個人で今すぐ取り入れるのは難しいかもしれません。検討しつつ、温暖化対策に取り組むのがおすすめです。
例えば暖房の温度を上げすぎたり、テレビやパソコンの電源を入れっぱなしにしないよう気をつけることから始めましょう。
海面上昇は沿岸部に住む人だけでなく、地球上に住むすべての人々に関わる問題です。意識を高めて今自分ができる身近な対策から始めていきましょう。
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