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サステナブル・シーフードとは?必要性と2つの認証マーク

Monday, 17 October 2022

持続可能な社会を目指して、世界ではさまざまな分野で取り組みが行われています。

その一つ、「サステナブル・シーフード」は、この先の未来まで魚介類を食べられるように、水産資源や環境、社会に配慮した漁業で獲られた水産物のことです。

今回はサステナブル・シーフードの証となる2つの認証マークや、サステナブル・シーフードが必要な理由、海の資源を守るために私たちができることについて解説します!

サステナブル・シーフードとは?

サステナブル・シーフードとは、将来も魚介類を食べ続けられるように、水産資源や環境、社会に配慮した漁業で獲られた水産物、あるいは環境と社会への影響を最小限に抑えた養殖場で育てられた水産物のことです。

水産資源が持続可能な状態で管理されている他、海の生態系が健全な状態で保たれていることなどが条件になります。

また、資源や環境だけでなく、サプライチェーンの各過程に強制労働や児童労働がないといった人権への配慮も含まれます。

(参照:「サステナブル・シーフード」とは? | Marine Stewardship Council

サステナブル・シーフードの証となる「2つの認証マーク」とは?

サステナブル・シーフードの証となる「2つの認証マーク」とは?

※画像出典:MSC

サステナブル・シーフードを名乗るには、審査機関による審査を受ける必要があります。そして、厳しい審査をくぐり抜けサステナブル・シーフードとして認められた水産物に与えられるのが、画像の認証マークです。

2種類のマークについて、それぞれ詳しく見ていきましょう!

あわせて読みたい: SDGs目標12:つくる責任 つかう責任/食品ロス削減のためにできること

<MSC認証「海のエコラベル」>

MSC認証は「海のエコラベル」とも呼ばれ、水産資源や環境に配慮した持続可能な漁業で獲られた、天然の水産物に与えられるマークです。

MSCとは、国際的な非営利団体である海洋管理協議会のこと。減少傾向にある世界の水産資源を回復させ、持続可能に利用していくために立ち上げられました。

MSC認証された水産物は、調達から販売まで、非認証のものと混ざらないよう扱われます。また認証後も審査員による監査が毎年あり、5年ごとに認証の更新が行われます。

MSC認証マークは、最優良の漁業で獲られたサステナブルな水産物の証なのです。

(参照:MSC「海のエコラベル」とは | Marine Stewardship Council

<ASC認証>

ASC認証は、環境や社会への影響を最小限に抑えて養殖された水産物に与えられるマークです。

ASC(水産養殖管理協議会)とは、世界自然保護基金(WWF)と持続可能な貿易を推進するオランダの団体(IDH)が2010年に共同で設立した非営利団体です。

2022年7月時点でASC認証の対象となる魚介類は12種類。アワビ、二枚貝、カレイ、サケ、タイ、エビ、海藻などがあります。

世界の人口が増加傾向にある中、貴重なたんぱく源である水産物の需要も増加。天然ものだけでは賄えず、養殖水産物の需要は年々高まっています。

環境や社会へ適切に配慮がなされた養殖を推進するために、ASC認証はなくてはならない制度です。

(参照:ASC Japan

サステナブル・シーフードが必要な理由

サステナブル・シーフードを認定するMSC認証やASC認証の制度が生まれた背景には、漁業が抱える問題が関わっています。

<過剰漁獲による海洋資源の減少>

世界の人口増加に伴い、水産物の需要や消費量が高まり、違法漁業による過剰漁獲が問題になっています。

現在、世界の水産資源の35%は持続可能なレベルを上回って漁獲されているといいます。WWFの報告書によると、1970年から2012年にかけて海洋生物の個体数は、ほぼ半減しました。

過剰漁獲の中にはダイナマイトを使用した破壊的漁業まであります。このままでは海の資源は枯渇し、海洋環境は悪影響を受ける一方です。

(参照:危機に直面している海 | Marine Stewardship Council

<気候変動による水産資源への影響>

過剰漁獲だけでなく、気候変動による海洋生態系への影響も深刻化しています。地球温暖化による気候変動で、海水温の上昇や海洋酸性化が起こり、海洋生物の住みかとなるサンゴなどが失われてしまう可能性があるのです。

また、海水温の上昇で魚の分布が変化したり、特定の魚が減少したりする例も報告されています。さらには生態系の構造自体が変わる恐れもあるといわれています。

(参照:気候変動と漁業 | Marine Stewardship Council

<養殖産業におけるずさんな運営>

需要が高まり急速に発展した水産養殖産業ですが、一方でずさんな運営による水質汚染、生態系の破壊など、新たな問題が発生しています。また、劣悪な労働環境で働かされる労働者がいるなど、人権問題の改善も求められています。

(参照:なぜ養殖認証が必要なのか – ASC Japan

海の資源を守るために私たちにできること

海の資源がこのまま減少し続けたら、私たちは将来、魚介類を食べられなくなってしまうかもしれません。

海洋生態系や健全な海の環境を守るために、漁業者や養殖事業者だけでなく、消費者にもできることがあります。それは、買い物をする際に海のエコラベル(MSC認証マーク)ASC認証マークがついたサステナブル・シーフードを選ぶことです。

私たちがサステナブル・シーフードを選ぶことによって、持続可能な漁業の応援につながり、MSC認証を目指す漁業者も増えていくでしょう。

結果的に違法漁業を減らし、海の資源を守ることにつながります。これから魚介類を食べる際には、ぜひサステナブル・シーフードを選んでみてはいかがでしょうか。

あわせて読みたい: サステナビリティに配慮したコーヒーとは?種類や選び方も解説

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