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BLOG -Circular Economy and Environment

サーキュラーエコノミー実現のカギとなるペットボトルのリサイクル

Wednesday, 15 May 2024

循環型経済を意味する「サーキュラーエコノミー」の実現に向けて、資源の有効活用が求められています。日本ではペットボトルのリサイクル率が高いとされており、サーキュラーエコノミー実現のカギになるとして、世界から注目を集めているのです。

今回は日本のペットボトルのリサイクル率や、リサイクルで解決が期待できる問題について、またサーキュラーエコノミー実現のカギとなるペットボトルのリサイクル方法や、正しいリサイクル回収への出し方も解説します!

日本のペットボトルリサイクル率は世界的にも高い

2-サーキュラーエコノミー実現のカギとなるペットボトルのリサイクル
「PETボトルリサイクル推進協議会」が行った2022年度の統計によると、日本のペットボトルリサイクル率は86.9%と報告されています。これは世界的に見ても最高水準のリサイクル率です。

ペットボトルのリサイクル量は414千トン。国内におけるペットボトルのリサイクル率が高い理由は、家庭から出るペットボトルを自治体が資源ごみとして回収し、事業者が責任を持ってリサイクルを行う仕組みが整っているからです。

また、廃ペットボトルから新しいペットボトルに生まれ変わる「水平リサイクル」は、169千トンに上り、前年度に比べて45.3%増えています。この「ボトルtoボトル」の水平リサイクルは、半永久的に資源を循環できるとして世界的にも注目されているリサイクル方法です。

日本では2030年にペットボトルの有効利用100%、ボトルtoボトルの比率50%を目指しています。

(参照:PETボトルリサイクル2023)

ペットボトルのリサイクルで解決が期待できること

3-サーキュラーエコノミー実現のカギとなるペットボトルのリサイクル
ペットボトルのリサイクルは、サーキュラーエコノミーを目指す上で重要とされている取り組みです。また、ペットボトルを正しくリサイクルすることで、さまざまな問題の解決が期待できるとされています。

ペットボトルのリサイクルによって、どんな問題を解決へと導けるのか見ていきましょう。

資源の枯渇問題

  

ペットボトルは石油由来の「ポリエチレンテレフタレート」というポリエステル系の化学物質を原料としています。石油は有限であり、使い続けていたらいつか枯渇する可能性がある資源です。

ペットボトルをリサイクルすれば、新たに資源を採掘・消費する必要がありません。原料を循環利用するため、資源を節約できるのです。

(参照:PET樹脂の特性)

プラスチックごみによる海洋汚染問題

ペットボトルが正しく廃棄されなかった場合、海に流れ海洋汚染や海の生態系に悪影響を及ぼす恐れがあります。海に流れるプラスチックごみの7~8割が、街から出たごみです。ペットボトルのリサイクルは、こうした海洋汚染問題の解決策としても期待できます。

(参照:【増え続ける海洋ごみ】今さら聞けない海洋ごみ問題。私たちにできること)

温室効果ガス(CO2)排出による温暖化

 

廃ペットボトルから新たなペットボトルへと再生した場合、製造過程で発生するCO2排出量が、通常の製造時よりも少ないといわれています。

2019年のデータによると、リサイクルをせずにペットボトルを製造した場合、約366万8,000トンのCO2が発生します。

一方で、リサイクルの場合は2,059千トンの排出量になり、約42%抑えられるのです。このようにペットボトルのリサイクルは大幅にCO2排出量を削減しており、温室効果ガスによる温暖化防止に貢献しています。

(参照:PETボトルのリサイクルによるCO2排出量の削減効果算定)

サーキュラーエコノミー実現のカギになるペットボトルのリサイクル方法

4-サーキュラーエコノミー実現のカギとなるペットボトルのリサイクル
最近ではペットボトルのリサイクル技術が向上し、さまざまなものへと再利用されています。ここでは、どんなものにリサイクルされているのか見ていきましょう。

廃ペットボトルから新しいペットボトルへ

廃棄されたペットボトルから新しいペットボトルへとリサイクルする方法です。新しいペットボトルを製造する過程でCO2排出量が抑えられるほか、何度もリサイクルできるメリットがあります。

資源を半永久的に循環できるため、サーキュラーエコノミーを実現するために最も重要視されているリサイクル方法です。

高品質なオーガニック繊維へ

 

消費者から回収したペットボトルを高品質なオーガニック繊維へと、リサイクルする方法です。他の原料を混ぜ合わせず、回収したペットボトルだけを使用するのが特徴。

薬剤不使用の水で洗浄後、圧縮技術によって工場までの輸送にかかるCO2排出量を最大38%削減しています。不純物のないペレットが完成し、高品質なオーガニック繊維へと再生されるのです。

上記以外にも、食品トレイや包装フィルム、断熱材に加え、眼鏡のフレームやシューズなどさまざまなものにリサイクルされています。

ペットボトルを資源として循環させるには、適切なリサイクルが重要! 

5-サーキュラーエコノミー実現のカギとなるペットボトルのリサイクル
ペットボトルを資源として循環させていくには、正しい方法でリサイクルに出す必要があります。なぜなら、汚れが付いているものやラベルを外していないペットボトルはリサイクルができないからです。

ペットボトルを資源ごみとして回収場所に出す際には、キャップとラベルを外し、中を水でゆすいで潰して出すようにしましょう。潰すことで輸送効率が上がり、運搬時に発生するCO2排出量を削減できます。

(参照:PETボトル再商品化の流れ)

ペットボトルはサーキュラーエコノミー実現のカギになる大事な資源

6-サーキュラーエコノミー実現のカギとなるペットボトルのリサイクル
ペットボトルのリサイクル率が高い日本ですが、半永久的に資源を循環させられる「ボトルtoボトル」の水平リサイクル率は29%で、まだ低い傾向があります。ボトルtoボトルは、サーキュラーエコノミーの実現に必須となるリサイクル方法です。

ペットボトルはそのまま捨てるにはもったいない、貴重な資源になります。廃ペットボトルは「ごみ」ではなく「資源」という意識を持ち、リサイクルを徹底していきましょう。
あわせて読みたい: サーキュラーエコノミーとは?意味やポイントをわかりやすく解説

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