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BLOG -Circular Economy and Environment

気候変動で水不足が深刻化?世界で巻き起こる水をめぐる争い

Friday, 14 April 2023

近年、世界では洪水や干ばつなどの被害が相次いでいますが、これらの異常気象は気候変動が影響していると考えられています。こうした異常気象から引き起こされるのが水問題です。

今回は気候変動で深刻化する水不足について、世界で起きる紛争の現状や水不足を防ぐために私たちができることを解説します!

気候変動がもたらす異常気象

最近の日本では猛暑や集中豪雨など異常気象が起こる頻度が増えていますが、世界においても記録的な洪水や干ばつに見舞われている地域が増えています。

例えば2022年8月にはパキスタンで国土の3分の1が水没する大規模な洪水が発生しました。この災害で子ども1,600万人を含む、3,300万人が影響を受けています。

一方2022年には、ヨーロッパの約6割の地域において「過去500年の中で最悪の状況」ともいわれる干ばつに見舞われました。この干ばつによって例年にない頻度で山火事が発生し、農作物の収穫にも影響が出ました。

また、ヨーロッパのほぼ全ての河川で水位が下がっており、一部が干上がることで水没していた過去の遺物が姿を現すなどの現象が見られています。

国連防災機関(UNDRR)が出した干ばつに関する報告書では、今後、気候変動や環境劣化、人口増加によって干ばつのリスクは急上昇すると警告しています。

また、2025年までに世界の3分の2が水不足になるほか、2030年までに干ばつによって7億人が難民化し、農業も大きなリスクに直面すると予測しているのです。

報告書を通して、干ばつに備えるための対策が急務であると世界に呼びかけています。

(参照:自然災害緊急募金)
(参照:欧州の約6割で干ばつの危険、過去500年で最悪の状態=EU調査)
(参照:FOCUS ON DROUGHT)

世界で巻き起こる水をめぐる争い

日本は水資源に恵まれているため、日本で暮らす人々にとっては水を求めて争いが起きることが想像できないかもしれません。しかし、水不足が深刻化している世界の国々では、水をめぐる紛争が多発しているのです。

下記の図からもわかるように、世界ではこれだけ多くの地域で水をめぐる紛争が起こっています。例えば中東のイラクでは、国土の6割が干ばつに見舞われ700万人の暮らしに被害が及んでいます。

水不足が深刻化している地域で銃撃戦が起きるなど、農業用水をめぐって部族同士が争う問題が生じているのです。これらの地域では、人口増加が水不足に拍車をかけていることも紛争が起きる理由のひとつになっています。

(参照:なぜ?世界で深刻化する水不足)

(※画像参照:国土交通省「水資源」より)

水不足は日本に住む私たちにも影響してくる?

日本は蛇口をひねれば水が出てくるため、水不足は身近な問題としてとらえにくいかもしれません。しかし、世界の水不足は私たちの生活にも影響してくるといわれています。

なぜなら日本は、小麦や大豆、とうもろこしなどの多くを海外からの輸入に頼っているからです。小麦や大豆、とうもろこしなどを育てている地域で干ばつが起これば、農作物は不作となり、輸入に影響してくると考えられます。

また、とうもろこしは家畜の飼料としても必要なため、日本での肉の生産量にも影響してくるでしょう。

このように世界の水不足は私たちの食生活や暮らしに関わる問題なのです。

水不足を防ぐために私たちができることは?

では、世界の水不足を防ぐために私たちに何ができるでしょうか。ここでは個人でもできる、水不足改善への取り組みを紹介します!

食べものを無駄にしない

食べ物を無駄にしないことと水不足は一見関係がないように思えますが、先ほどもお伝えしたように私たちが普段口にしている食べ物の多くは、輸入されたものです。

食べ物を生産する過程では多くの水を消費しています。つまり食べ物を無駄にするというのは、水を無駄にしているのと同じことです。

食べ物を無駄にしないよう、食料の買い過ぎや料理の作り過ぎに注意し、食品ロスを出さないように心掛けましょう。

衣服や物を大切にする

食べ物のみならず、衣服や雑貨などの物を作る過程でも水は消費されています。例えば白いTシャツを1枚作るためには約2,900リットルの水が必要です。その水量はバスタブ15杯分に相当するといわれています。

また、衣服を染めたりプリントを施したりとなるとさらに水が必要になるわけです。一着を長く着るようにし、消費を抑えるのも水不足を防ぐことにつながるでしょう。

(参照:1枚のTシャツから考える、世界の水問題 迫りつつある「水不足」を、水を使わない印刷技術から考える)

日常生活の中で節水を心掛ける

シャワーの時間を減らし、手を洗う時には水を出し過ぎないようにするなど、日常生活の中で節水を心掛けるのも大切です。食器を洗う時には古新聞紙などで汚れを拭き取ることで、油汚れが落ちやすくなり水の消費を抑えられます。

節水によって水不足対策になるうえ、水道代が節約できるというメリットもあります。

世界の水不足を食い止めるために、食べ物や衣服、水の無駄使いを無くそう!

気候変動が影響しているとされる異常気象によって、世界で干ばつに見舞われる地域が増加し、それに伴って水不足が深刻化しています。

水不足を防ぐためには、気候変動対策と同時に私たち一人ひとりが水の消費を抑える取り組みを行うのも非常に大切なことです。

「食べ物を無駄にしない」「衣服を大切に着続ける」「節水を心掛ける」といった日常生活でできる小さなことから始めてみるのも良いでしょう。

世界の水不足は私たちの生活に影響するということを心に留めて、ぜひ自分にできるアクションを起こしていきましょう!

あわせて読みたい: 気候変動がもたらす深刻な食料問題|予測される食料への影響

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