SDGs 目標2「飢餓をゼロに」を達成するための倫理的取り組み
  • Green Growers
  • BLOG
  • SDGs目標2「飢餓をゼロに」を達成するための倫理的取り組み

BLOG -SDGs and Sustainability

SDGs目標2「飢餓をゼロに」を達成するための倫理的取り組み

Monday, 05 May 2025

世界には毎日十分な食事をとれない人々が約7億人以上存在しています。SDGs(持続可能な開発目標)の目標2「飢餓をゼロに」では、2030年までにあらゆる形態の飢餓と栄養不足を終わらせることを目指しています。

しかし、目標を達成するためには、食料供給の改善だけでなく、持続可能な農業の促進や食品ロスの削減など、倫理的な取り組みが不可欠です。そこで今回は、SDGs目標2の達成に向けた倫理的な取り組みについてわかりやすく解説します。

SDGs目標2「飢餓をゼロに」とは? 

SDGs目標2「飢餓をゼロに」とは、2030年までにすべての人々が十分で安全かつ栄養価の高い食料にアクセスできるようにすることを目指す目標です。特に発展途上国や紛争地域での栄養不良や食料不足を解決することに焦点を当てています。

 

国連の報告によると、2024年時点で約7億8,300万人が飢餓に直面しており、中でもサハラ以南のアフリカや南アジアが深刻といわれています。

 

飢餓問題を根本から解決するためには、食料の「量」だけでなく「公平な分配」と「持続可能な生産」などの倫理的取り組みが重要です。

 

(参考:https://ja.wfp.org/global-hunger-crisis)

SDGs目標2の達成になぜ倫理的な取り組みが重要なのか?

SDGs目標2の達成に倫理的な取り組みが求められる理由には、以下のような状況があります。

 

あわせて読みたい: マット・デイモンのSDGs活動|安全な水と衛生設備を世界中へ

 

<食料生産と消費の不均等>

現在の食料生産量は世界全体で見ると必要量を十分に満たしています。しかし、経済格差や不平等な貿易システムにより、十分な食料を得られない人が存在しているのが現状です。

 

例えば、7億8,300万人が飢餓に苦しむ一方で、約10億食分の食料が毎日廃棄されているといいます。これは消費者が入手可能な食料全体の約19%にあたる量です。

 

食料分配の不均衡や経済格差などにより、多くの人々が飢餓や食料不安に直面しています。

 

(参考:https://ja.wfp.org/ending-hunger

https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/50090/)

 

<大量生産による環境負荷> 

大量生産を目的とした集約的な農業によって、環境に悪影響を及ぼしている状況があります。大量生産は食料供給の増加に寄与する一方で、土地の過剰利用や水資源の枯渇、農薬の使用による生態系への影響などが生じているのです。

 

このような農業生産は、将来の食料生産を脅かす要因となるため、化学肥料や農薬の使用を控えた環境負荷の低い農法への転換が求められています。

 

こうした背景から、飢餓問題の解決に向けた倫理的取り組みが重要視されているのです。

飢餓問題を解決するための倫理的な取り組み 

飢餓問題を解決するための倫理的取り組みには、以下のような施策があります。

 

・持続可能な農業の普及

・食品ロスの削減

・フェアトレードの推進

・教育と啓発活動

 

それぞれ具体的な内容を見ていきましょう。

 

<持続可能な農業の普及>

環境負荷を減らしながら食料生産を増やすためには、持続可能な農業の普及が不可欠です。

持続可能な農業とは、環境保全をしながら経済的利益や社会性の公平性を追求し、長期的に続けられる農業を指します。

 

土壌や水資源、生態系を保護するために、化学肥料や農薬を控えた有機農業の推進などが挙げられます。また、農業経営が持続可能であるために適切な収益を上げることも重要です。

 

さらに、農業に関わるすべての人々の生活の質を向上させ、地域社会の発展に寄与することも求められます。

 

持続可能な農業の推進は、長期的な視点で食料生産の向上が期待でき、飢餓の撲滅につながります。

 

(参考:https://www.maff.go.jp/chushi/sesaku/kihon/attach/pdf/tokusima_yukifair-2.pdf

https://www.ibm.com/jp-ja/think/topics/sustainable-agriculture)

 

<食品ロスの削減> 

世界では毎年生産される食料の約3分の1が廃棄されている一方で、食料不足に苦しむ人が多く存在するという「食の不均衡」が起きています。

 

こうした問題を解決するために取り組んでいるのが食品ロス削減です。廃棄食料を削減し、適切に分配することで食料不足に直面する地域や栄養不足の解消に寄与します。

 

また、食品ロスを軽減することで、市場における食料供給が安定し、価格の変動を抑えられます。手頃な価格で食料を入手できるようになり、飢餓の予防につながるのです。

 

具体的な取り組みとして、余った食料を収集し必要とする人々や団体に提供する、「フードバンク」の活用や食品廃棄物を飼料や肥料として再利用する、「資源の循環利用」などが挙げられます。

 

(参考:世界で捨てられる食べ物の量、年間25億トン。食品ロスを減らすためにできること)

 

<フェアトレードの推進>

フェアトレードは、発展途上国の生産者に公正な報酬を提供し、生活の安定と農業の持続可能性を確保する取り組みです。これにより、生活者は適切な収入を得て生活の質を向上できます。

 

また、労働者の権利を尊重し、安全で健康な労働環境を提供することで生産者の生活環境が改善され、コミュニティー全体の発展につながります。

 

さらにフェアトレードは持続可能な農業を推進しており、長期的な食料生産の安定化が図られるのもポイントです。結果として食料供給の安定化が進み、飢餓の解消に寄与します。

 

(参考:https://fairtrade-forum-japan.org/fairtrade/sdgs)

 

<教育と啓発活動> 

消費者に対する意識の向上や倫理的な選択の推奨は、飢餓問題を改善し持続可能な社会を作るために重要です。

 

例えば、エシカル消費(倫理的消費)や食品ロス削減に関する教育と啓発活動などが挙げられます。消費者庁ではエシカル消費の普及・推進するためのWEBサイトを運営し、地域の取り組みを紹介することで消費者の行動変容を促しています。

 

また、学生中心で行う食品ロス削減のプロジェクトなども、飢餓問題の解決に貢献する取り組みのひとつです。

 

(参考:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/public_awareness/ethical/about)

倫理的な取り組みが飢餓問題を救う!  

SDGs目標2「飢餓をゼロに」を達成するためには、倫理的な取り組みが不可欠です。フェアトレードの推進により、生産者に公正な報酬を提供し、彼らの生活の安定と農業の持続可能性を確保します。

 

持続可能な農業の普及は環境負荷を減らし、長期的な食料生産の安定をもたらします。さらに食品ロスの削減や教育・啓発活動を通じて消費者の意識と行動を変えることも重要です。

 

飢餓のない持続可能な社会の実現に向けて、フェアトレード製品を選ぶことや、食品ロスの削減など小さな行動から始めていきましょう。

Share

  • Facebook
  • Twitter
  • whatsapp
  • URLをコピー

BLOGのおすすめ記事

CLOSE

greengrowers

URLをコピーしました