「SDGs目標3:すべての人に健康と福祉を」の実現に向けた倫理的取り組み
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「SDGs目標3:すべての人に健康と福祉を」の実現に向けた倫理的取り組み

Tuesday, 06 May 2025

私たちが健康に暮らせる社会を実現するために、SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」は不可欠な目標です。

しかし、世界では今もなお医療アクセスの不平等や予防可能な病気による死亡など、多くの問題が存在しています。これらの課題を解決するには、医療分野だけでなく私たち一人ひとりが倫理的に行動することが重要です。

今回はSDGs目標3の概要と現状に加え、具体的な倫理的取り組みを解説します。

SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」とは

SDGs目標3は「すべての人に健康と福祉を」を掲げ、あらゆる年齢の人々が健康で暮らせる社会の実現を目指しています。

 

この目標は、すべての人が平等に健康を享受できることを目指し、医療へのアクセス向上や疫病の予防、健康的な生活の促進など幅広い分野に取り組むことを求めています。

 

SDGs目標3は13のターゲットで構成されており、以下はその中でも主要とされているターゲットです。

 

・予防可能な病気による死亡の削減…特に妊産婦死亡率や乳幼児死亡率の改善を目指す。

 

・伝染病の撲滅…エイズ、結核、マラリア、熱帯病などの伝染病の流行を阻止する。

 

・非感染症の対策…糖尿病や心臓病などの生活習慣病の予防と管理を強化。

 

・精神的健康と福祉の促進…自殺予防やメンタルヘルスケアを含む包括的な取り組みを行う。

 

・薬物乱用や有害物質の影響を減少させる…特にアルコールや薬物の乱用対策を推進する。

 

・すべての人に対する医療アクセスの提供…普遍的な健康保険制度の導入や医療サービスの質向上。

 

・健康リスクの低減…事故や環境汚染による健康被害を抑制する。

 

(参考:https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/3-health/)

世界と日本における健康と福祉の現状 

世界と日本では、健康と福祉に関するさまざまな問題を抱えています。ここでは世界と日本の現状と課題を見ていきましょう。

 

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<世界の現状と課題> 

経済的に恵まれない国や地域では、医療サービスへのアクセスが極めて不十分です。特にアフリカや南アジアなどでは基礎的な医療サービスを受けられない人々が多く存在します。

 

また、世界三大感染症と呼ばれる「エイズ、結核、マラリア」などの病気は、未だに多くの命を奪い続けています。

 

さらに、生活習慣の変化に伴い、糖尿病や心疾患などの非感染症の患者が増えている状況です。加えて若者のメンタルヘルス問題などが深刻化しており、自殺率の高さが問題視されています。

 

<日本の現状と課題> 

日本は超高齢化社会であり、医療・福祉サービスの需要が急増しています。高齢者に対する適切なケアや予防医療の普及が重要です。

 

また、都市部と地方部での医療アクセスの違いや経済的理由で医療を受けられない人々が存在するなど、医療格差も問題になっています。

 

さらに、精神的健康の問題が深刻化しています。自殺率は年々改善されつつあるものの、他国と比較して高い水準です。特に若者や働く世代のメンタルヘルス対策が求められています。

 

(参考:https://iris.who.int/bitstream/handle/10665/343477/9789240032705-jpn.pdf

https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R06/R5jisatsunojoukyou.pdf)

 

SDGs目標3を実現するための倫理的取り組みの具体例 

SDGs目標3を実現するためには、さまざまな倫理的取り組みが必要です。ここでは特に重要な4つの取り組みについて解説します。

 

<医療アクセスの平等化> 

経済的・地理的な理由で医療サービスを受けられない人々に対する支援を行う取り組みです。NGOや非営利団体が運営する無料診療所や、経済的に厳しい人々向けの医療保険支援などがあります。

 

例えばアフリカ共和国の無医村では、エイズやマラリアなどの感染症対策として、村人が助産師や看護師となり、地域に診療や産院を建設・運営する取り組みが行われています。国際的な医療支援として、途上国へ医療技術や薬品を提供するプロジェクトが進行中です。

 

また、日本では経済的な理由で必要な医療を受けられない人々に対し、無料または低価格で診療を行う事業を実施しています。

 

さらに、都市部から遠く離れた地域でもオンライン医師と相談できる仕組みを整備し、医療格差を解消する遠隔医療の推進も行っています。

 

(参考:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/ngo_m/africa/mali/pdfs/111004_02.pdf

https://ganjoho.jp/public/institution/backup/public_insurance.html)

 

<予防医療の推進>  

予防可能な病気を未然に防ぐ取り組みが行われています。例えば、予防接種の普及です。ワクチンの提供を増やし感染症の流行を抑制することや、経済的に困難な地域へのワクチン無料摂取プログラムが実施されています。

 

また、健康診断の普及も、病気の予防に必要な取り組みです。定期的な健康チェックを行うことで、早期発見・早期治療を可能にします。

 

特に糖尿病や高血圧など、自覚症状が現われにくい生活習慣病対策は有効です。

 

<環境改善による健康促進>

健康に直接的な影響を及ぼす環境要因を改善する取り組みです。例えば工場や交通機関からの有害物質を削減し、呼吸系疾患の予防を図る大気汚染防止の取り組みなどが挙げられます。

 

また、水質汚染の改善も健康促進に重要な要素のひとつです。特に途上国における農村地域での水インフラ整備が重要で、安全な飲料水を確保し、水媒介感染症の予防に取り組んでいます。

 

加えてトイレや排水システムの整備を通じて感染症の拡大を防止する、衛生環境の向上も重要です。

 

(参考:https://www.env.go.jp/air/osen/law/

https://www.jica.go.jp/activities/schemes/priv_partner/subject/regions/asia/indonesia_feature02.html

https://openjicareport.jica.go.jp/pdf/12238713.pdf)

 

<健康教育と啓発活動> 

人々の意識を変え、健康的な行動を促進する取り組みも行われています。メンタルヘルスの啓発として、ストレス管理や心理的支援の重要性を伝えるキャンペーン、自殺予防のための取り組みなどが挙げられます。

 

また、栄養バランスの取れた食事を推奨するといった食生活改善の推進や、職場・学校での健康セミナーを通じて健康意識を高めるなども倫理的取り組みのひとつです。

 

(参考:https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/tokyokaigi/torikumi/campain/campaign_0703

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/hyousyo/index.html)

SDGs目標3の達成には社会全体で倫理的取り組みの推進が必須 

SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」を達成するためには、医療アクセスの平等化や予防医療の推進、環境改善による健康促進や健康に関する啓発活動などの倫理的取り組みが重要です。

 

これらの取り組みは医療格差の解消や健康的な生活習慣の普及、メンタルヘルスの向上に貢献します。

 

今後、倫理的取り組みをさらに強化し、SDGs目標3の達成に向けて社会全体で協力していくことが求められていくでしょう。

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