土を使わず水や液体肥料を使って、手軽に植物や野菜が育てられる水耕栽培。種は基本的にスポンジにまき、苗が完成するまでスポンジで育てます。
今回は、水耕栽培で使うスポンジの選び方や、スポンジで発芽する理由、スポンジのカビ対策もあわせて解説します!
水耕栽培では苗が育つまでスポンジに種をまきますが、なぜスポンジから芽が出るのでしょう。それはスポンジが発芽条件に適した環境だからです。
そもそも土に種をまく場合、土の養分によって芽が出ると思われがちですが、それは違います。植物は「水・温度・空気」の3つの条件がそろうことで、発芽するのです。
なぜなら種そのものに芽が出るまでの養分が詰まっているため、発芽するために外部からの養分は必要ありません。つまり水耕栽培の場合、スポンジに養分が含まれていなくても、水・温度・空気の3つの条件がそろっていれば発芽は可能というわけです。
しかもスポンジには気泡があるため、適度に水や空気を含みやすく、温度を保ちやすい特徴があります。スポンジは発芽するのに適した環境なのです。
水耕栽培で種から育てる場合、ほとんどがスポンジに種をまきます。では、どんなスポンジを選べば良いのでしょうか。ここでは水耕栽培で使うスポンジの選び方を見ていきましょう。
水耕栽培で起こるトラブルのひとつにカビの問題があります。スポンジにカビが生えてしまう主な原因として「水のやり過ぎ」「湿度・温度が高過ぎる」「不衛生な環境」の3つが考えられます。
まず、スポンジは常に水を含んでおり、適度な湿度が保たれた状態であるため、カビが繁殖するのに適した環境です。特に液体肥料を入れている場合は、余計にカビが生えやすいといえるでしょう。
スポンジ全体が浸るほど水を入れるのではなく、水を受け皿に注いでスポンジの半分の高さに水位が来るよう調整しましょう。
また、部屋の温度や湿度が高過ぎてもカビが発生しやすくなります。例えば冬は暖房の効果で温度が上がりやすくなるため、注意が必要です。適度な換気をして、温度や湿度が上がり過ぎないように気をつけましょう。
さらに、不衛生な環境はカビを増やす原因になります。受け皿を清潔に保つよう心掛け、週に一度は洗浄するのがおすすめです。
ほとんどの植物や野菜はスポンジに種をまき、発芽してから約2週間で苗が完成します。
その後は、水耕栽培用の容器に植え替えるのがベストです。なぜならスポンジのままでは根が張りにくく、成長の妨げになってしまう可能性があるからです。
スポンジは茎を支えるための土台として使用し、ペットボトルを利用した容器などに移し替えると良いでしょう。
ペットボトル容器の詳しい作り方はこちらの記事をご覧ください。
(参照:「初めての水耕栽培はペットボトルがおすすめ!栽培方法を解説」)
また、土台のスポンジは定期的に取り替えることをおすすめします。理由はずっと同じスポンジを使用しているとカビや藻が発生しやすいからです。
カビや藻は植物に悪影響を及ぼすため、ペットボトルに移し替えた後もスポンジは定期的に換えるようにしましょう。
水耕栽培に向いているスポンジは、ウレタン製でやわらかく、ハサミやカッターで切り込みを入れやすいものです。
水耕栽培用のスポンジもおすすめですが、コストを抑えたい人は100円ショップで手に入るキッチンスポンジが良いでしょう。
スポンジのカビ対策をしっかり行い、ぜひ自宅で手軽に水耕栽培を楽しんでみてはいかがでしょうか。
あわせて読みたい: 水耕栽培は冬もできる?温度や日照不足の解決策とおすすめ野菜