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プラントベースフードが切り開く新たな経済の可能性|成長要因も解説
Wednesday, 26 March 2025

健康や環境への配慮だけでなく、新たなビジネスチャンスや市場拡大の可能性があることから、多くの企業や投資家を引きつけているのです。
今回はプラントベースフード市場の現状や経済に与える影響、成長要因や課題、展望までわかりやすく解説します。
プラントベースフード市場の現状と経済的影響
プラントベースフードとは、植物由来の原料を使用した食品を指します。マーケティング会社の調査によると、世界のプラントベースフード市場は2023年に3兆2175億円を達成し、前年比で約2.5%増となりました。2013年からの10年間で市場は約2.5倍拡大していることになります。
特に欧米では肥満の深刻化に加え、環境問題などの社会課題が消費者に浸透していることから、プラントベースフードに対する需要が伸びている状況です。
その中でもプラントベースミルクが全体の約50%を占めており、次にプラントベースミート、プラントベースヨーグルトと続いています。
日本でもプラントベースミルクの人気は上昇しており、豆乳に加え、オーツミルクやアーモンドミルク、えんどう豆、ひよこ豆など、さまざまな植物性原料で作られたミルクが登場しています。
また、国内では大手食品メーカーが次々とプラントベースフード市場に参入しており、植物性原料を使用したパスタソースや大豆ミートを使用したチキン煮込みなど、新たな商品が続々と生まれている状況です。
(参考:https://diamond-rm.net/sales-promotion/product-strategy/495909/)

プラントベースフードが経済に与えるポジティブな影響
プラントベースフードは新たなビジネスチャンスの創出や持続可能な農業へのシフトなど、
経済にポジティブな影響をもたらしてくれる可能性があります。具体的にどんな影響が期待できるのか見ていきましょう。
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<新規ビジネスチャンスの創出>
プラントベースフードは新規ビジネスチャンスを生み出す大きな可能性を秘めています。
先述した通り、環境意識や健康志向の高まりによって市場規模は急速に拡大しているからです。
今後も年平均成長率9%前後で成長すると予測されており、新規参入企業にとって大きなチャンスが広がっています。
最近では日本でプラントベースエッグ(植物性卵)を開発するスタートアップが、海外投資家から50万米ドルの資金調達を実施した事例があります。
(参考:https://newscast.jp/news/1645640?utm_source=chatgpt.com
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000098932.html)
<植物性原料生産によるコスト削減とサプライチェーンの最適化>
プラントベースフードは、畜産業から植物性原料生産へのシフトによるコスト効率の向上や、サプライチェーンにおける経済効果が期待できます。
プラントベースフードの主原料である植物性原料の生産は、家畜を飼育するための水や飼料、土地、エネルギーを削減できるためこれらのコストを抑えられます。
またプラントベースフードの定期配送サービスを提供する企業では、サプライチェーンを最適化し、コスト削減に向けた取り組みも実施しています。
(参考:https://lotsful.jp/jobs/739)
<消費者行動の変化>
消費者行動の変化によってプラントベースフードの需要が高まり、市場の経済成長に良い影響をもたらしています。
コロナ禍以降、消費者の健康意識の高まりや環境への配慮から、ヴィーガンやベジタリアンに限らず、より幅広い層がプラントベースフードを取り入れるようになりました。
米国では環境問題への関心が特に高いミレニアル世代や、Z世代がプラントベースフードの消費に貢献しているといいます。消費者の健康志向や環境意識に基づく購買活動の増加が、経済成長を促進しています。

プラントベースフード市場の経済成長を支える要因
プラントベースフード市場が成長している背景には、消費者行動の変化以外にいくつかの要因があります。ここからはプラントベースフード市場の経済成長を支える要因を見ていきましょう。
<食品加工技術や原材料開発などの技術革新>
プラントベースフード市場の成長要因のひとつが、食品加工技術や原材料開発などの技術革新です。近年では技術革新によって風味や食感、栄養価が大きく改善されています。
特にプラントベースミートは3Dプリンタ技術の開発により、従来のステーキに近い見た目と食感を実現しました。こうした技術革新はプラントベースフードに抵抗を感じていた消費者を取り込み、市場の成長に大きく貢献しています。
(参考:https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/wbs/newsl/post_294747
<政府や企業による補助金や政策支援>
プラントベースフードは各国政府や企業による補助金や政策支援によっても成長が支えられています。
例えば米国では、プラントベースフード中心の食生活を支援するために、国や州、自治体レベルで政策の改革が行われてきました。「国民向け食事ガイドライン」などでプラントベースな食事の推進をしています。
さらにデンマーク政府は、国民の食生活をプラントベースに移行する国家行動計画を打ち出し、プラントベースフードの需要を高め、供給を増やす方針を掲げています。
(参考:
https://eleminist.com/article/3557)
<持続可能性を重視した投資>
サステナブル(持続可能性)を重視したESG投資が注目されている背景もあり、プラントベースフード市場に可能性を感じて投資する企業や投資家が増えつつあります。
ESG投資家は環境負荷の軽減に貢献するビジネスを支持し、消費者ニーズの変化にも敏感です。持続可能性を重視する投資は、プラントベースフード市場の拡大を後押ししています。

プラントベースフードは経済にポジティブな影響をもたらす!
プラントベースフードは高価格帯や供給体制などの課題解決が必要ですが、今後も技術革新や政策支援、持続可能性を重視した投資や消費者教育が進むと期待されます。
それに伴い市場は引き続き成長し、食品業界だけでなく経済全体にポジティブな影響をもたらすでしょう。
持続可能な未来と経済成長につながるプラントベースフードの新たな可能性に、目を向けてみてはいかがでしょうか。
