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デンマークによるSDGsの取り組み|持続可能な成長に向けた具体策

Tuesday, 24 December 2024

持続可能な社会を目指し、世界共通の目標として国連が制定したSDGs。2023年のSDGs達成ランキングで3位に入るデンマークは、再生可能エネルギーやエコビレッジの推進、テクノロジー技術を活用したフードロス削減など先進的な取り組みを行っています。

今回は「SDGs達成のための、各国や地域の取り組み」をテーマに、デンマークのSDGsの取り組みをご紹介します。

デンマークってどんな国?

デンマークは、北欧の最南に位置する小さな国です。面積は約43,000㎢で、およそ590万人の人々が暮らしています。デンマークは農業生産力が高く、国土の約6割が農業用地です。また、年間を通して比較的温暖な気候が特徴で、夏は涼しく、冬は雨が多い傾向があります。

 

さらに、「マッチ売りの少女」や「みにくいアヒルの子」などを生み出した童話作家「クリスチャン・アンデルセン」の出身地としても有名で、観光地としても人気です。

 

デンマークの人々は幸福度が高く、世界のランキングでも常に上位にランクインしています。社会保障が充実しており、貧困格差が少ないことや、政府に対する信頼度が高いことなども幸福度の高い理由です。

 

(参考:https://japan.um.dk/ja/info-about-denmark/denmark

世界一幸せな国」デンマークの若者と高齢者)

 

デンマークによるSDGsの具体的な取り組み

デンマークはSDGsの取り組みにおいても世界3位にランクインしています (2023年時点)。その背景には、気候変動対策としてフードロス対策や再生可能エネルギーの推進、環境に優しい都市づくりや海を守る活動などの熱心な取り組みがあります。

 

ここでは、デンマークにおけるSDGsの代表的な取り組みを見ていきましょう。

 

<フードロス対策> 

デンマークではフードロス対策を強化しており、さまざまな取り組みが行われています。例えば、ボランティア団体が立ち上げたフードシェアリングの取り組みです。

 

首都コペンハーゲンの飲食店を中心に、余った食材を無料で提供してもらい、消費者やコミュニティーに届けることでフードロス削減に貢献しています。

 

また、提供された食材を活用してイベントやワークショップを行うなど、食を通じたコミュニティーの場としての役割も担っています。

 

もうひとつの例は、最新のテクノロジー技術を利用したフードロス対策です。カメラと高度なソフトウェアを組み合わせることで、食品パッケージやラベルの品質チェックを行い、早期にエラーを検出できるという技術です。

 

これによって食生産の過程で発生するパッケージや、食品の廃棄物を半分に削減しているといいます。この技術を導入してから、少なくとも10万トンのフードロス削減に成功したとされています。

 

(参考:SDGs先進国デンマークの食品ロス・ジェンダー・教育分野の取り組みと今後の課題

デンマークのテクノロジーはSDGsでフードロスの削減に貢献します)

 

<再生可能エネルギーの推進> 

デンマークでは、2030年までに二酸化炭素排出量を1990年比より70%削減し、2050年にはカーボンニュートラル(脱炭素)を達成することを目指しています。その実現に向けた重要な取り組みが、世界初の「エネルギー島」を建設する巨大プロジェクトです。

 

エネルギー島とは風力発電の拠点となる島のことで、北海に近いユトランド島とバルト海にあるボルンホルム島で建設が進められています。

 

どちらも年間を通して強い風が吹く場所であり、ユトランド島だけでも、約300万世帯分の再生可能エネルギーを生み出せる見込みです。

 

市民に安定した電力を供給できるだけでなく、将来的には脱炭素が難しいとされている航空や船舶、重工業の分野への供給も目指すとしています。

 

また、国内に留まらず欧州の近隣諸国にも、島で作られた風力発電のエネルギーを供給する予定といわれており、エネルギー島への期待が高まっています。

 

<環境に優しい都市計画> 

デンマークのコペンハーゲン南部では、17つあるSDGsの目標をすべて体現することを目指した持続可能なエコビレッジ、「UN17 Village」の建築プロジェクトが進められています。

 

UN17 Villageでは約35,000㎡もの敷地に400戸の新規住宅を建設し、約800人が持続可能な暮らしを実現できるとしています。

 

こちらのエコビレッジでは、建設廃棄物をリサイクルしたものを建材に使用し、建物の屋根には太陽光パネルを設置してすべての電力を賄うなど、環境に配慮した村づくりが特徴です。

 

また、雨水の再利用に加え、廃棄物を資源として循環利用することでごみを出さないなど、SDGs達成に向けたさまざまな工夫が凝らされています。

 

さらに建物の屋上には、多様な生き物が生息できる庭園を設けるなど、人間と生き物が共存する多様性に富んだ村を目指しています。

 

(参考: SDGsの「17目標すべて」に取り組む。デンマークのエコ・ビレッジ建設プロジェクト)

 

<海を守るためにプラスチックの再利用を促進>

複数の島で構成されるデンマークでは、海洋プラスチックごみの問題も深刻に捉え、数々の取り組みが行われています。

 

そのひとつが、海洋プラスチックごみを再利用して別の製品に生まれ変わらせるプロジェクトです。

 

海洋プラスチックごみの大半を占める漁業用の網を、メガネやインテリア用品にアップサイクルすることで、海や海洋生物の保全に貢献しています。

デンマークはSDGs先進国!取り組みや行動力から学ぼう 

デンマークは国民の環境意識が高いことや、先進的な取り組みによって世界の中でもSDGs達成率の高い国になっています。

 

世界初のエネルギー島や持続可能なエコビレッジのプロジェクトは、他国の手本になります。私たちもデンマークによるSDGsの革新的な取り組みや行動力から学んでいきましょう。

 

あわせて読みたい: SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」世界の現状と対策

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