昆虫食が注目される理由とは?安全性や種類について解説

近年、世界から注目されている昆虫食。日本でもイナゴを食べている地域があったり、江戸時代にはゲンゴロウやタガメなども食べられていたりと、昆虫食は身近なものだったといえます。
今回は、昆虫食が注目される理由に加え、安全性や種類、栄養についても解説します!

目次

昆虫食が注目されたきっかけ

国連食糧農業機関(FAO)が出した1枚のレポートがきっかけで、世界的に昆虫食が注目され始めました。そのレポートには、「昆虫食が食料、飼料になり得る」ということが書かれていました。

現在世界では、経済的な理由などで健康的な食事を摂れない人が約30億人います。しかし、世界の人口はますます増加を続けており、このままでは将来、食糧危機が発生してしまうといわれています。

そこで、新たな食として注目されているのが昆虫食なのです。

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昆虫食が注目される理由

では、なぜ新たな食の選択肢として、昆虫が選ばれたのでしょうか。ここからは昆虫食が注目される理由について見ていきましょう!

<環境負荷が小さい>

昆虫食が注目される理由のひとつに、環境負荷が小さいというメリットがあげられます。昆虫を生産する過程の温室効果ガスの排出量は、家畜に比べてはるかに少なくて済みます

<飼料の生産コスト>

例えば牛肉1kgを生産するのに必要な飼料は、とうもろこし換算で11kgといわれています。
一方、コオロギの肉(可食部)1kgを生産する場合、飼料は約2kgで済むといわれています。さらに、昆虫は食品廃棄物や動物廃棄物などもエサにできるため、資源の循環にもつながります。

<たんぱく質豊富で栄養価が高い>

昆虫食が注目される2つ目の理由は、たんぱく質豊富で栄養価が高いことです。
例えばコオロギの栄養素を鶏、豚、牛のもも肉と比較したところ、同等のたんぱく質量が含まれていることが明らかになりました。

また、昆虫には脂肪酸がバランス良く含まれており、健康に良いとされる不飽和脂肪酸を摂取できます。最近では昆虫から抽出したオイルも発売され、注目を集めています。

<小さいので生産や加工がしやすい>

昆虫が注目される3つ目の理由に、生産や加工がしやすいという点があげられます。昆虫は小さいため、家畜に比べて狭い面積で生産することができます。

可食部1kgに必要な農地面積で見てみると、牛肉は200平方メートル、豚は50平方メートル、鶏肉は45平方メートルです。それに対し、コオロギは15平方メートルで生産できます。

さらに加工について、家畜の場合はまずは解体などの前準備が必要になりますが、昆虫は素揚げやペースト、粉末にするなどの加工が簡単に行えます。

昆虫の生産・加工は多くの土地や設備がなくてもできるため、収入の向上や起業、経済発展につながることが期待できます。

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昆虫食の安全性

昆虫食の良い点を見てきましたが、安全性についてはどうでしょうか?
病気や寄生虫などのリスクに対して、国際連合食糧農業機関(FAO)は、「昆虫が他の食材と同様に衛生的な環境で扱われている限り、病気や寄生虫が人に伝染した事例は知られていない」と否定しています。ですから、その点はあまり心配しなくて良いといえるでしょう。

ただし、甲殻類アレルギーの人は注意が必要です。昆虫は、エビやカニといった甲殻類と同じ無脊椎動物に分類されます。昆虫を食べるとアレルギー症状が出る可能性が高いため、控えた方が良いでしょう。

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昆虫食の種類と特徴

FAOの報告によると、世界で食べられている昆虫は2000種類以上とされています。その中でもおいしく食べられるといわれている昆虫を紹介します!

<セミ>

セミは、東南アジアや中国などで人気の食材です。高タンパク、低脂質で健康に良いことで知られています。

焼く、揚げる、蒸すなどさまざまな調理法がありますが、成虫を素揚げするとエビのような香ばしい味わいが楽しめます。ちなみに幼虫はコクと甘味があり、ナッツのような風味です。

<タガメ>

タガメは、東南アジアではポピュラーな食材の1つです。高タンパク、高脂質、高カロリーなため、肉や魚の代わりとして、エネルギー補給に最適です。

素揚げ、蒸す、茹でるなどの調理法がありますが、一般的にはドライスナックとして出回ることが多いです。

また、雄のタガメは洋ナシのような香りを放つ特徴があります。日本ではその香りを生かしたタガメの炭酸飲料などが販売されています。

これらの他にも、コオロギ、カマキリ、ムカデ、トンボ、サソリ、イナゴ、蜂の子などもおいしい昆虫として、世界で食されています。

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昆虫食が当たり前に食卓に並ぶ未来がやってくる?!

昆虫は、食の選択肢を広げてくれる、貴重な食材であることがわかりました。また、環境負荷が小さいことや、たんぱく質が豊富で栄養価が高いこと、生産・加工がしやすいという点が、昆虫食が注目される理由になっています。近い将来、昆虫食が当たり前のように食卓に並ぶ日が来るかもしれません。

しかし、中には見た目に抵抗がある人もいるでしょう。その場合には、スナック菓子やペースト状、粉末状や飲料水などから試すのがおすすめ。

昆虫の原型が残っていないため、口にしやすいはずです。地球にやさしい昆虫食、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

参考

水野壮(監修)『昆虫を食べる』(洋泉社 2016)
http://search01.jmar.co.jp/static/mdbds/user/pdf/release_20201221.pdf
https://jeas.org/wp-content/uploads/photos/828.pdf
https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu03830870295

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