BLOG -Plant-Based products
プラントベースフードによるSDGs達成への可能性
Thursday, 13 March 2025

昨今、注目されている植物由来を主原料としたプラントベースフードは、個人の健康促進だけでなく地球規模の課題である「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けた、重要な鍵になる可能性を秘めています。
今回は「プラントベースフードの可能性」をテーマに、プラントベースフードの選択がSDGsの達成に向けてどのように貢献しているか、また個人ができるSDGsのアクションも併せて解説します。
SDGsの観点からも注目されるプラントベースフード
SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、2015年の国連サミットで採択された世界共通の目標です。
気候変動や貧困問題など地球が抱える多くの課題を2030年までに解決し、持続可能な社会を実現することを目的に策定されました。SDGsは17の目標と、それらを達成するための169のターゲットで構成されています。
SDGsが目指す「持続可能な社会」とは、地球環境を守りながら経済が発展し、人が豊かに暮らしていける社会のことです。
SDGsの取り組みが広がるに連れ、持続可能(サステナブル)という概念が世間に浸透し、食生活においても環境に優しい選択をする人が増えました。
こうして健康面だけでなくSDGsの観点からも、環境負荷の低い植物由来のプラントベースフードが注目されるようになったのです。
(参考:https://mmp.miyoshi-yushi.co.jp/next-food-lab-post/what_is_plant_base_food/)

プラントベースで達成の可能性があるSDGsの目標
先述した通りSDGsには17の大きな目標があります。プラントベースフードの普及によってSDGs達成に貢献できる目標はどのようなものがあるでしょうか。
ここからはプラントベースで達成できる可能性が高いとされる、SDGsの目標をチェックしていきましょう。
あわせて読みたい: 重要性が増すプラントベースフード|解決された課題を見てみよう
<貧困の解消と飢餓をゼロに(目標1、2)>
植物由来の主原料を使用したプラントベースフードの生産は、動物由来の食品と比較して生産効率が良く、少ない資源で多くの量を生産できます。
これによって飢餓や栄養不足の解消につながり、SDGs1「貧困をなくそう」やSDGs2「飢餓をゼロに」の達成に貢献できると考えられています。
また、生産効率の良い豆類や穀物類、野菜などは地域で育成可能な作物であるため、食料供給が安定化し、飢餓のリスクを減少させる点もメリットです。
<健康と福祉をすべての人に(目標3)>
植物由来のプラントベースフードは、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれていながら低カロリー・低脂質であるため、健康的な食品として知られています。
プラントベースフードはさまざまな研究から、肥満や心疾患、糖尿病などの生活習慣病を予防する効果が示されているのです。
飽和脂肪酸やコレステロールの摂取量が多くなりがちな動物由来の食品を減らし、プラントベースフードに切り替えることで、SDGs3「健康と福祉をすべての人に」の達成に役立つといえます。
(参考:https://tsunagood.net/plant-based-on-the-topic/)
<水や衛生の確保(目標6)>
プラントベースフードの原料である植物由来の食材は、水の大量消費を抑え、限られた水資源を効率的に活用できます。
例えば大豆の生産に必要な水量は、肉の生産で使用される水量の約8分の1です。また、植物由来の食材は家畜排泄物による地下水や河川への汚染問題も発生しません。
このような理由から、プラントベースフードの生産はSDGs6「安全な水とトイレを世界中に」の達成に寄与すると考えられています。
(参考:https://www.maff.go.jp/kanto/seisan/nousan/daizu/seminar/attach/pdf/221208-5.pdf
https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kankyo/taisaku/t_info/02_haisui/index.html)
<働きがいも経済成長も(目標8)>
プラントベースフードの需要拡大は、農業や食品加工業、研究開発分野における新たな雇用機会を生み出します。また、持続可能な農業による作物生産は、農家の経済的安定と生活向上に貢献するなど、フェアトレードの推進にもつながります。
フェアトレードとは、発展途上国で生産される農作物などを公正に取引し、生産者の生活を支えることです。これらはSDGs8「働きがいも経済成長も」を実現するための一助となります。
(参考:https://news.nissyoku.co.jp/news/kwsk20210323115749787
https://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/sus.php)
<気候変動に具体的な対策を(目標13)>
プラントベースフードの生産は、牛肉など動物性食品の生産に比べて温室効果ガスを大幅に削減できます。
例えば、牛肉の生産は牛のげっぷや排泄物からCO2の25倍以上の温室効果を持つメタンを大量に発生させますが、大豆の生産で排出される温室効果ガスは、牛肉の生産の約10分の1といわれています。
温室効果ガスの排出量が少ないプラントベースフードは、SDGs13「気候変動に具体的な対
策を」に貢献する食品です。
<海の豊かさ、陸の豊かさを守ろう(目標14、15)>
プラントベースフードを中心とする食生活は、魚介類の消費を抑制するため、海洋環境の保全や水産資源の乱獲を防ぐことにつながり、SDGs14「海の豊かさを守ろう」に寄与します。
また、肉の生産過程で問題視される家畜の過剰放牧や、広大な土地利用による森林伐採を防ぎ、生物多様性の保護や土地利用の改善につながります。これはSDGs15「陸の豊かさを守ろう」の目標達成を促進させるといえるでしょう。

プラントベースフードの普及はSDGsの達成に直結する!
プラントベースフードの普及は、貧困の解消や飢餓、健康改善や水資源の確保、経済成長や温室効果ガスの削減など、SDGsのさまざまな目標達成に貢献します。
消費者一人ひとりが動物性食品の摂取量を減らし、プラントベースフードを食の選択肢に入れることで、持続可能な食料システムが促進されSDGsの達成に近づけるといえます。
健康改善から環境保護、社会や経済成長と多面的にSDGsにアプローチできるプラントベースフードを、今日から取り入れてみてはいかがでしょうか。