アメリカのプラントベースフード市場の可能性とは?現状と課題を解説
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アメリカのプラントベースフード市場の可能性とは?現状と課題を解説

Thursday, 17 April 2025

アメリカは、世界の中で先駆けてプラントベースフードを導入した国として知られています。プラントベースフードを一早く取り入れた背景にあるのが、多国籍文化であることや環境意識、健康志向の高まりなどです。

今回はアメリカのプラントベースフード市場が成長した理由や、市場の現状と取り組み、課題と展望を解説します。

アメリカがプラントベースフードを一早く導入し、市場が拡大した理由 

アメリカが他国よりも早くプラントベースフードを導入し、市場が拡大した理由として、複数の要因が挙げられます。ひとつ目に、アメリカは移民国家であることから多国籍文化が混ざり合い、食の選択肢が多様である点です。

 

ベジタリアンやビーガン向けの食品の需要が高く、受け入れられやすいことから、プラントベースフードの導入もスムーズに進んだと考えられています。

 

また、アメリカはシリコンバレーを中心にフードテック分野への投資が活発である点も挙げられます。著名な投資家が代替たんぱく市場に注目し、プラントベースフードを開発するスタートアップ企業が多額の資金調達に成功して技術開発が加速しました。

 

さらに、気候変動への意識が高まりアメリカ政府や企業が環境負荷を軽減する取り組みを強化し、代替肉がサステナブルな食の選択肢として注目されています。

 

カリフォルニア州をはじめとする一部の州では、持続可能な食品に関する政策や補助金が導入されるなど、プラントベースフード市場の成長を後押ししています。これらに加えて、アメリカでは健康志向の高まりとともに、週に数回だけ肉を減らすフレキシタリアンが増えている傾向です。

 

大手食品メーカーや外食チェーンは一早くプラントベースメニューを導入したことで、一般消費者への認知度が一気に高まりました。

 

(参考:https://colab.ws/articles/10.3389%2Ffrsus.2022.841106

https://veganoji.jp/california-plant-based-school-meals-investment/

https://www.borderless-investment.com/stockinvestment/2964/#i-3)

アメリカにおけるプラントベースフード市場の現状と取り組み  

アメリカにおけるプラントベースフード市場の現状と取り組みを見ていきましょう。

 

あわせて読みたい: オーストラリアで人気のプラントベースフード!普及の背景と今後の展望

 

<市場規模と成長率> 

自然食系コンサルの「SPINS」が2022年に行った調査データによると、アメリカのプラントベースフードの小売売上高は2020年の成長をさらに上回り、2021年に6.2%増加しています。

 

プラントベースフードの市場価値の合計が74億ドルに達し、史上最高を記録しました。また、プラントベースフードの小売売上高が食品の小売売上高全体の3倍の速さで成長していることを意味します。

 

プラントベースフードの中でも特に売上げを伸ばしているのが植物性ミルク(プラントベースミルク)です。過去一年間で売上高は20%増加し、25億ドルに達しました。

 

加えて、代替肉のプラントベースミートも好調で2020年に10億ドルを超え、年末までに14億ドルに到達し、小売での販売も加速しています。

 

今後2025年から2032年の予測期間中に年平均成長率12.53%を記録し、2024年の128億4,000万ドルから2032年には、331億1,000万米ドルに成長すると予測されています。

 

(参考:https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfoodo/archive/fm_report/202303_1_la.pdf

https://www.gii.co.jp/report/mx1655636-united-states-plant-based-food-market-assessment.html)

 

<LAやNYのスーパーではプラントベースフードの種類が充実>

アメリカのLAやNYのスーパーマーケットでは、プラントベースフードのコーナーが設けられ、植物性の原料で作られた代替肉や代替乳製品が種類豊富に並んでいます。また、エビ、ホタテ、カニなどの代替魚介類も登場し、盛り上がりを見せています。

 

さらにプラントベースのソーセージ、ハム、チーズなどの加工食品や、植物性アイスクリームも充実しており、選択肢が多いところが魅力です。

 

(参考:https://www.sustainablebrands.jp/article/story/detail/1222551_1534.html

https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfoodo/archive/fm_report/202303_1_la.pdf)

 

<アメリカ最大規模の展示会で1,000食以上のプラントベースフードを試食提供>

カリフォルニア州アナハイムで年に3回行われている、アメリカ最大規模のナチュラル製品分野の展示会では、プラントベースフードを取り扱うブランドに関心が寄せられました。

 

代替肉や代替サーモン、代替卵など、多様なプラントベースフードが展示され、期間中に1,000食以上試食を提供したブランドもあるなど、大きな注目を集めています。

 

プラントベースフードの人気は展示会にとどまらず、環境問題や持続可能性への意識が高い若年層を中心に、需要が拡大していくと予測されています。

 

(参考:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2024/1716c5288227f9b4.html)

 

<公立学校の給食で週2回プラントベースメニューを導入> 

NYでは、食品に関連する温室効果ガスを2030年までに25%削減することを目標に、プラントベースの食事を導入する政策を推進しています。

 

「Plant-Powered Carbon Challenge」と題し、学校や病院などの公共施設のほか、フードサービスやケータリング業者、企業などの組織も対象としています。

 

これを受け、公立学校の給食では毎週月曜日を「ミートフリーマンデー」にしているほか、2022年2月からはビーガン食の日を設け、週に2回はプラントベースメニューの提供を実施中です。

 

給食メニューではダイズミートを使用したタコスやピザ、植物由来のチーズやサラダなどが提供されているといいます。

 

(参考:https://www.sustainablebrands.jp/article/story/detail/1222551_1534.html)

アメリカにおけるプラントベースフードの課題と展望 

アメリカのプラントベースフード市場は急成長を遂げた一方で、「プラントベースフードは本当に健康に良いのか?」という、消費者からの疑問の声も上がっています。その理由が、加工食品である点や添加物の使用、塩分濃度の高さなどです。

 

しかし、技術革新によってより健康的なプラントベースフードが増える可能性があるといえます。

 

環境問題や食糧危機の解決策としても重要視されているプラントベースフードは、課題をクリアにしていくことで今後も需要が高まり、さらなる成長が期待できるでしょう。

 

(参考:https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfoodo/archive/fm_report/202303_1_la.pdf)

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