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プラントベースフード革命!ウナギの代替食品市場の可能性
Friday, 18 April 2025

中でも絶滅危惧種に指定される「ウナギ」を植物由来で再現する「プラントベースウナギ」が、新たな代替食品として開発され、消費者の関心を集めているのです。なぜ今、プラントベースウナギが求められているのでしょうか?
今回はプラントベースウナギの開発状況や市場の可能性、今後の課題と展望について解説します。
なぜプラントベースフードのウナギが求められているのか?
植物由来の原料で再現するプラントベースフードのウナギがなぜ求められているのか、その背景を探っていきましょう。
<ウナギの資源枯渇>
昨今、天然ウナギの生息数が減少しており、高級食材として有名な「二ホンウナギ」は国際自然保護連合による「絶滅危惧種1B類」に認定されています。
「絶滅危惧種1B類」は近い将来絶滅の危険性が高いことを意味し、ジャイアントパンダなどと同じレベルの危険度です。二ホンウナギの絶滅が危惧されている理由として、乱獲による減少が考えられています。
また、ウナギ漁ではほとんどが成魚になる前のシラスウナギの段階で捕獲されるため、産卵できない場合が多く、生息数はなかなか増えていきません。さらにシラスウナギは養殖にも使われているため、漁獲量は減少をたどる一方です。
加えて、気候変動による海水温の上昇や海流の変化、河川の開発なども二ホンウナギの繁殖に影響を及ぼしています。
天然ウナギの資源枯渇を防ぎ、「ウナギを食べる」という日本の食文化を守るためにも、プラントベースウナギの開発と商品化が求められています。
(参考:https://bd-wakamono.net/wakawakanikki/04-japaneel/#toc4)
<健康面でのメリット>
プラントベースウナギは植物由来の原料で作られているため、通常のウナギに比べて低コレステロール、低脂質で食物繊維がとれるという特徴があります。
また、ウナギ特有の寄生虫のリスクがないのもメリットです。プラントベースウナギは、健康に気を使う人や安全にウナギを楽しみたい人のニーズを満たしています。
<消費者意識の変化>
環境問題や動物愛護の観点から、サステナブルな食を選択する人が増えています。環境負荷を軽減するために、動物由来の食品を控えるビーガンや、肉・魚介類の消費を減らすフレキシタリアンが増えつつあり、食の多様性への対応にもつながっています。

プラントベースフードのウナギの開発状況をチェック!
日本ではプラントベースフードのウナギの開発が進んでおり、技術の進化によって本物に近い見た目と味、食感が再現されたプラントベースウナギが登場しています。
ここでは、プラントベースウナギの開発状況を見ていきましょう。
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<より再現度の高いプラントベースウナギを開発>
プラントベースウナギは、動物由来の原料を使用せず、ダイズたんぱくを主原料としています。2023年の発売からさらに改良を重ね、より本物のウナギに近い食感が再現されています。
「白身層」「中間層」「皮層」の3層の生地を組み合わせ、異なる原料を使用することでふわっとしながらも繊維感がある身の部分と、身と皮の間のとろっとした脂身部分の食感を実現。炙って焼き目を付けたり、皮の黒い部分は竹炭粉末で表現して、リアルな見た目に仕上がっています。
ウナギ特有の青魚の風味や蒲焼の香ばしい風味を加え、付属の特製甘辛たれをかけることで、本物のウナギに近い食感と味わいが楽しめるといいます。
<消費者の評価>
プラントベースウナギに対する消費者からの評価は、概ね高いものとなっています。あるレビューでは、「身がしっとりとした優しい食感で、かむとウナギ特有の風味がしっかりと感じられる」と述べています。
また、別の試食者は「ウナギそっくりな見た目で、皮と身の食感の違いもきちんと再現されている」という評価です。一方で価格面や原産国に対する指摘の声もあります。

プラントベースフード市場での代替ウナギの可能性
プラントベースウナギは、プラントベースフード市場での需要拡大の可能性を秘めています。2023年の7月に土用の丑の日に向けて販売したプラントベースウナギは、発売後わずか1分で限定1,000セットを完売しました。
この事例から、日本の伝統的な風習を維持する上でも、プラントベースフードのウナギが選択肢として広がる可能性があるといえます。
また、ビーガンや宗教、水産資源の保護、食糧危機への対応といった観点からも、プラントベースフードのウナギの需要が高まっていくと考えられるでしょう。
さらに、プラントベースウナギは、主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)で提供されており、今後は海外市場での展開も期待されています。

プラントベースフードのウナギの今後の課題と展望
プラントベースフードのウナギは食感や見た目、味の再現度で高い評価を得ていますが、いくつかの課題も抱えています。まずは「価格が高い」という問題です。
現在は本物のウナギと同等かそれ以上で販売されています。これは開発コストや生産量の少なさが原因です。生産規模の拡大や新しい製造プロセスの導入など、価格を抑える工夫が必要になります。
また、消費者の認知向上も課題のひとつです。従来のウナギとの栄養価の違いや食感、味の違いなどから消費者が受け入れにくい場合もあります。
従来のウナギとの比較ではなく、新しい食の選択肢として、レシピの提案などブランディングを強化していくことも必要といえます。

プラントベースフードのウナギは、未来の食の選択肢として成長の可能性大!
プラントベースフードのウナギは技術革新によって、味や見た目、食感などが再現され、進化を続けています。
価格や消費者の受け入れなどの課題はありますが、環境や水産資源の保全、食糧危機などの観点から国外で市場拡大の可能性が期待できる分野です。
課題を克服することで、未来の新たな食の選択肢として広く受け入れられていくのではないでしょうか。
