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SDGsにつながる「猫と人の共生」を目指す取り組みとは?
Tuesday, 12 September 2023
例えば人間と密接な関係を持つ「猫」もそのひとつです。保護猫を受け入れる人がいる一方で、さまざまな理由から飼えなくなり捨てられる猫も多いのが現状です。
そこで今回は、猫をとりまく現状やSDGsにつながる「猫と人の共生」を目指す取り組み事例を解説します!
猫をとりまく現状
飼い主の都合で捨てられてしまったり、ペットショップで販売できなかったりした猫や野良猫は、保護という形で保健所や動物愛護センターなどに引き取られます。
環境省が発表した令和3年4月〜令和4年3月31日のデータによると、保護された猫は年間で34,805匹と報告されています。新たな飼い主へ譲渡される猫もいれば、飼い主が見つからず最終的に殺処分される猫もいるのが現状です。
環境省のデータによると、令和3年度に殺処分された猫の数は11,718匹でした。この数は犬の殺処分2,739匹の約4倍で、猫の殺処分がいかに多いかがわかります。
全体で見ると猫の殺処分は年々減少傾向にありますが、それでも犬と比較して多い理由は、猫の繁殖率が高いことや猫に対する人々の飼育責任の意識が低いことが挙げられます。
猫を救うことはSDGs11「住みつづけられる街づくり」にも貢献する
メス猫1匹から1年で20匹、2年で80匹に増えるといわれるほど、猫は繁殖率が高い動物です。また「猫はねずみを捕まえるもの」といったかつての意識の名残で、外と家を出入り自由にしている飼い主も多くいます。
そのため、猫の糞尿やいたずら、騒音、侵入などのトラブルを訴える声が自治体などに寄せられているのです。
保護猫が殺処分に至ってしまうのもこうした問題が一因になっています。しかし近年では自治体や動物保護団体などで猫の譲渡率を上げるためのさまざまな工夫や努力がなされています。
適切な環境で猫を飼育することは、SDGs11「住みつづけられる街づくり」にもつながります。猫によるいたずらなどの被害を減らし、人と猫によって住みやすい街づくりを実現していけるのです。
(参照:なぜ猫の殺処分はへらないのか?)
SDGsにつながる「猫と人の共生」を目指す取り組み
ここではSDGsにつながる、猫と人の共生を目指す取り組み例を見ていきましょう。
保護猫の譲渡会の開催
保護猫の譲渡会は自治体や動物保護団体などの主催で、全国各地で行われています。譲渡会ではたくさんの保護猫と触れ合えるため、相性の良さを確認できるのが良いところです。
近くで見るのはもちろん、抱っこできる譲渡会もあります。また、保護された経緯や健康状態などの情報もわかるようになっています。
さらに避妊や去勢手術が済んでいる猫のみを譲渡するなど、不幸な野良猫を増やさないような取り組みをしている団体もあります。
保護猫の譲渡会は、新たな飼い主との出会いの場であり、殺処分される猫を減らすための命を守る取り組みです。
(参照:譲渡会等のお知らせ)
野良猫の繁殖を防ぐためのTNR活動
TNR活動とは野良猫の繁殖を防ぎ、猫と街を守るための活動です。TNRとは「T=トラップ(捕獲)」「N=ニューター(不妊手術)」「R=リターン(元の場所へ帰す)」という意味を持ちます。
つまり、野良猫を捕獲し、不妊手術を行ってから元の場所へ帰してあげるといった活動です。
猫の繁殖率は高く、メス猫1匹から1年で20匹、2年で80匹、3年後には2,000匹以上に増えるといわれます。そして、繁殖した野良猫は糞尿やいたずらで住民に被害を及ぼし、最終的に殺処分されてしまう可能性が高いのです。
TNR活動は野良猫の増え過ぎによる近隣被害や殺処分の防止につながっています。
(参照:TNR活動について)
猫に特化した物件の提案
保護猫を受け入れたくても、ペットOKの家ではないために諦めてしまう人も多いかもしれません。実際日本は欧米に比べてペットと暮らせる賃貸物件が少ないといわれています。
そんな問題を解決すべく、猫と暮らせる物件をメインに取り扱う不動産業者があります。既存物件の紹介の他、空き家を猫OKの物件に変更してもらうオーナー募集活動も行っています。
ストレスなく猫と一緒にのびのび暮らせる物件を増やし、保護猫を受け入れやすい住宅環境を目指しています。
人間だけでなく猫も安心して暮らせる社会へ
猫は愛らしい姿で私たち人間を癒やし、穏やかな気持ちにさせてくれる存在です。そんな猫がいまだに1万匹以上も殺処分されているという事実を知り、胸が痛む人も多いことでしょう。
猫は繁殖率が高く、適切な環境で飼育しなければ住民に被害を及ぼしてしまうのも確かです。しかし、人間の取り組みによって解決できる問題もあります。
猫も私たちと同じ地球上に住む大切な仲間です。猫と人が共生し安心して暮らせる社会を目指していきましょう。
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