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SDGsにおける倫理的行動の重要性と主な取り組みを解説
Thursday, 01 May 2025

その達成に向けて個人や企業が取り組むべき、「倫理的行動」の重要性が注目されています。
今回はSDGsにおける倫理的行動の意義と主な取り組みを解説します。
SDGsにおける倫理的行動とは?
SDGsにおける倫理的行動とは、人権・環境・社会的公正を尊重し、社会や環境に悪影響を及ぼさないよう配慮した行動を選択することを意味します。つまり、単に法律やルールを守るだけでなく、社会全体にとって「正しいこと」を意識する行動です。
中でも消費やビジネスの選択がもたらす人権の尊重や環境保護、社会的公平性などの側面に配慮することが求められています。

消費者と企業が環境や社会にもたらす影響
私たちが日常的に行う「消費行動」や「ビジネスの意思決定」は、世界中の人々や地球環境に影響を及ぼします。
例えば、何気なく購入する製品が、環境破壊や劣悪な労働環境のもとで生産されている可能性があるかもしれません。
また、企業が利益追求を優先して環境汚染を引き起こしたり、労働者を搾取したりするケースもあります。倫理的行動を意識することで、これらの悪影響を防ぎ、より良い社会と持続可能な未来を築くことができるのです。

なぜSDGsにおいて倫理的行動が重要なのか?
SDGsにおいて倫理的行動が重要な理由は、SDGsが目標とする持続可能な社会を実現するためには、人権を守り、環境に配慮しながら公正な社会をつくる行動が不可欠だからです。
消費者と企業の両方が倫理的行動を選択することで、より良い社会や環境を作り出すことができ、社会全体が持続可能な方向に進むことができると考えられています。
また、倫理的行動の普及によって、貧困問題や差別問題、環境破壊といった問題を根本から解決することが可能になります。
(参考:https://www.pref.aichi.jp/kenmin/ethical/start/example.html)

SDGsにおける倫理的行動の具体例
SDGsの達成には、各目標に応じた倫理的な取り組みが重要です。以下に、目標ごとの具体的な倫理的取り組みをご紹介します。
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<SDGs目標1:貧困をなくそう>
SDGs目標1の倫理的な取り組みとして、フェアトレードの推進が挙げられます。フェアトレードは「公正な貿易」を意味し、発展途上国の生産者に適正な報酬を提供することで、生活水準の向上を支援するという仕組みのことです。
とある商品ブランドはフェアトレード展を行うなどして、フェアトレードの仕組みをわかりやすく伝え、フェアトレード製品を普及させる取り組みを行っています。
<SDGs目標2:飢餓をゼロに>
SDGs目標2では飢餓ゼロを目指し、食品ロスの削減を掲げています。食品の無駄を減らすことで、食料資源の有効活用を図り、飢餓人口を減らしていくという取り組みです。
例えば家庭での食品ロスをなくす取り組みなどが推奨されています。消費しきれない食品を寄付する「フードバンク」や「フードドライブ」の利用推進などが実施されています。
(参考:https://media.npo-mottai.org/food-problem/food-loss-and-hunger-issues/)
<SDGs目標3:すべての人に健康と福祉を>
SDGs目標3に関連する倫理的な取り組みのひとつに、オーガニック製品の利用が挙げられます。これらの製品は化学物質を使わずに生産されるため、消費者の健康維持や環境保護、生産者の労働環境改善にも寄与する点がメリットです。
オーガニック製品には食品、衣類、化粧品などがあり、エシカル消費(倫理的消費)の一環としても推奨されています。
(参考:https://oneours.com/person/2346/)
<SDGs目標5:ジェンダー平等を実現しよう>
SDGs目標5では、すべての女性と女児に対するあらゆる形態の差別と暴力を撤廃し、政治、経済、公共分野での平等な参加とリーダーシップの機会を確保することを目的としています。
倫理的な取り組みの具体例として、ジェンダーに基づく差別や暴力を防止するための法律の制定が挙げられます。
また、女性が経済的に自立できるよう、職業訓練や企業支援を行い、平等な雇用機会を提供するなども取り組みのひとつです。
(参考:https://www.worldvision.jp/children/join_23.html#d0e9d87eb78fa54e47cd213ca7606442)
<SDGs目8:働きがいも経済成長も>
SDGs目標8は、すべての人々に働きがいのある人間らしい仕事を提供し、持続可能な経済成長を促進することを目指しています。この目標を達成するには、公正な労働環境の提供が不可欠です。
若い人や障がいのある人、男女関係なく、従業員に適正な賃金と安全な労働環境を提供することは、持続可能な経済成長を支えることにつながります。
とあるカフェチェーンでは、フェアトレード認証のコーヒー豆を使用し、生産者に公正な価格を保証し、労働環境の改善やコミュニティーの発展を支援しています。
また、生産者への技術支援や教育を行い、生産性と品質の向上をサポートし、収入増加と持続可能な農業も推進中です。
(参考:https://www.worldvision.jp/children/poverty_37.html#d0e9d87eb78fa54e47cd213ca7606442)
<SDGs目標12:つくる責任 つかう責任>
SDGs目標12は、持続可能な生産と消費のパターンを構築することを目的としています。資源の効率的な利用、廃棄物や環境負荷の削減に加え、人権の尊重への取り組みも不可欠です。
倫理的取り組みの具体例として、エシカル消費の推進や食品ロスの削減、リサイクルとリユースの促進、持続可能な製品設計、企業のサプライチェーン管理などが挙げられます。
企業が自社の供給網全体で、倫理的かつ持続可能な慣行を確立し、人権や環境に配慮した調整が重要です。
(参考:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/public_awareness/ethical/about)

SDGsの達成には倫理的行動や取り組みが不可欠!
地球規模の課題を解決し、SDGsを達成するためには、倫理的行動と取り組みが不可欠です。倫理的行動とは、人権や環境、社会的公正を尊重した行動を指し、消費やビジネスの選択において持続可能性を考慮することを意味します。
個人と企業の双方が倫理的行動を心がけることで、SDGs達成に近づくことができるでしょう。ぜひこれを機に、持続可能な未来のために実践できることを考えてみてはいかがでしょうか。
