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沖縄県におけるSDGsの取り組み|持続可能な美ら海と島へ
Thursday, 16 January 2025
沖縄県では環境・社会・経済を持続可能なものにし、沖縄の発展を目指してSDGsの取り組みを推進中です。
今回は「SDGs達成のための、地域の取り組み」をテーマに、沖縄県におけるSDGsの取り組みを解説します。
沖縄県は令和3年度のSDGs未来都市に選定
沖縄県は、令和3年度のSDGs未来都市に選定されました。SDGs未来都市とは、SDGsの理念に沿って取り組みを推進する都市や地域の中から、特に優れた取り組みを行い、持続可能な社会を築く可能性が高い都市を内閣府が選定するものです。
沖縄県では、「平和を求めて時代を切り開き、世界と交流し、ともに支え合い誰一人取り残さない、持続可能な『美ら海』おきなわの実現」という沖縄らしいSDGsの理念を掲げ、目標達成に向けて取り組んでいます。
(参考:https://www.pref.okinawa.lg.jp/kensei/shisaku/1014182/1014197.html
沖縄県SDGsの推進方針とは?
沖縄県は、SDGsの推進に向けて基本的な方向性を定めるために「沖縄県SDGs推進方針」を策定しました。新たな時代に対応した持続可能な沖縄の発展を目指し、5つのビジョンと36の基本施策、各種取り組みを示しています。
【沖縄県SDGs推進方針 5つのビジョン】
1.沖縄らしい自然と歴史、伝統文化を大切にする島
2.心豊かで、安全・安心に暮らせる島
3.希望と活力にあふれる豊かな島
4.世界に開かれた交流と共生の島
5.多様な能力を発揮し、未来を拓く島
(参考:https://www.okinawa-sdgs.jp/wp-content/uploads/2021/12/oki_sdgs_pamphlet_p.pdf)
沖縄県におけるSDGsの取り組み
沖縄県では、自然環境の保全や離島の産業振興、伝統文化の継承や子どもの貧困対策などさまざまな取り組みを行っています。ここからは沖縄県におけるSDGsの具体的な取り組みを見ていきましょう。
<サンゴの保全をはじめとした自然環境保全>
世界に誇る美しい沖縄の自然環境を守るため、サンゴ礁の保全や外来種対策、希少野生動物の保護などを行っています。沖縄県ではサンゴ礁の採集を禁止する規則や、赤土が海に流れ出すのを防止する条例を制定しました。
また、食害からサンゴを守るためオニヒトデの駆除なども行っています。
さらにサンゴ礁を保全・再生するために、行政やダイビング事業者、漁業者、市民や団体などが参加できる、「民間参加型サンゴ礁生態系保全活動推進事業」を立ち上げました。
さまざまな主体が協力し合い、サンゴの植え付け活動や海洋環境の保全、意識啓発活動などを行っています。
(参考:https://www.env.go.jp/nature/biodic/coralreefs/pdf/project/development/200605_mat04_3_1.pdf
<過疎化が進む離島の振興>
沖縄県には多くの離島が存在し、地域によっては集落や産業機能の低下が課題になっています。沖縄県は「時代を拓く持続可能な島づくり計画」を策定し、離島の振興を図る取り組みを推進中です。
例えば交通・生活コストの低減や、教育・医療・福祉などにおける住民サービスの向上、情報格差の是正を行っています。
また、観光リゾート産業や、農林水産業の振興やICT(情報通信技術)を活用して、時間と場所にとらわれずに働けるテレワーカー育成などにも取り組んでいます。
<伝統文化の保全や継承>
沖縄県にはしまくとぅばや琉球舞踊、組踊、など、数々の伝統文化があります。しまくとぅばとは、沖縄で受け継がれてきた島言葉(琉球方言)のことです。
歴史と誇りある伝統文化の保全・継承に加え、発展させていくためにさまざまな取り組みを行っています。
例えばしまくとぅばを話せる人が減少しており、継承の危機であることから毎年9月18日を「しまくとぅばの日」と定め、県内各地で講座を行ったり県民大会を開催したりと、普及や継承に取り組んでいます。
(参考:https://www.pref.okinawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/014/744/churashima2020_9_p9.pdf)
<子どもの貧困対策>
沖縄県は一人当たりの県民所得が全国最低水準であり、子どもの相対的貧困率は全国平均の2.2倍にのぼる29.9%という状況にあります。(令和元年)
子どもの貧困が深刻であることから、平成28年度から「沖縄こどもの貧困緊急対策事業」を実施し、子どもの貧困対策支援員の配置や、食事の提供や生活指導、学習支援などを行う子どもの居場所の運営支援に取り組んでいます。
また、生活困窮家庭やひとり親家庭の親などに対する生活・就労支援も推進中です。
(参考:https://www8.cao.go.jp/okinawa/3/kodomo-hinkon/okinawakodomo.html
https://be-kind.okinawa/problems_okinawa/child-poverty/)
<平和を求める「沖縄のこころ」を世界に発信>
沖縄県は、日本で唯一地上戦が行われた場所として知られています。1945年の沖縄戦の悲劇を二度と繰り返さないよう、平和を求める「沖縄のこころ」を世界に発信し続けています。
沖縄戦の終盤に激しい戦いが繰り広げられていた糸満市には、沖縄県平和資料館や平和の礎が建設されました。沖縄平和資料館は、沖縄戦の様子を映像や模型で伝え、戦争の恐怖や平和の大切さを訴えています。また、平和の礎には亡くなった約24万人の氏名が刻まれています。
また、2013年に創設された沖縄平和賞は、沖縄と関わりの深いアジア太平洋地域における人々の平和な暮らしに向けて取り組みを推進した個人や団体に贈られる賞です。
平和のために行動する人を称え、平和を祈る沖縄のこころを世界に伝える場になっています。
(参考:https://www.pref.okinawa.jp/kyoiku/kodomo/1002705/1002710.html)
SDGs達成を目指す沖縄の取り組みは特色を生かした活動が特徴
平和を求め、誰一人取り残さない持続可能な発展を目指す沖縄県は、伝統や文化、経験を継承してゆくことを重視しています。気になる方は一度沖縄に訪れ、特色を生かしたSDGsの取り組みを体験してみてはいかがでしょうか。
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