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台湾におけるSDGs|持続可能な未来を目指す独自の取り組み

Tuesday, 21 January 2025

地球が抱える環境問題や社会問題を解決し、持続可能な社会を築くために国連で採択された世界共通の目標「SDGs」。台湾は国連に加盟していませんが、SDGsが目指す持続可能な未来に向けて、独自の取り組みを行っています。

そこで今回は「SDGs達成のための、各国の取り組み」をテーマに、台湾でSDGsの取り組みが進んでいる理由や事例について解説します。

国連に加盟していない台湾でSDGsが進む理由 

台湾は、国連が定めたSDGs17のゴールに呼応しTaiwan Can Help, and Taiwan is Helping!」をスローガンに掲げています。

 

国連加盟国ではありませんが、国際社会に貢献できるという姿勢を示し、SDGsに関する独自の取り組みを進めてきました。

 

台湾のSDGsが進んでいる理由として、3つの要因が挙げられます。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

 

<官民が協力し合い、取り組んでいる>

台湾でSDGsの取り組みが進んでいる理由のひとつが、政府と民間の協働です。問題や課題に対して国民一人ひとりが立ち上がり、政府が支援するという体制がとれています。

 

また、政府ができないことは、年齢や性別を超えてできる人が協力するという考えを持ち、それこそが台湾式のSDGsであるとしています。

 

<台湾エクセレンス> 

台湾のSDGsの取り組みを語る上で外せないのが、「台湾エクセレンス」です。台湾エクセレンスとは、台湾の経済部が認める優れた製品に贈られる賞のことで、「デザイン・品質・研究開発・マーケティング」の4つの項目が審査基準になります。

 

これによって、使い捨てのプラスチック容器による環境破壊を防ぐために開発された全紙製のリサイクル容器や、脚力が弱い人でも山道や長距離サイクリングが楽しめる自転車など、SDGsの課題解決に貢献する製品が次々と誕生しています。

 

<SDGs推進の要となるキーパーソンの存在> 

台湾のSDGsが推進した要因ともいえるのが、キーパーソンの存在です。例えば、デジタル担当大臣に任命された「オードリー・タン」氏は、ITを活用しながらSDGsの達成に向けて「ソーシャル・イノベーション(社会的な技術革新)」を推進しています。

 

コロナ禍では、サージカルマスクの販売店と在庫状況がリアルタイムでわかる「マスクマップ」のアプリを開発し、世界的に注目を集めました。

 

また、弁護士として長年多くの女性問題に取り組み、ジェンダー平等を推進してきた「チュアン・チャオ・ルー」氏も、台湾のSDGsに貢献してきた重要人物の一人です。

 

さまざまなジェンダー政策を提示し取り組んできたことで、台湾は2020年度のジェンダーギャップ指数が世界29位に相当し、日本の121位に比べてもはるかに高い順位となっています。

 

(参考:https://www.nna.jp/news/2217042?id=2217042

https://events.taiwanexcellence.org/books/2022_amazingTaiwan/amazing_Taiwan_jp_fix.pdf)

台湾におけるSDGsの取り組みをチェック! 

台湾は国連加盟国ではないため、達成度ランキングなどに名前が入ることがないものの、SDGsの達成度は83%で、世界5位に相当するといわれています。

 

ここでは、台湾におけるSDGsの具体的な取り組みをチェックしていきましょう。

 

<生分解性プラスチックの使用禁止> 

台湾の環境部は2023年8月より、飲食店やスーパー、コンビニなどの主要施設での生分解性プラスチックの一種PLA」が含まれる使い捨て容器の使用を禁止にしました。

 

PLAとはポリ乳酸を指し、主にジャガイモやトウモロコシなどのでんぷんで作られている植物由来のバイオマスプラスチックのことです。堆肥化することから、化石燃料由来のプラスチックの代わりとして使われています。

 

しかし、堆肥化するには高温多湿など、特定の環境が必要であり、必ずしも分解されるわけではありません。そのため川や海に流れ出ると、化石燃料由来のプラスチック同様に海洋汚染の原因になることから、台湾では使用禁止になりました。

 

素材を変えても使い捨てる限り、環境汚染は完全に改善されることはないとして、容器のリユースへの切り替えを求めています。

 

(参考:https://www.greenpeace.org/japan/result/story_61769/)

 

<ショートメール実名制を開発> 

コロナ禍では公共施設や公共交通機関など、あらゆる場所で個人名と電話番号の記入が義務付けられていました。デジタル担当大臣のオードリー・タン氏は、この負担を軽減するため、「ショートメール実名制」というシステムを開発しました。

 

個人の行動履歴を負担なく登録できるショートメールサービスで、約30秒かかっていた実名登録を約5秒に短縮することに成功しています。

 

ショートメールのため、スマホでなくガラケーでも利用できるのもポイントです。

 

(参考:https://events.taiwanexcellence.org/books/2022_amazingTaiwan/amazing_Taiwan_jp_fix.pdf)

 

<クオータ制度で女性の議員の数はアジアNo.1>

アジアの中でジェンダー平等がトップクラスといわれている台湾では、女性が社会で事業や計画に関わりやすくするため「クオータ制」を採用しました。クオータ制とは、一定の割合で女性の議席や議員数を保障する制度です。

 

台湾の地方議会では、選挙区ごとに4つの議席のうち1つは女性でなければならないとし、有能な女性たちが政治に参加できる環境がつくられています。

 

現在、台湾の議会・立法院では全体の議員数の4割以上が女性であり、アジアNo.1となりました。

 

(参考:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240425/k10014431921000.html)

台湾式SDGsの取り組みに世界中が注目! 

国連に加盟せずともSDGs達成率80%以上の台湾は、年齢や性別に捉われることなく、有能な人材を中心に独自の取り組みを行っています。台湾が推進するソーシャル・イノベーションは他国も学べる点が多いでしょう。

 

持続可能な未来に向けて、これまでにない新たな取り組みを考えてみてはいかがでしょうか。

 

あわせて読みたい: SDGs4「質の高い教育をみんなに」の内容と世界の現状

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