SDGs目標1「貧困をなくそう」では世界中のあらゆる貧困をなくし、貧困に苦しむ人々の自立を支援することを目的としています。
世界的にみると日本は豊かな国であり、貧困のイメージがないかもしれません。しかし、実際には子どもの貧困問題が深刻化しているのです。
そこで今回は、日本における貧困の現状や貧困が引き起こすさまざまな問題、国が行っている貧困家庭への支援策を解説します。
(参照:“地球上のあらゆる形の貧困をなくそう”)
貧困は「絶対的貧困」と「相対的貧困」の2つに分類されます。絶対的貧困は、生命の危機に瀕するほど生活が困窮している状態を指し、開発途上国などに多い傾向があります。
一方の相対的貧困は、各国の国民の生活水準を下回る暮らしの状態を指します。日本の貧困は後者の「相対的貧困」にあたります。
相対的貧困率が先進国の中で3番目に高い日本ですが、中でも大きな課題になっているのが子どもの貧困です。
厚生労働省の調査によると、日本の子どもの7人に1人が貧困であり、その半数を占めるのがひとり親世帯であることがわかっています。
また、内閣府が行った調査ではひとり親世帯のうち86.8%が母子家庭であるとわかりました。(平成28年度調べ)
母子家庭では仕事と子育てとの両立が難しいと雇用側に判断され、非正規雇用としてしか働けないケースも多くあります。待遇面で不利益を受け、フルタイムで働いているものの十分な所得を得られず、貧困に陥ってしまう母子家庭が少なくありません。
加えて、母子家庭のみならず、子どもの貧困が深刻化している背景には社会情勢や経済状況、家庭の在り方などさまざまな要因が絡んでいると考えられています。
(参照:相対的貧困率等に関する調査分析結果について)
(参照:2021年 国民生活基礎調査の概況)
(参照:母子世帯数及び父子世帯数の推移)
貧困家庭では、子どもの成長や発達に関わる問題が生じてきます。ここでは貧困が引き起こすさまざまな問題を見ていきましょう。
子どもの貧困は、子どもの可能性を奪うだけでなく、未来を担う大切な人材を失う社会的損失にもつながる重大な問題です。日本では、SDGsの達成と貧困問題の解決に向けてさまざまな対策や取り組みを行っています。
ここでは政府が行っている貧困家庭の子どもたちへの支援を紹介します。
日本は先進国ですが相対的貧困率が高く、子どもの7人に1人が貧困に苦しんでいます。しかしどんな環境や状況であっても子どもの希望ある未来がつぶされるようなことがあってはなりません。
子どもの貧困問題を解決するために個人でもできる支援として、内閣府が推進する「子どもの未来応援運動」があります。
未来応援基金に募金や寄付をしたり、支援団体とつながって子ども食堂のボランティアを行うことができます。子どもを支援したいという人は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
子どもを守ることは未来を守ることにつながります。貧困問題の解決に向けて、自分にできることに取り組んでいきましょう。
(参照:子供の未来応援国民運動)
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