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SDGs10「人や国の不平等をなくそう」|世界と日本の現状

Tuesday, 18 April 2023

世界には生まれた国や人種、性別、身分、宗教、障害の有無など、さまざまな不平等が存在しています。

こうした問題の解決策として制定されたのがSDGs10「人や国の不平等をなくそう」です。今回はSDGs10とはどんな目標か、また世界と日本における不平等の現状を解説します!

SDGs10「人や国の不平等をなくそう」とは?

SDGs10は世界中から不平等をなくし、SDGsの基本理念でもある「誰一人取り残さない世界」を目指す目標です。

すべての人が能力を高め、互いに認め合っていけるような社会を目指すほか、差別的な法律や政策、しきたりを無くして皆が平等にチャンスを得られるような社会の仕組みを構築することが求められています。

この目標が生まれた背景には、世界で起こるさまざまな不平等や格差問題があります。例えば「女性だから」「高齢者だから」というだけで不利益を被り、貧困状態に陥っている人は少なくありません。

また、差別によって教育を受けることが許されず、安定した収入が得られる仕事に就けないため、貧しい生活から抜け出せない家庭もあります。子どもも満足に教育が受けられないため、負の連鎖を断ち切ることができないのです。

こうした問題を解決するためにも、SDGs10に掲げているターゲットに対してアクションをしていくことが重要といえるでしょう。

(参照:10.人や国の不平等をなくそう)

世界の不平等の現状

ここからはさらに深掘りをして、世界の不平等の現状を見ていきましょう。

一部の富裕層に集中する世界の富

世界では1%の富裕層が、世界全体の富の約33%を所有しており、残り99%の人々との格差が広がっています。

国際協力団体のオックスファムが発表した報告書によると、世界で最も裕福な8人の総資産は、最も貧しい人々36億人分の総資産と同じであることがわかりました。

このデータからみてもわかるように、世界の富は一部の富裕層に集中しており、一部の人しか有利にならない経済の仕組みが問題だといえるでしょう。

(参照:An economy for the 99 percent)

障害による差別問題

国連の報告書によると、世界の人口のおよそ15%にあたる約10億人肉体的、精神的、あるいは感覚的な障害を抱えているといいます。

また、障害を持つ人の約80%は開発途上国に住む人々です。開発途上国に住む障害のある子どもたちの多くは、学校に通えていません。

例えばエチオピアの農村部では、障害のある子どもの98%が中学校に通えておらず、学ぶチャンスを得られていないのが現状です。

その理由として途上国では特別支援学校の数が限られていることや、通常の学校でも教員が少なく、障害児の受け入れ体勢が整っていないことなどが挙げられます。

障害のある子どもの教育のためには、各国における関係者一人ひとりの意識改革が重要であると考えられています。

(参照:障害を持つ人々)
(参照:10.人や国の不平等をなくそう)
(参照:障害と教育全ての学習者の多様なニーズに応える教育)

移民に対する不平等

外国に移り住んで生活を送る人を「移民」と呼びます。世界では移民を守る制度が不十分な国があり、人権侵害を受けるなどの問題が発生しています。

移民の多くは危険が伴う仕事や体力的にきつい肉体労働、人の嫌がる仕事などを引き受け、低賃金で働かされているのです。

また、暴力や人身売買などの被害に合う移民もいます。移民の権利や社会・経済福祉をフォローできる国は、データがある105カ国中6割未満であり、それ以外の国では移民が被害を訴えても、改善されないのが現状です。

(参照:10.人や国の不平等をなくそう)

日本の不平等の現状

不平等は世界の国々だけでなく、日本にも存在しています。ここでは日本における不平等の現状を見てみましょう。

高齢者やひとり親世帯に増えている相対的貧困

日本は世界第3位の経済大国ですが、実は7人に1人の子どもが貧困状態にあるといわれ、なかでもひとり親世帯の半数以上が貧困状態です。また65歳以上の高齢者がいる世帯の貧困率は27%にのぼるなど、相対的貧困が深刻化しています。

ひとり親世帯が貧困になる原因は、子育てと仕事の両立が難しく、フルタイムで働けないことが要因のひとつです。また、働いていたとしても十分な収入や待遇が得られず、ワーキングプア(働く貧困)状態に陥っている人も少なくありません。さらに急な病気やけがによって仕事を休まざるを得なくなり、収入が激減してしまうケースもあります。

一方、高齢者の貧困が増えている理由は、世帯の少人数化が挙げられます。老夫婦のみや単身のみで生活する人が増え、1人あたりの生活コストが上がっているのです。

(参照:「行政、NPO、企業等官民連携で取り組む子供の貧困対策」内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付 子どもの貧困対策担当)
(参照:普通の日本人が知らない「貧困」の深刻な実態)

雇用の不平等

日本では2020年4月に「同一労働同一賃金」という制度が認められました。これは同じ企業・団体内で働く正規雇用者と非正規雇用者の間で公正な待遇を確保し、賃金格差を無くすことを目的としたものです。

しかし実際は、正社員と非正社員の賃金格差が残る企業が存在します。賃金以外にも休暇や福利厚生面で格差があるケースもあり、対応が進んでいない企業も少なくありません。

厚生労働省ではこうした職場での格差解決に向けた援助を行っているため、職場で待遇の改善に悩んでいる人は一度相談してみるのも良いかもしれません。

(参照:同一労働同一賃金特集ページ)
(参照:正社員と非正規社員の格差はなくなる?)
(参照:職場でのトラブル解決の援助を求める方へ)

不平等をなくすことが誰一人取り残さない世界につながる

世界に残る不平等の問題を解決するためには、SDGs10の達成に向けた取り組みを進めていくことが必要不可欠であると感じたのではないでしょうか。

国や企業が取り組むだけでなく、私たち一人ひとりがお互いを認め合い、相手を思いやる心こそが大切だといえます。自分の身近なところで不平等を感じることはないか、また誰に対しても平等に接することができているかなど、自身を振り返ってみるのも良いでしょう。

人や国の不平等をなくすことは、SDGs1の「貧困をなくそう」やSDGs2「飢餓をゼロに」といった目標達成の手助けにもなります。思いやりの心を持ち、差別や偏見、不平等がなくなる世界を目指していきましょう。

あわせて読みたい: SDGs目標1「貧困をなくそう」|日本の現状を見てみよう

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