そもそもクレジットカードの運営には、複数の会社が関わっています。そのうち、利用者と直接関わってくるのが「発行会社」と「国際ブランド」です。

クレジットカードの発行会社は主に3種類に分かれる

クレジットカードを発行する会社は主に「銀行系」「流通系」「交通系」の3つに分類できます。

・銀行系…メガバンクや地方銀行、信用金庫などの銀行業務を行う企業や、そのグループ企業が発行する場合を指します。

・流通系…百貨店やスーパー、コンビニなどの業務を行う企業が発行する場合を指します。発行会社が運営するお店で買い物をすることで、お得なポイントが得られたり、還元サービスを受けられたりするのが特長です。

・交通系…鉄道や航空会社などが発行する場合を指します。鉄道会社が発行しているクレジットカードには乗車機能付きのものがあり、オートチャージできるため便利です。

また、航空会社が発行しているクレジットカードは買い物でマイルが貯まり、航空チケットに換えられるなどのメリットがあります。

国際ブランドとは？

クレジットカードの運営に関わる国際ブランドとは、世界中の国や地域で24時間決済システムを提供している企業のことです。クレジットカードの右下部分に記載されているブランド名がそれに当たります。

先述したクレジットカード発行会社が、世界的な決済機能を持つ国際ブランドの力を借りることで、24時間あらゆる国でクレジットカードでの支払いが可能になるのです。

企業にもよりますが、国際ブランドは世界中に決済機能を持っているため、クレジットカード発行会社にとっても重要な存在です。

クレジットカードの発行会社には「銀行系・流通系・交通系」の3種類あることがわかりましたが、これらの会社の中でもサステナビリティへの取り組みを進めている会社が増えつつあります。

ここからは、クレジットカード発行会社のサステナビリティへの取り組みとして、事例の一部をご紹介します！

決済データから個人のCO2排出量をチェックできるクレジットカードを発行

個人のCO2排出量やオフセットを可視化できるサービスに、カード決済を自動連携させることで日常生活でのCO2排出量が可視化できるというクレジットカードを作成した会社があります。

毎月の利用明細が自動連携されており、どの買い物やカテゴリーでのCO2排出量が多いかをチェックできます。

また、前月のCO2排出量との比較ができる他、排出してしまった分のCO2を削減する活動に投資する、オフセットプランを選べるのも特徴のひとつです。

個人のCO2排出量が可視化されることで、CO2削減に向けた行動をとるきっかけにつながるとして期待が高まっています。

クレジットカードの素材を廃棄プラスチックに

クレジットカードの多くがプラスチックを原料としていますが、サステナビリティへの取り組みとして、廃棄プラスチックのリサイクル素材を使ったクレジットカードが誕生しています。

産廃工場から回収した廃棄プラスチックをリサイクルし、原料にすることで、1枚あたり最大約9.8gのCO2削減につながるといいます。

発行会社すべてのクレジットカードをリサイクル素材に切り替えた場合、5年間で最大約90トンのCO2削減が見込まれるようです。

90トンのCO2を吸収するには、東京ドーム約2個分の森林面積が必要といわれています。クレジットカードのリサイクル素材への切り替えは、環境負荷の軽減に大きく貢献するといえるでしょう。

環境に配慮した商品の購入などで5％キャッシュバック

環境に配慮した商品の購入や地下鉄の移動などで使うと、5％キャッシュバックされるクレジットカードが登場しています。

例えばエコマークが付いている文具や家具類、電化製品やインテリア雑貨、古着や食品などが挙げられます。

また、電気自動車の充電や地下鉄の利用などもキャッシュバック対象です。環境に配慮したCO2排出量の少ない支出に対して5％のキャッシュバックを提供することで、日常生活での気候変動対策につながるとして期待が寄せられています。

クレジットカードの発行会社には「銀行系・流通系・交通系」の3種類があり、それぞれ異なる特典や特徴があります。

その中でもサステナビリティへの取り組みを行っているクレジットカードはCO2排出量が可視化できたり、環境に配慮した商品の購入でキャッシュバックがあったりと、他にはない機能が特徴です。

これからクレジットカードの発行や切り替えを検討している人は、サステナビリティへの取り組みを行っているクレジットカード発行会社を選んでみてはいかがでしょうか。
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