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サステナブルを目指すファストファッション業界の問題点と取り組み

Wednesday, 10 January 2024

世界のあらゆる業界でサステナブルな取り組みが進められる中、ファストファッション業界の仕組みは持続可能ではないと問題視されてきました。一体どんな問題が起きているのでしょうか?今回はファストファッションの問題点や、ファストファッション業界がサステナブルを目指すようになった背景、取り組み事例などをわかりやすく解説します!

ファストファッションとは?

そもそもファストファッションとは、流行のデザインなどを取り入れた衣服を大量生産し、短いサイクルで販売するブランドや企業の仕組みを指します。

ファストフードになぞらえて作られた言葉でもあり、衣服における販売サイクルの「早さ」と価格の「安さ」を意味しています。新品のTシャツが1,000円以下で買えるなど、非常に安いことが特徴です。

消費者からすると一見、メリットだらけのような気がするファストファッションですが、実はさまざまな問題を抱えています。最近では問題解決に向けて、業界全体でサステナブルへの意識が高まっています。

(参照:【ファストファッション】気になる歴史から今後!日本での現状まで一挙まとめてみました!)

ファストファッションの問題点

ファストファッション業界がサステナブルを目指すようになった背景には、持続可能ではないファストファッションの仕組みがあります。具体的にどのような問題が起きているのか詳しく見ていきましょう。

衣服類が大量に生産され、大量に捨てられている

 
トレンドの服を大量に生産するため、流行が過ぎれば衣服は売れ残り、大量に廃棄しなければなりません。

日本では年間50万トンを超える量の衣類が捨てられています。そのうちの90%以上が焼却・埋め立て処分されているのが現状です。

焼却すれば二酸化炭素(CO2)が排出され、温暖化を促進させる原因になります。また、焼却できない化学繊維の服は埋め立て処分をしても自然分解されないため、環境汚染の原因になっているのです。

大量の在庫を抱える企業だけでなく、消費者側も気軽に購入できる分、気軽に廃棄する人が増えてしまっています。

環境省のデータによれば、手放す服の平均が12枚に対して購入する服は18枚、一年間で一度も着ない服は一人あたり25枚もあるとしています。

(参照:衣料廃棄物について考える)
(参照:ファッションのあり方をアップデートして、次世代の環境につなげよう)

途上国などの生産地における労働問題

 
衣服を安価で提供するためには、低コストで大量に作らなければなりません。大量に生産するには安い賃金で労働する人手が必要であることから、途上国で人権に配慮しない労働現場が発生しています。

長時間労働などの過酷な労働条件でありながら安い賃金で働かされたり、児童労働が起きたりしています。また、2013年にはバングラディッシュの縫製工場が入った商業ビルが倒壊し、1,000人以上が死亡する大事故が発生しました。

安全管理を無視し、縫製工場を違法に増築したことが原因となっています。ファストファッションの仕組みが悲惨な事故や労働問題を招いているのです。

(参照:ラナ・プラザ崩落事故とは・意味)

ファストファッションは低品質な傾向がある

 
ファストファッションは安いため、消費者の立場からすればお得で経済的だと感じるでしょう。しかし、ファストファッションは低品質なものが多く、すぐに破けたり生地が伸びてしまったりして長く着られないものが多い傾向があります。

そしてまた新しい服を買うといったサイクルが、大量生産・大量消費につながっています。消費者側も「安いから仕方がない」といった使い捨て感覚は無くし、長く着られる服を選ぶ視点が大切です。

サステナブルへと変化しつつあるファストファッション業界の取り組み

さまざまな問題を抱えるファストファッション業界ですが、課題と向き合い少しずつサステナブルな取り組みを行う企業が出てきています。ここからはサステナブルへと変化しつつあるファストファッション業界の取り組みの一部をチェックしていきましょう。

環境と人に配慮した素材を使用

 
石油由来の化学繊維など環境負荷のかかる素材は避け、環境に配慮した素材を使った衣服の製造に取り組んでいます。

例えば、農薬や化学肥料を使わないオーガニックコットンや自然由来の塗料など、環境だけでなく人にも配慮した素材です。2025年までに100%サステナブルな素材への切り替えを目指す企業もあります。

店頭に衣服の回収ボックスを設置

 
衣服の大量廃棄を防ぎ、リサイクルやリユースを目的として、着なくなった衣服の回収ボックスを設置するといった取り組みがあります。使用済みの衣服をリサイクルすることで、廃棄物の削減になるほか、資源の循環利用につながります。

製造や廃棄処分の過程で排出されるCO2削減にも貢献する取り組みです。2040年までにCO2排出量実質ゼロを目指す企業もあります。

製造量をコントロールし過度な値引きをしない

 
オリジナルの製品を外注ではなく自社で内製し、需要に合わせて製造量をコントロールすることで大量生産を抑える取り組みです。

また過度な値引きをしないため、気軽に購入し気軽に捨てるといった消費者の行動を抑えることにもつながっています。ファストファッションのイメージから脱却し、サステナブルなファッションを目指し改革を進めています。

(参照:コスト重視からSDGsへ大転換 ファストファッションブランドによるサステナブル化の実情)

ファストファッション業界の問題解決には消費行動の見直しも重要!

ファストファッション業界はサステナブルな取り組みを進めていますが、下請け工場などの労働環境に関しての透明性が十分でない点が引き続き課題となっています。

ファストファッション業界の問題を解決するためには、消費行動の見直しも重要です。これからは、「安いから」という理由で買うのではなく「長く着られるのか」また「どんな素材で作られているのか」などサステナブルな視点で服を買うよう意識してみてはいかがでしょうか。

あわせて読みたい: サステナブルなファッションを選ぶポイント!着目すべき点とは

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