パン屋さんには、食べられるのに捨てざるを得ないパンがたくさんあります。なぜなら大量に売れ残ってしまった場合、翌日に販売することはできないからです。長年、パンの廃棄量の多さは日本の食品ロスの一因として問題視されてきました。
この問題を受け、廃棄されるパンをどうにかして減らしたいという思いで始まったのが「サステナブルなパン」として販売する取り組みです。
今回はパンの廃棄量が多い理由に触れ、サステナブルなパンを選ぶメリットを解説します!
サステナブルなパンには、添加物が使われていないものや太陽光などの再生可能エネルギーでつくられたパンなどもありますが、今回取り上げるのは、売れ残って廃棄せざるを得ないパンです。
パンの廃棄を減らすための取り組みとして、廃棄予定のパンを「サステナブルなパン」として取り扱っています。付加価値をつけて再度新たな商品として提供することでパンの廃棄量を抑え、食品ロス削減に貢献しているというわけです。
(参照:食品ロス削減に貢献できるサステナブルなパンセットを販売開始)
環境省の令和2年の調査によると、日本における食品ロスの発生量は年間約522万トンと報告されています。そのうち事業系の食品ロスは275万トンで、ベーカリーなどで廃棄されるパンも当然ながらこの中に含まれています。
廃棄せざるを得ないパンが発生してしまう理由のひとつが、生産量です。いつも通りに生産していたとしても、天候などによって客足が少ない日があり、パンが売れ残ってしまうのです。
雨や雪、風が強い日などは、晴れの日よりもお客様がお店に立ち寄りづらいといえるでしょう。天気によって、販売数を予想してパンを作らなければなりません。
しかし、天気が悪いからといって生産量を減らすと陳列棚がスカスカになってしまい、「買いに来てくれるお客様に申し訳ない」というパン屋さんの思いもあるといいます。
さまざまな種類のパンがずらりと並んで、パンのいい香りが立ち込めている…そんな店内でお客様をお迎えしたいというのがパン屋さんの思いなのです。
このような理由から、パンの廃棄はなかなか避けられない状況にありました。そこで、近年では、食品ロス問題の解決策としてパンの廃棄量を減らす取り組みが広がっています。
売れ残ったパンを10~20個入りのセットにして「サステナブルなパン」として提供するお店が増えつつあります。
私たち消費者ができることは、サステナブルなパンを買うことです。サステナブルなパンを食べると食品ロス削減に貢献できるほか、嬉しいメリットもあります。
サステナブルなパンには、お得に購入できたり自宅からネットで注文できたりと、さまざまなメリットがあります。何よりパン屋さんのおいしいパンを食べると、幸せな気持ちで心もお腹も満たされるものです。
ぜひ、サステナブルなパンをおいしく食べて、食品ロスに貢献していきましょう。
あわせて読みたい: サステナビリティに配慮したレストラン・カフェの取り組みとは