サステナブルデザインとエンジニアリングを営むカナダ企業の取り組み
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サステナブルデザインとエンジニアリングを営むカナダ企業の取り組み

Wednesday, 02 July 2025

2025年、カナダを拠点として持続可能なデザインとエンジニアリングを営む企業は、「世界で最もサステナブルな企業100」で第8位にランクインし、業界内ではトップの評価を獲得しました。この快挙は、同社の環境、社会、ガバナンス(ESG)への取り組みが国際的に高く評価された結果です。今回は、同社のサステナブルな取り組みとその背景にある戦略を解説します。

持続可能なデザインとエンジニアリングを営むカナダの企業とは? 

世界で最もサステナブルな企業100で第8位にランクインした企業は、カナダを拠点とし、建築、エンジニアリング、環境コンサルティング分野で世界的に活躍するプロフェッショナルサービス企業です。

 

1954年に設立され、現在では世界450以上の拠点で、約32,000人の専門家が在籍しています。

 

同社の使命は、「すべてのコミュニティーと共に、可能性を再定義する」ことです。この理念のもと、持続可能な設計と技術革新を通じて、世界中の地域社会に貢献しています。

 

具体的には、老朽化したインフラの管理、人口動態の変化への対応、エネルギー転換の推進など、現代社会が直面する課題に対して、専門的な知識、技術、革新性を提供しています。

 

また、企業文化として、コミュニティー、創造性、クライアントとの関係性を重視している点もポイントです。

 

多様なステークホルダーとの協働を通じて、気候変動への対応、デジタルトランスフォーメーション、都市やインフラの将来性確保など、重要な課題にも取り組んでいます。

環境への具体的な取り組み 

同社は、環境への具体的な貢献として、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を支援するプロジェクトの推進や、建築物の炭素排出量削減に取り組んでいます。その内容について見ていきましょう。

 

あわせて読みたい: カナダの都市部におけるUrban Farming|バンクーバーの取り組み

 

<SDGsを支援するプロジェクトを実施>

2023年、同社の総収益の61%にあたる約39億ドルが、国連のSDGsを支援するプロジェクトから得られました。これは、2019年の43%(約20億ドル)から大幅な増加を示しており、同社の事業が持続可能な開発に深く関与していることを示しています。

 

同社はSDGsの中でも特に「産業と技術革新の基盤をつくろう(SDGs9)」「住み続けられるまちづくりを(SDGs11)」「気候変動に具体的な対策を(SDGs13)」などに重点を置き、これらの目標に貢献するプロジェクトを推進しています。

 

(参考:https://www.stantec.com/content/dam/stantec/files/PDFAssets/2023/2023-sustainability-report-executive-summary.pdf)

 

<炭素排出量の削減を目指す「MEP 2040 チャレンジ」に参加> 

建物の機械・電気・配管(MEP)システムに関連する炭素排出量の削減を目指すMEP 2024チャレンジ」に参加しています。この取り組みは、2030年までに運用時の炭素排出をゼロにし、2040年までに製品に含まれる炭素(エンボンディドカーボン)をゼロにすることを目標としています。

 

これらの取り組みの他にも、AIA 2030 コミットメントAIA マテリアルズプレッジなどの業界イニシアチブにも署名しており、建築分野における炭素排出削減に積極的に取り組み中です。

 

(参考:

https://www.stantec.com/en/news/2024/stantec-joins-mep-2040-challenge-to-achieve-net-zero-carbon

https://www.aia.org/design-excellence/climate-action/zero-carbon/2030-commitment)

循環型経済の実現に向けた取り組みと成果 

同社は、持続可能な社会の実現に向けて循環経済の推進に取り組んでいます。ここでは代表的な事例をご紹介します。

 

<米国西部での地下光ファイバーネットワックの許認可支援> 

同社は、ネバダ州、オレゴン州、カリフォルニア州の農村地域におけるインターネットアクセスの向上を目的とした、434マイル(約698キロメートル)の地下光ファイバーネットワークの構築プロジェクトにおいて、連邦および州の許認可取得を主導しました。

 

このプロジェクトは、教育格差の是正、経済的障壁の解消、社会的孤立の軽減を目指しています。

 

同社のチームは、国家環境政策法(NEPA)およびカリフォルニア州環境品質法(CEQA)に基づく許認可プロセスをリードし、部族との協議や植物、湿地、野生生物、考古学的資源に関する規制への対応を行いました。

社会的責任とガバナンスに関する取り組み

同社は、社会的責任とガバナンスの分野で多岐にわたる取り組みを展開し、地域社会への貢献と多様性・包摂性を重視した職場環境の整備に注力しています。中でも主要な取り組みを見ていきましょう。

 

<地域社会への貢献活動>

教育、芸術、健康、ウエルネス、環境の4つの柱を中心に、地域社会への支援を行っています。2023年にはこれらの分野において約780万ドルの寄付を実施し、地域社会の活性化に寄与しました。

 

また、社員のボランティア活動を支援するプログラムを通じて、社員が25時間のボランティア活動を行うごとに、同社は500ドルを該当する慈善団体に寄付しています。

 

さらに毎年開催されるイベントでは、2023年に世界中の6,199人の社員が323の組織に対してボランティア活動を行い、地域社会とのつながりを深めました。

 

(参考:https://www.stantec.com/en/ideas/topic/design-quarterly/2023-community-engagement-wrap-up)

 

<多様性と包摂性を重視した職場環境の整備>

同社は多様性と包摂性を推進するために、さまざまな取り組みを行っています。

 

例えば、世界中に7つのIDEカウンシルと97のERGチャプターを設置し、職場の多様性と包摂性の向上を図っています。これらのグループは、女性、LGBTQ+、先住民、アジア系、ラテン系、神経多様性(ニューロダイバーシティー)を持つ人々など、さまざまなバックグラウンドを持つ社員の支援を推進しています。

 

(参考:https://www.stantec.com/en/about/inclusion-diversity)

先進的な技術力と誠実な経営姿勢で持続可能な未来を目指す!

世界で最もサステナブルな企業100で8位にランクインするカナダの企業は、持続可能な設計と技術革新を取り入れた建設コンサルティングを通じて、持続可能な社会の実現に貢献しています。

 

今後も先進的な技術力と誠実な経営姿勢を武器に、同社は持続可能な未来の実現に向けて中心的な役割を果たしていくでしょう。

 

同社の事例から学んだことを、これからの行動に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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