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ドイツ発!太陽光発電システム技術をリードするサステナブル企業の取り組み
Monday, 30 June 2025

2025年、「世界で最もサステナブルな企業100」において第6位にランクインし、電気機器業界内でトップの評価を獲得しました。
今回はドイツの太陽光発電システム技術をリードする、サステナブル企業の取り組みを解説します。
ドイツ発の太陽光発電システム技術の専門企業とは?
世界で最もサステナブルな企業のトップ6に選ばれた、太陽光発電システム技術を専門とする企業は、1981年にドイツのニーステタールで設立されました。
同社は住宅用から産業用、さらには大規模な太陽光発電所向けまで、幅広い太陽光発電ソリューションを提供しています。
同社の主力製品であるインバーターは、太陽光発電システムの心臓部として発電された直流電力を交流電力に変換し、電力網への供給や家庭内での利用が可能です。これらの製品は、世界中の多様なニーズに対応するために設計されており、信頼性と効率性に優れています。
また、エネルギー管理システムや蓄電システム、電気自動車の充電ソリューションなど、再生可能エネルギーの統合と効率的な利用を支援する製品群も展開中です。これにより、個人や企業がエネルギーの自給自足を実現し、持続可能な社会の構築に貢献できるよう支援しています。

再生可能エネルギーで築く同社のサステナブルな取り組み
同社は製品のライフサイクル全体を通じてCO2排出量の削減に取り組んでおり、再生可能エネルギーの導入やエネルギー効率の向上、環境に配慮した製品設計と製造プロセスの最適化を推進しています。これらの具体的な取り組みを見ていきましょう。
<製品ライフサイクル全体でのCO2排出量削減>
製品の原材料調達から製造、使用、廃棄に至るまでの全ライフサイクルにおいて、CO2排出量の削減を目指しています。
具体的には、2025年までにインバーターの製品あたりのCO2排出量を25%削減する目標を掲げています。
この目標達成のために、製品の軽量化や材料の最適化、再生可能エネルギーの活用など、さまざまな施策を実施しています。
<再生可能エネルギーの導入とエネルギー効率の向上>
自社のエネルギー供給においても再生可能エネルギーの導入を積極的に進めています。2023年には、世界中の拠点で使用するすべての電力を再生可能エネルギーで賄うことを達成しました。
またドイツ本社では、太陽光発電システムやバイオガスを利用した熱電併給プラントを活用し、エネルギー効率の高い運用を実現しています。
さらに、製造プロセスの最適化やエネルギー効率の向上にも取り組んでおり、インバーターの製造に必要なエネルギー消費量を大幅に削減しました。
例えば、中央インバーターの製造においては、過去数年間でエネルギー消費量を50%以上削減することに成功しています。
<環境に配慮した製品設計と製造プロセスの最適化>
製品設計の段階から環境への影響を最小限に抑えることを重視しています。具体的には、リサイクル可能な材料の使用や製品の軽量化、組み立て工程の最適化などを通じて、製品の環境負荷を低減しています。
また、製品のライフサイクルアセスメント(LCA)を実施し、製品の環境性能を定量的に評価しています。
例えば、同社が開発したインバーターのLCAでは、製品のCO2排出量やエネルギー消費量を詳細に分析し、改善のための指標を明確化しています。

持続可能な資源利用を目指すリサイクル戦略
同社はサプライチェーン全体での環境負荷の低減と循環型経済の実現に向けて、包括的な取り組みを展開しています。その具体的な施策を解説します。
<サプライチェーンにおける環境基準の遵守とグリーン調達の推進>
同社はサプライヤーに対して、厳格な環境・倫理基準の遵守を求めています。2009年にはドイツのサプライチェーン管理協会が発行する、業界横断的な行動規範に署名し、2010年には独自のサプライヤー向けガイドラインを策定しました。
これには、汚職防止、独占禁止法、労働基準、環境保護、製品安全性などが含まれており、契約締結時にサプライヤーの署名が求められます。
さらに、国際的なサステナビリティー評価機関を導入し、サプライヤーの持続可能性パフォーマンスを定量的に評価している点もポイントです。
この評価への参加はサプライヤーにとって必須であり、同社はすでに取引量の約90%を占めるサプライヤーの評価を完了しています。
<製品のリサイクルと再利用の促進による廃棄物削減>
同社は製品のライフサイクル全体を通じて、廃棄物の削減と資源の再利用を推進しています。特に、インバーターの設計段階からリサイクル性を考慮し、製品の分解や再利用が容易になるよう工夫しています。
例えば、接着剤の使用を避け、ねじ止めやプッシュフィット接続を採用することで、リサイクル時の分解を容易にするなどです。
また、製品の使用後には、故障したインバーターを現場で修理することを優先し、修理が不可能な場合でも再生品を使用して交換し、回収した故障品は修理センターで再生または部品の再利用を行っています。これにより、廃棄物の発生を最小限に抑え、資源の有効活用を実現しています。

太陽光発電の革新者が描くグリーンでサステナブルな未来
ご紹介した取り組み以外にも、従業員の多様性と包摂性を重視した職場環境の整備や、地域社会への貢献活動・教育支援プログラムの実施、透明性の高い企業統治と倫理的なビジネス慣行の確立など、社会的責任とガバナンスの強化にも取り組んでいます。
太陽光発電システムの革新を通じて、環境への配慮と社会的責任を両立させるドイツの企業は、サステナブルな未来に向けて今後もさらなる発展が期待できるでしょう。
