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Urban Farmingと共通するフードフォレストとは?違いも解説

Friday, 22 November 2024

Urban Farmingと共通点のあるフードフォレストは、食の砂漠化や貧困・飢餓問題の解決策になるとして、アメリカの南部を中心に取り組みが広がっています。

フードフォレストは「食べられる森」と訳されますが、どんな目的で生まれたのでしょうか?今回はUrban Farmingとフードフォレストの共通点や違いに加え、フードフォレストで解決が期待できることやアメリカ・アトランタ市の事例を解説します。

Urban Farmingと共通点のあるフードフォレスト 

Urban Farmingとは、都市部の空き地やビルの屋上などちょっとしたスペースで行なう農業を指しますが、フードフォレストは「食べられる森」を作ることです。食べられる森で育てた野菜や果物は、地域住民が無料で収穫して食べて良いとされています。

 

そんなフードフォレストとUrban Farmingとの共通点は、持続可能な農業と食料システムの構築を目指す活動であるという点です。両者とも地域の空いた土地を有効活用し、環境や健康に配慮した栽培方法で野菜や果物、植物を育て、資源を循環利用しています。

 

また、地元で食料を生産し地元で消費するため、食料自給率の向上や食料安全保障という点においても共通しています。

 

(参考:https://ideasforgood.jp/2022/03/04/france-edible-forest/)

Urban Farmingとフードフォレストとの違い

共に持続可能な農業と食料システムの構築を目指す、Urban Farmingとフードフォレストですが、いくつか異なる点もあります。ここでは、Urban Farmingとフードフォレストとの違いを確認していきましょう。

 

<スケールの違い>

Urban Farmingとフードフォレストでは、スケールに違いがあります。Urban Farmingは、都市部のちょっとした空きスペースで比較的単純な農作業を行なうのに対して、フードフォレストは自然界のシステムやパターンを模倣し、複雑で多様な種類の植物を植えるという点が違いのひとつです。

 

コミュニティー農園を展開するUrban Farmingは、比較的広々とした環境でさまざまな種類の作物を育てますが、フードフォレストでは2,000種類を超える作物を植えるなど、規模がまったく異なります。

 

<長期的な目的の違い> 

Urban Farmingは都市環境での安定的な食料生産を目指し、短期的な収穫や販売による地域経済の活性などが主な目的であるのに対し、フードフォレストでは、持続可能で長期的なエコシステムの構築を目指している点に違いがあります。

 

また、自然の森林のような多重構造を活用し、持続可能な食料供給を目指すだけでなく、生物多様性の保全や大規模な土壌の改善も目的としているのがフードフォレストです。

 

フードフォレストは都市部に限らず郊外で実施されている点も、Urban Farmingとの大きな違いです。

 

(参考:https://uoc.world/articles/details/?id=zka2mroh-_vg

https://eleminist.com/article/1738)

Urban Farmingより広大なフードフォレストで解決が期待できること

フードフォレストは都市における食の砂漠化問題や貧困問題などを解決する可能性があるといわれています。ここでは問題の背景や、フードフォレストが食の砂漠化や貧困・飢餓問題の解決策となる理由を見ていきましょう。

 

<都市における食の砂漠化問題>

フードフォレストは、都市における食の砂漠化問題の解決策として注目されています。食の砂漠化とは、スーパーや市場が少なく住民が新鮮で健康な食品にアクセスしづらい地域のことです。

 

食の砂漠化が起きている地域では、ファーストフードやコンビニが多く、加工食品や高カロリー食品を食べざるを得ません。特に低所得者層や移動手段が限られている人の栄養不足や食習慣の悪化が問題視されています。

 

そんな食の砂漠化が起きている地域にフードフォレストを設置することで、地域住民は新鮮で栄養価の高い野菜や果物に、手軽にアクセスできるようになります。

 

<貧困や飢餓問題>

フードフォレストは、基本的に地域住民が無料で収穫できるシステムのため、貧困や飢餓問題の解決策としても期待されています。

 

商業農業のような大規模な投資が必要なく、国や自治体からの支援を受けて活動できるケースが多いため、経済的に困難な地域でも活動できるのが特徴です。

 

また、収穫物の一部は恵まれない人たちを支援する団体に寄付されるなど、社会貢献にも役立っています。

 

(参考:https://greenz.jp/2023/07/05/food_forest_2023/)

フードフォレストの代表的な事例|アメリカ・アトランタ市の現状 

Urban Farmingと共通点のあるフードフォレストは、アメリカの都市部に70以上あるといわれており、中でもアトランタ市は国内最大のフードフォレストプロジェクトを進行中です。

 

アトランタ市では、85%以上の都市住民が2022年までに自宅から800m圏内で食べ物を得られる環境にするという目標を掲げ、取り組んできました。

 

例えばブラウン・ヴィルミルズ地区に位置するフードフォレストでは、2.8ヘクタールの食べられる森が存在します。広大な森には、無農薬の薬草や果物、野菜など2,500種類以上育てられており、地域住民は無料で収穫できます。

 

食料を得られるだけでなく、心身の健康を維持しながら都市農業や環境について学び、交流を深められる場所として機能しているのが特徴です。

 

(参考:https://www.sustainablebrands.jp/news/us/detail/1202650_1532.html)

Urban Farmingとフードフォレストは都市住民の健康と環境を守る重要な手段!

Urban Farmingとフードフォレストは、共に都市部の空き地を活用し、環境に配慮して持続可能な農業と食料システムの構築を目指す点が共通しています。どちらも都市住民の健康と環境を守る重要な手段です。未来のために、これらの活動に関心を向けるところから始めていきましょう。

 

合わせて読みたい:食のサーキュラーエコノミー|個人でできることとは?

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