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Urban Farmingの栽培方法には何がある?種類をチェック
Monday, 21 October 2024
栽培環境や条件に合わせて適切な方法を選ぶのがポイントです。今回はUrban Farming
の栽培方法と特徴について解説します!
都市空間や資源を活用し、持続可能な農業を実現するUrban Farming
Urban Farmingは、主に都市部の空き地やビルの屋上、駅前の空きスペースなどで行われています。都市空間や資源を最大限に活用し、持続可能な農業を実現するというのが主な目的です。
都市環境における農地減少や食料自給率の低下、CO2排出による温暖化や大気汚染、地域コミュニティーの弱体化などの解決策としても期待が高まっています。
Urban Farmingの主な栽培方法と特徴をチェック!
ここからはUrban Farmingの栽培方法と、それぞれの特徴を見ていきましょう。
土壌栽培
土壌栽培とは、土を耕し種や苗を植えて植物を育てる栽培方法を指します。広い屋上農園や空き地などで用いられるケースが多い栽培方法です。
Urban Farmingで土壌栽培を行う際には、土壌に重金属や化学物質が含まれていないか、安全性を確認するための検査が必要です。また、堆肥や有機肥料を使って土壌改良を行う作業も必要になります。
その際には、廃棄物やリサイクル資材を使うなど、都市部で手に入る資源を有効活用し、コストの削減や環境負荷を軽減するのが一般的です。
さらに、Urban Farmingでは化学肥料や農薬を避け、有機栽培を行うことがほとんどです。これによって環境に優しく、安心・安全な食料を生産できます。
土壌栽培はコミュニティーファームに向いています。屋上農園で土壌栽培を行う際には、軽量土を使用するのがおすすめです。
(参照:街にもっと緑を・・・URBAN GREEN 屋上緑化土「かるいちばん」兼定興産株式会社)
コンテナ・プランター栽培
コンテナやプランターを使った栽培方法です。狭いスペースでも簡単に作物を栽培できるため、ベランダやバルコニー、屋上、庭先などのちょっとした空きスペースで活用されています。移動がしやすく、日当たりを調整できて便利です。小規模な野菜やハーブなどを育てるのに向いています。
(参照:ベランダで気軽に始める「コンテナ菜園」初心者向けの野菜やハーブを育てよう♪)
垂直農法
垂直農法とは、高層ビルの階層や傾斜面を利用した栽培方法のことです。垂直農法には、水と液体肥料で育てる「水耕栽培」、ハイドロボールと水で栽培する「ハイドロカルチャー」、魚の養殖と植物の栽培を組み合わせた「アクアポニックス」などの栽培方法が取り入れられています。
平たい畑とは違い、垂直に配置された棚や壁面で作物を栽培するのが特徴です。使われなくなった倉庫や輸送用コンテナなどを活用したインドアファーミングも行われています。
広い土地が無くても野菜を栽培でき、多重構造によって収穫量が増やせるのも垂直農法のポイントです。また、垂直農法では日光とLED照明を組み合わせて栽培することが多い特徴があります。
建設コストはかかりますが、天候や季節に関係なく一年中栽培できることや、水の使用量が少なくて済むのが良い点です。
以下は、垂直農法に用いられる3つの栽培方法の特徴です。
【水耕栽培(ハイドロポニックス)】
水耕栽培は土を使わず水と液体肥料で植物を育てる栽培方法で、ハイドロポニックスとも呼ばれています。地面に捉われないため、装置を重ねることで垂直農法が可能です。
天候に左右されずいつでも新鮮でおいしい野菜を安定して作れるのがメリットです。
【ハイドロカルチャー】
ハイドロカルチャーも土を使わない栽培方法のひとつです。粘土を高温で焼き上げ発砲させた、「ハイドロボール」という球体の石と、水を使って植物を育てます。
ハイドロボールは発泡錬石(はっぽうれんせき)とも呼ばれており、細かい穴が空いています。その穴に取り込まれた空気が酸素となって、植物に栄養を届けるという仕組みです。
ハイドロボールは土に比べて水量がわかりやすいため、水やりしやすいメリットがあります。また、無機質でにおいが少なく、虫も寄ってきにくいので清潔です。
ただし、根腐れを起こしやすく、根を張る野菜は育ちにくいというデメリットがあります。ハイドロカルチャーで育てるなら、バジルやミント、パセリといった葉物野菜やミニトマトなどの小さな野菜がおすすめです。
(参照:ハイドロカルチャーって何?メリットや植えつけ方法、お手入れの注意点)
(参照:ハイドロカルチャーで野菜は育つ?ハイドロカルチャー育てるおすすめの野菜)
【アクアポニックス】
アクアポニックスとは、魚の養殖と植物の水耕栽培を融合した栽培方法です。上部で野菜の水耕栽培、下部で魚の養殖を行うのが一般的です。
エサを食べた魚の排泄物には、アンモニアや亜硝酸が含まれます。これらは水槽を汚す原因物質であり、魚の飼育環境に悪影響を及ぼします。しかし、魚にとって有害なアンモニアや亜硝酸は、植物にとって貴重な栄養分なのです。
アンモニアや亜硝酸は植物の発育に利用されるため、水槽の中の水はきれいな状態を保てます。また、魚を飼育する環境で農薬は使用できないため、結果的にオーガニック栽培が実現します。
生態系を守りながら植物を栽培できるアクアポニックスは、持続可能な循環型農業システムとして注目されています。
Urban Farmingの栽培方法は条件に合わせて適した方法を選ぼう!
Urban Farmingの栽培方法には屋上農園などで用いられる「土壌栽培」、狭い場所でも栽培できる「コンテナ・プランター栽培」、室内でも収穫量が増やせる「垂直農法」があります。
これからUrban Farmingを検討している人は、環境や条件に合わせて適した方法を選んでみてください。
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