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アメリカ・NYにおけるUrban Farmingの特徴と成功事例

Wednesday, 30 October 2024

アメリカ最大の都市ニューヨーク(以下NY)では、都市の食料供給や環境改善、コミュニティー強化、地域経済の発展などさまざまな観点からUrban Farmingの取り組みが拡大しています。

NYはダイナミックな都市なだけあり、Urban Farmingも大規模な点が特徴です。今回はアメリカの大都市NYにおけるUrban Farmingの特徴や成功事例を解説します!

アメリカ・NYにおけるUrban Farmingの特徴

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アメリカのNYで広がるUrban Farmingにはいくつかの特徴があります。1つ目にNYは高密度な都市環境であるため、建物の屋上が農園として利用されることが多いという点です。世界最大級と呼ばれるファームも、屋上に存在します。

2つ目に、コミュニティーファームが発展していることです。多くの地域で地元住民によってコミュニティーファームが運営され、食料生産だけでなく地域の集まりや教育の場としても活用されています。

3つ目に、Urban Farmingのプロジェクトとして、農業や環境保護について教育するプログラムが充実していることです。こうした教育活動を通じて、NYで生活する人々に持続可能な生活様式や健康的な食生活の重要性が伝えられています。

また、建物内部で多くの食材を栽培できる垂直農業や、植物の栽培と魚の養殖を組み合わせたアクアポニックスなど効率的な食料生産を実現している点も特徴です。

さらに、自動化された灌漑システムやセンサーを使った環境モニタリングなど、最新のテクノロジーを活用しており、NYのUrban Farmingは世界の中心となってイノベーションを起こしています。

(参照:都市農業をビジネスとして成立させた屋上農園)
(参照:野菜と魚を同時に育てることで環境性と経済性の両立が可能?アメリカで先行する「アクアポニックス」の日本導入第一人者に聞く)

アメリカ・NYにおけるUrban Farmingの成功事例

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アメリカの大都市NYでは、2010年頃からUrban Farmingの活動が浸透し始めました。今ではUrban Farmingの規模も拡大しており、数々の成功事例があります。

ここからはアメリカ・NYにおけるUrban Farmingの成功事例を見ていきましょう。

6,000平米の広大な敷地を持つ屋上農園

  

NY市内のビルの屋上に6,000平米の広大な屋上農園があります。800トンもの土を運び入れ、土壌栽培で年間23トンの青果を生産しています。コンテナ栽培では使用できない耕運機を利用できるため、効率的に栽培できるというわけです。

また、ビジネスとしても成立しており、収益性を重要視している点もポイント。利益率の高い青菜やトマトなど50種類程の作物を栽培しています。

主に近隣のレストランに卸したり、ファーマーズマーケットを通して販売したりすることで、収益化しています。さらに年間を通した養蜂や自家菜園づくり、ワークショップなどを開催し、Urban Farmingの啓発を行うとともに、冬季の収益減を抑える対策もとっています。

(参照:BROOKLYN GRANGE)

NY・ガバナーズ島にある教育農園

 

マンハッタンの南端から5分ほどの場所に位置するガバナーズ島。自由の女神やマンハッタンの摩天楼などNYの絶景を満喫できる緑豊かな島では、Urban Farmingを体験を通じて学べる教育農園があります。

非営利の環境団体が主体となって運営する、5〜18歳くらいまでの子どもたちを対象とした校外学習を提供しています。生徒は野菜や果物、ハーブの栽培過程で、種まきや水やり、収穫、調理まで体験できるのが魅力です。

ファームで栽培された野菜、果物、植物はNY市内のさまざまな場所に寄付されており、4年間で20,000以上の農作物を寄付したことでNYのタイムズ紙でも紹介されました。

また、週末は一般公開されており、家族向けのアクティビティーや都市農業と栄養に関するワークショップ、寄付をベースとした農産物直売所などのイベントも行っています。

(参照:ガバナーズ島の教育庭園)

マンハッタン・ハドソン川に浮かぶサイエンスバージ

 

サイエンスバージとは日本語に訳すと「科学の船」を意味します。マンハッタンのハドソン川に浮かぶサイエンスバージは「循環温室水耕栽培」という農法を用いたインドアファームで、キュウリやトマト、レタスなどを育てています。

サイエンスバージでは、船上に設置されたソーラーパネルを使用し、風力タービンや植物由来の発電機から得られる再生可能エネルギーを利用。

温室の温度調整に再生可能エネルギーを使用しているため、カーボンニュートラルが実現しています。

水耕栽培で使われる水は、雨水や川の水をろ過して再利用しているのもポイント。また、農薬や殺虫剤は使用せずテントウムシなどの益虫を効果的に使用しています。

サイエンスバージは非営利団体が運営しており、1日3~4回、無料の講習会なども開催しているため、誰でも気軽に農法や再生エネルギーを学ぶことができるのも良い点です。

(参照:サイエンス・バージ)

NYのUrban Farmingを通して未来の食の在り方を考えよう

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NYは高いビルが立ち並ぶ空間でありながらも、ビルの屋上や川に浮かぶ船などを上手に活用して、大規模な農園づくりを実現しています。

収益性を高める工夫に加え、都市農業の方法や環境保護について学べる教育プログラムが充実しているのがNYにおけるUrban Farmingの特徴です。

こうした取り組みは、都市環境の持続可能な食料生産や食生活を支えていくことでしょう。NYのUrban Farmingを通して、未来の食の在り方について考えてみてはいかがでしょうか。
あわせて読みたい: 食品におけるサステナビリティ|食の問題と私たちができること

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