ヴィーガンは完全菜食主義のため、野菜や果物、豆類を中心に食べます。これらの食材は低カロリーで食物繊維やビタミン、ミネラルなどが多く含まれています。

一見、栄養バランスが良さそうに思えるのに、なぜ「ヴィーガンは老ける」といわれるのでしょうか。

それは、ヴィーガン食を実践している人の中に、やつれていたり、顔色がくすんで不健康そうに見えたりする人がいるからです。

ヴィーガンでこのような状態になっている人は、カロリー不足や栄養失調、血糖値が高いことが理由として考えられます。

実は、血糖値が高い人は見た目が老けてしまうといった研究結果が報告されています。オランダで行われた研究によると、高齢者約600人のうち、血糖値の高いグループは低いグループに比べ、平均で1歳年上と見られたことがわかりました。

血糖値が高いとは、食事で体内に取り込まれた糖が血液中で余っている状態。余分な糖は体内のたんぱく質と結びつき糖化反応を起こします。そしてAGEs（エージーイーズ）と呼ばれる老化促進物質を生成してしまうのです。AGEsが体内に増えると、肌や骨、血管などの組織が弾力性を失ったり、もろくなったりします。

ヴィーガン食を実践する人は、肉などを控えているため満足感を得られにくいことから、小麦や白米、砂糖など糖質が多いものを多く食べてしまいがちです。その結果血糖値が上がり、肌が老化しやすくなります。

このように、ヴィーガン食で「老ける」といわれるのは、AGEsが体内に増えてしまったことが一因と考えられます。また単純にカロリー全体が不足していたり、たんぱく質不足などの栄養失調に陥っていたりすることが考えられるでしょう。

(参照:High serum glucose levels are associated with a higher perceived age）

ヴィーガン食で老けてしまう人の原因を見てきましたが、食べ方に気を付ければ、老化しにくくすることも可能です。老けないための食べ方はヴィーガン食に限らず、どんな食事にも共通します。

ここでは老けないための食事のポイントを確認していきましょう！

GI値とは食品による血糖値の上がりやすさを示したものです。GI値の高い食品は糖質が吸収されやすく、食後の血糖値が急上昇してしまう特徴があります。

そのため、GI値55以下の低GI食品と呼ばれるものを選ぶようにしましょう。おすすめは、玄米、そば、野菜、豆類、海藻類、きのこ類です。

ちなみにお米、パン、麺類、いも類、砂糖を使ったお菓子などは、高GI値なのでなるべく控えるか、食べる場合は少量にしましょう。

食事の際に野菜から食べる「ベジファースト」を取り入れることで、血糖値の上昇をゆるやかにできます。

野菜には食物繊維が含まれているものが多く、特に水溶性食物繊維は粘り気があり腸の通過に時間がかかるため、糖の吸収を遅らせる作用があります。

水溶性食物繊維が含まれるおすすめの食材は、わかめや昆布、こんにゃく、オーツ麦などです。

ヴィーガンでも糖質の多いお菓子を食べる人はいるでしょう。しかし甘い物を食べていては、体内で老化促進物質が生成されやすくなります。そのため、間食はナッツ類を食べるのがおすすめです。

ナッツは素焼きタイプで塩分不使用のものが良いでしょう。ナッツ類には、ビタミンAやビタミンB群、ビタミンEなどが豊富に含まれています。

ヴィーガンが老けるという噂の真相に迫りましたが、結論としては「ヴィーガンだから老けるわけではない」といえます。

ただし、血糖値が高かったり、食事バランスが偏ったりすると老化しやすくなることは事実です。それはヴィーガンでない人にも言えることなので、食事の取り方には十分気をつけましょう。

今回紹介した、老けないための食事のポイントを参考に、健康な食事の取り方を心掛けてみてくださいね。

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