BLOG -SDGs and Sustainability
世界第12位のサステナブル企業!韓国のバッテリーメーカーの取り組み
Tuesday, 15 July 2025

この快挙の背景には同社の包括的なESG(環境・社会・ガバナンス)戦略があります。今回は、韓国のバッテリーメーカーのサステナブルな取り組みを解説します。
世界第12位のサステナブル企業に選出された韓国のバッテリーメーカー
世界で最もサステナブルな企業100社において、初登場第12位にランクインした韓国の企業は、ソウルに本社を置く、世界有数のリチウムイオン電池メーカーです。
2020年12月に分社化され、電気自動車(EV)用バッテリー、エネルギー貯蔵システム(ESS)、IT機器向けバッテリーなど、幅広い用途に対応する電池を製造・供給しています。
同社は世界の主要な自動車メーカーと提携し、グローバルなバッテリー市場で重要な役割を果たしています。
また、同社は持続可能なエネルギーソリューションの提供を目指し、再生可能エネルギーの活用やカーボンニュートラルの達成に向けた取り組みも推進中です。
さらにバッテリーのリサイクルや再利用を含む循環型エネルギー事業への拡大を図り、バッテリー製造を超えた包括的なエネルギーソリューションプロバイダーとしての地位を確立しようとしています。
加えて、サプライチェーン全体での持続可能性向上や社会的責任の遂行にも注力しており、これらの取り組みが国際的に高く評価されています。

サステナビリティー戦略の全体像:CHARGEビジョンとESG目標
世界で最もサステナブルな韓国のバッテリーメーカーは、2021年に「We CHARGE toward a better future」というESGビジョンを掲げ、持続可能な未来の実現に向けた戦略を明確にしました。
あわせて読みたい: サーキュラーエコノミーがカーボンニュートラルによって加速する理由
このビジョンは、環境・社会・ガバナンスの各分野での取り組みを体系的に推進するための枠組みを提供しています。その概要を詳しく見ていきましょう。
<CHARGEビジョンの概要>
「CHARGE」は、以下の8つの重要分野と4つの推進要素から構成されています。
【8つの重要分野(Critical Areas)】
1.Climate Action & Circular Economy(気候変動対策と循環型経済)
2050年までのカーボンニュートラル達成を目指し、2030年までに全事業所での再生可能エネルギー100%使用を計画しています。
2.Human Value Management(人材の価値管理)
多様性と包摂性を重視し、従業員の人権尊重と能力開発を推進しています。
3.Advanced Environmental Health & Safety(高度な環境・健康・安全管理)
安全で健康的な職場環境の構築と、環境への影響を最小限に抑える製品開発を行っています。
4.Responsible & Impactful Business(責任ある影響力のあるビジネス)
倫理的なビジネス慣行と社会への積極的な貢献を通じて、持続可能な価値を創出しています。
【4つの推進要素(Key Enablers)】
1.Good Governance(良好なガバナンス) 32
透明性と責任ある経営を実現するための制度と文化を整備しています。
2.ESG Disclosure & Communication(ESG情報の開示とコミュニケーション)123
ステークホルダーとの信頼関係を築くため、ESG関連情報の積極的な開示と対話を行っています。このように、「CHARGE」ビジョンを通じて、環境への配慮、社会的責任の遂行、そしてガバナンスの強化を包括的に推進し、持続可能な未来の実現を目指しています。
(参考:https://inside.lgensol.com/en/2022/07/lg-energy-solution-charge-towards-a-better-future/)

再生可能エネルギーとカーボンニュートラルへの取り組み
同社は持続可能な未来の実現に向けて、再生可能エネルギーの活用とカーボンニュートラルの達成を目指す取り組みを進めています。
<再生可能エネルギー100%(RE100)の達成目標>
同社は2030年までに全世界の事業所で使用する電力を100%再生可能エネルギーに切り替えることを目標としています。
この目標は、同社が2021年にRE100およびEV100イニシアチブに参加した際に掲げられたもので、既存および新設のすべての生産施設での実現を目指しています。
以下は、目標達成に向けた具体的な施策です。
- エネルギー効率の向上
- 再生可能エネルギー源の拡大
- 太陽光発電施設の設置
- 再生可能エネルギー証書(REC)の取得
- 再生可能エネルギーの電力購入契約(PPA)の締結
- 韓国電力公社(KEPCO)のグリーンプレミアムの活用
これらの取り組みにより、同社は持続可能なエネルギーへの移行を加速させています。
<2050年までのカーボンニュートラル達成に向けた取り組み>
同社は、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指しています。
以下は、目標達成に向けた具体的な施策です。
- サプライチェーン全体での炭素排出量の削減
- エネルギー効率の改善と最適化
- 代替のグリーンエネルギー源の確保
- 燃料の電気ボイラーへの転換
- 森林分野での炭素オフセットプロジェクトの実施
特に、サプライチェーンにおける炭素排出量の削減は、2050年までのカーボンニュートラル達成の鍵とされています。
そのため、同社はサプライヤーの気候変動対策を促進し、Tier-1からTier-Nまでのサプライヤーと連携して、炭素排出量の追跡と監視を行い、RE100への参加と炭素削減活動への参加を支援しています。

韓国のバッテリーメーカーが目指すサステナブルな未来
世界で最もサステナブルな韓国のバッテリーメーカーは、ESGビジョンのもと、2030年までに全世界の事業所で再生可能エネルギー100%を達成し、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを目指しています。これらは持続可能な社会の実現に向けた共創の重要性を示す取り組みです。
私たち一人ひとりが環境への配慮を意識し、日々の選択を見直すことでより良い未来を築く一助となるでしょう。
