リサイクルで地球を救う！オーストラリア企業のサステナブルな取り組み

2024年の「世界で最もサステナブルな企業」に選ばれたオーストラリアの企業は、1971年に創業し、金属リサイクルとテクノロジー循環型ソリューションを提供しています。

創業から100年以上にわたって持続可能な資源循環の実現に取り組み、現在では世界14カ国で280以上の施設を運営。4,000人以上の従業員を抱えています。

同社の企業理念は「廃棄物のない世界を創造し、地球を守る」。これをすべての事業活動の中心に捉えています。

この理念のもと、金属リサイクル事業に加え、IT資産の再利用や電子機器のリサイクル、再生可能エネルギーの活用など、多岐にわたる循環型ソリューションを展開しています。

(参考:https://www.businesswire.com/news/home/20240116164671/ja)

オーストラリアを拠点とするリサイクル企業は、カナダの調査会社による「世界で最もサステナブルな企業100」の2024年のランキングで1位を獲得しています。これは同社が過去10回選出された中で、最高位となる快挙となりました。

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今回は主に「資源管理」「再生可能エネルギーの活用」「安全性の向上」の3点で高い評価を受けました。これらは同社の企業理念である、「廃棄物のない世界を創造し、地球を守る」を体現しており、持続可能な未来への貢献が評価されたのです。

同社は「世界で最もサステナブルな企業100」に過去10回選出されており、持続可能性への取り組みが年々進化。世界的なリーダーシップを確立したことを示しています。

同社は環境への貢献と持続可能な社会の実現に向けた取り組みで顕著な成果を上げました。ここでは環境への具体的な取り組み実績を見ていきましょう。

＜約800万トンの金属リサイクルで1,160万トンのCO2排出量を回避＞

2023年度には約800万トンの鉄・非鉄金属をリサイクルしています。この取り組みにより、約1,160万トンのCO2排出を回避することができました。これは、リサイクル素材を使用することで、原材料の採掘や精錬に伴うエネルギー消費と温室効果ガスの排出を大幅に削減できることを示しています。

(参考:https://www.simsltd.com/press-releases/sims-limited-named-worlds-most-sustainable-corporation/)

＜北米全事業所で100％再生可能エネルギーを使用＞　　

2023年4月には、北米の全事業所において100％再生可能エネルギーへの切り替えを完了しました。これにより、2020年度比で年間約27,000トンのCO2排出削減を実現しています。

この取り組みは、同社の脱炭素化戦略の一環であり、2030年までに全事業所でカーボンニュートラルを達成するという目標に向けた重要なステップとなっています。

(参考:https://www.simsltd.com/blog/2023/renewable-energy-target/)

＜3年連続で「過去最も安全な年」を達成＞　

同社は2023年度において、3年連続で「過去最も安全な年」を達成しました。事故発生前のリスクを特定し、予防的な対策を講じることで安全性の向上を図っています。このような取り組みは、従業員の健康と安全を守るだけでなく、持続可能な企業運営の基盤を築く上でも重要です。

これらの成果は、環境保護と持続可能な社会の実現に向けて具体的かつ効果的な取り組みを行っていることを示しています。

(参考: https://www.businesswire.com/news/home/20240116164671/ja)

同社は、循環型経済の実現に向けて、革新的なプロジェクトを展開しています。以下の取り組みは、従来廃棄物として処理されていた自動車シュレッダーダスト(ASR)を再資源化し、持続可能な社会の構築を目指すものです。

このプロジェクトの概要や取り組み内容を見ていきましょう。

＜プロジェクトの概要と目標＞　　

このプロジェクトは、従来は埋め立て処理されていた、自動車や家電製品のリサイクル後に残るプラスチック、布、断熱材、ゴム、木材などの混合物であるASRを再資源化することで、廃棄物の削減と資源の有効活用を図ることを目的としています。

ASRを再資源化し、年間100万トン以上のASRを有用な製品に変換することを目指しています。

＜廃棄物から水素燃料などの有用製品を生成する技術革新＞　

同プロジェクトは、先進的なプラズマガス化技術を活用して、ASRを高温で分解し、水素ガスや食品グレードの二酸化炭素、建設資材として利用可能なガラス状の副産物を生成しています。

この技術は、従来のリサイクル手法では処理が難しい有機性廃棄物にも適用可能であり、廃棄物の再資源化を促進するといわれています。

＜埋め立て地への廃棄物削減と資源の再利用促進＞　

同プロジェクトの取り組みにより、従来埋め立て処分されていたASRの再資源化が進み、埋め立て地への廃棄物量が大幅に削減されます。

また、生成された水素ガスや建設資材は、再生可能エネルギーやインフラ整備に活用され、資源の循環利用が促進されます。

2030年までに世界各地に複数の施設を建設し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指してプロジェクトを推進中です。

(参考:

https://www.simsltd.com/blog/2021/3-ways-sims-limited-is-committed-to-sustainability/)

ご紹介してきた取り組み以外にも、従業員の安全と多様性の推進、サプライチェーン全体での持続可能性の確保など、社会的責任やガバナンスに関する取り組みも積極的に行っています。

こうした多角的な取り組みが評価され、同社は持続可能性の分野で世界的なリーダーシップを発揮しています。

持続可能な未来への道筋を示す模範的な例を学び、私たち一人ひとりがどのようにしてこのビジョンに貢献できるかを考えることが、今後の社会にとって重要な課題となるでしょう。