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サーキュラーエコノミーがカーボンニュートラルによって加速する理由

Monday, 18 March 2024

二酸化炭素を含む、温室効果ガスの排出ゼロを目指す「カーボンニュートラル」。これによって循環型経済を意味する「サーキュラーエコノミー」への移行が加速しているといわれています。その理由にあるのが、それぞれの関係性の強まりです。

今回は、サーキュラーエコノミーとカーボンニュートラルそれぞれの基本概念や、サーキュラーエコノミーがカーボンニュートラルによって加速する理由と具体例をわかりやすく解説します!

サーキュラーエコノミーとカーボンニュートラルそれぞれの基本概念

そもそもサーキュラーエコノミーとカーボンニュートラルは、それぞれどんな概念を持つのでしょうか?ここでは、それぞれの基本概念について確認していきましょう。

<サーキュラーエコノミーとは?>

サーキュラーエコノミーとは、資源を循環させ、廃棄物を出さない経済システムを目指す概念です。2015年にEU諸国で発表されて以来、日本を含む先進国を中心にサーキュラーエコノミーを目指す取り組みが進められてきました。

サーキュラーエコノミーが求められている背景には、地球が抱えている気候変動や資源枯渇などの問題があります。従来の大量消費・大量生産の経済システムでは、資源を消費し続け、物の生産や廃棄処分をする際の温室効果ガスの排出が抑えられず、気候変動を促進させてしまいます。

こうした経済システムは終わりにして、資源を循環させ廃棄物を出さないサーキュラーエコノミーの経済システムに移行することが、持続可能な社会を築く上で重要だと考えられているのです。

<カーボンニュートラルとは?>

カーボンニュートラルとは、二酸化炭素(CO2)を含む温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質ゼロにすることを指します。別の言い方で「脱炭素」と呼ばれることもあります。

2015年にパリ協定が採択され、世界の平均気温の上昇を工業化以前(1850~1900年)と比較して2℃より低く維持すると共に、1.5℃以内に抑えることを世界共通の長期目標として定めました。

それに伴い、日本を含む世界各国が「2050年までにカーボンニュートラルを実現する」という目標の達成に向けて、温室効果ガス排出量削減などの取り組みを進めています。

2050年というタイムリミットは、地球温暖化研究機関の国連内組織IPCC(気候変動に関する政府パネル)が定めた期限です。

2050年までにカーボンニュートラルを達成しないと、地球の温度が上がり過ぎて人々が暮らせる状態ではなくなる可能性があるとして、取り組みの重要性が叫ばれています。

(参照:https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/)

サーキュラーエコノミーがカーボンニュートラルによって加速する理由

サーキュラーエコノミーとカーボンニュートラルは、これまで個々に取り組みが進められていました。

しかし「2050年までにカーボンニュートラルを実現する」という目標が明確になったことで、脱炭素社会に向けた取り組みが急務となり、双方の関係性が深まりました。その結果、サーキュラーエコノミーの浸透や取り組みが加速したのです。

例えば、カーボンニュートラルを達成させるには、資源の消費を抑え、資源の効率化が重要です。

従来の経済システムではなく、資源を循環利用して廃棄物を出さない経済システムのサーキュラーエコノミーが不可欠といえます。

このようにカーボンニュートラルを目指すことで、サーキュラーエコノミーの重要性が高まり、取り組みが加速していくというわけです。

また、同時にカーボンニュートラルも前進するきっかけになります。なぜなら、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、再生可能な資源や廃棄物を極力出さない商品開発が推進されていくからです。双方の関係性が深まったことにより、相乗効果が生まれています。

(参照:
https://toyokeizai.net/articles/-/605749
https://cehub.jp/circular-economy-climate/
https://www.chubu.meti.go.jp/a32kikaku/kizashi/20220714/kizashi_report2.pdf)

カーボンニュートラルによってサーキュラーエコノミーが加速する具体例

ここでは金属資源を例に、カーボンニュートラルによってサーキュラーエコノミーが加速する具体例を見ていきましょう。

金属資源は、リサイクルによって得られる「二次資源」への移行が加速すると予測されています。その流れは次の通りです。

脱炭素化が求められ、二酸化炭素を排出しない電気自動車の需要が高まります。電気自動車の製造には、銅やレアメタルなどの資源が必要です。これらの資源は獲得競争が激しくなるため、価格高騰や供給リスクが増大すると予想されます。

また、採掘や素材の製造でCO2排出量の多い金属は、炭素に価格をつけて取り引きする「カーボンプライシング」の導入によって、価格が高騰します。こうした獲得競争や価格高騰によって、天然資源の入手が困難になり、価格や供給など相対的な面でも二次資源の優位性が高まるのです。

天然資源から二次資源へ価値の転換が起こり、その結果、金属資源を取り扱う産業が二次資源をサプライチェーンに取り込むという構造変化が起き、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行が進むと考えられています。

(参照:
https://www.jogmec.go.jp/content/300371541.pdf
https://energy-shift.com/navi/fd2a0716-5f13-4077-bbbb-d229376c0951
https://www.mri.co.jp/knowledge/mreview/2021113.html)

サーキュラーエコノミーの実現とカーボンニュートラルの達成には相乗効果が近道!

CO2を含む温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを2050年までに達成させるためには、資源を循環利用し、廃棄物を出さないサーキュラーエコノミーへの移行がカギとなります。

カーボンニュートラルの達成を目指すことで、サーキュラーエコノミーは今後ますます加速していくといえるでしょう。企業だけでなく一人ひとりの意識の変革も重要です。「CO2を排出させない」「廃棄物を出さない」といった意識を持って、生活していきましょう。

あわせて読みたい: SDGs7:エネルギーをみんなに。そしてクリーンに|現状と課題

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