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食のサーキュラーエコノミーの実現へ➀|食品廃棄物削減の取り組み

Friday, 22 March 2024

世界では、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品廃棄物が、年間13億トンにも及ぶといわれています。

食品ロス問題を解決するには、食のサーキュラーエコノミーが急務です。今回は食のサーキュラーエコノミー実現に向けた対策のひとつである、食品廃棄物削減の取り組み事例を解説します!

(参照:https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2010/spe1_01.html)

食のサーキュラーエコノミーを実現するためのポイントは2つ

食のサーキュラーエコノミーとは、本来廃棄されるはずの食品を有効利用して、可能な限り廃棄物を出さない食のシステムを指します。食のサーキュラーエコノミーを実現するポイントは、以下の2つです。

1. 食品廃棄物を可能な限り出さない設計にすること (食品廃棄物の削減)
2. 食品廃棄物を資源として再利用すること (食品廃棄物の再資源化)

1は、農作物や食品を生産、加工する上で廃棄物を出さないデザイン設計にすることで、食品廃棄物を未然に防ぐのが目的です。

2は、出てしまった食品廃棄物を捨てるのではなく、再び食品として再利用したり、食品以外の原材料に利用したりすることです。

(参照:https://cs2.toray.co.jp/news/tbr/newsrrs01.nsf/0/8DD3C26CF91818CF49258825002F9801/$FILE/K2204_020_029.pdf)

食のサーキュラーエコノミー実現にはテクノロジーを用いた「フードテック」が鍵に

先述した2つのポイントに対して、フードテックを活用した取り組みが鍵になっています。フードテックとは、最新のテクノロジーを駆使して、新しい食品や生産法、調理法の開発などを行うことです。

生産から加工、販売、消費の過程で、フードテックを活用した取り組みが進められています。フードテックは食に関するさまざまな問題を解決し、食への新たな可能性が広がるとして注目されています。

(参照:https://wisdom.nec.com/ja/article/2019112901/index.html#anc-01)

食品廃棄物削減に向けた取り組み事例

食のサーキュラーエコノミーを実現するための2つのポイントをお伝えしましたが、ここでは「食品廃棄物削減」に対するフードテックを活用した取り組み事例をご紹介します!

<昆虫食>

昆虫食とはコオロギやハチの幼虫、イナゴといった昆虫を食べることです。昆虫食は環境面や栄養面で多くの利点があります。

例えば、イナゴはたんぱく質が70%で脂肪が10%以下のため、肉や魚に変わる貴重なたんぱく源として注目されています。また、昆虫食は栄養価が高い上、可食部が100%なので無駄なく食べられるのがメリットです。

さらに、昆虫は食品廃棄物を飼料として育ち、家畜に比べて生産過程での温室効果ガスの排出量が格段に少ないとされています。昆虫食は、食品廃棄物削減に大いに貢献できるとされ、昆虫食の商品化が進んでいます。

(参照:https://ideasforgood.jp/glossary/insectfood/)

<食材を丸ごと使った商品の開発>

普段は廃棄されることの多い、野菜の皮や芯などの部分を丸ごと生かした商品の開発も、食品廃棄物削減の取り組みのひとつです。

例えば果物や野菜の皮、枝豆のさや、トウモロコシの芯などを丸ごと使い、ペーストにして麺に練り込むほか、スティック状にした食品があります。

食品加工する上で廃棄される皮や芯は意外にも多く、食品ロスの一因です。食材を丸ごと使うことで、食品ロス削減につながります。

<AIを使った農作物の収穫予測>

AI(人工知能)を使った農作物の収穫予測を行う取り組みが注目されています。従来は気象データや経験をもとに収穫予測が行われていましたが、限定的で不確実な場合もあることが問題視されていました。

しかし、AIを使うことで大量のデータを解析し、複雑なパターンを見つけ出せるため、より確実な収穫予測が可能になったのです。

これによって、生産計画の最適化や品質の向上、自然災害によるリスクの低減につながり、食品廃棄物削減に貢献しています。

(参照:https://www.tifana.ai/article/predict-article-0211)

<植物工場での栽培>

「植物工場」では、害虫や異常気象など外的要因の影響を受けることなく、室内で植物を生産できます。グリーングロワーズのレタスも植物工場で栽培されている農作物のひとつです。

植物工場は天候や害虫に左右されないため、生産性を高めることができます。また、気象災害や害虫被害による廃棄の心配がありません。

植物工場があれば、通常では栽培に向かない地域でも農作物を栽培できる点もメリットです。

(参照:U.S.M.Hの植物工場 THE TERRABASE土浦)

<容器包装の高機能化による賞味期限の延長>

無菌包装技術によって常温で保存できる高機能な包装容器が、発酵シートを用いた肉や魚の熟成によって、賞味期限の延長が実現しています。従来よりも食材が長持ちすることで、食品ロスが軽減できる取り組みです。

(参照:https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/youki/attach/pdf/index-65.pdf)

<スマート家電による冷蔵庫内の在庫管理>

スマート家電による冷蔵庫内の在庫管理が可能になり、食品廃棄物削減につながっています。例えばスマート家電の冷蔵庫では、重量を検知するプレートや、カメラで冷蔵庫内の食品の在庫管理や自動発注、賞味期限が近づくと通知してくれる機能などがあります。

スマート家電の在庫管理によって、買い過ぎを防ぎ、賞味期限切れの食品廃棄を防止できるのが良い点です。

食のサーキュラーエコノミー実現に向けて、できることから始めてみよう!

世界的な問題である食品ロスを解決するには、食のサーキュラーエコノミーが不可欠とされています。

実現するためには、フードテックを活用した「食品廃棄物削減」と「食品廃棄物の資源化」がポイントです。

今回は食品廃棄物削減に関する取り組みをご紹介しましたが、私たち一人ひとりが食品廃棄物を削減するよう、行動することが大切です。

食のサーキュラーエコノミーの実現を目指して、ぜひ自分にできることから始めていきましょう!

あわせて読みたい: 食品ロス削減に貢献するアップサイクル食品とは?事例もチェック

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