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ユキヒョウが気候変動や人による密猟などの影響で絶滅危惧種に?

Tuesday, 02 January 2024

ヒマラヤなど世界で最も高い地域に生息するユキヒョウ。今、気候変動や人による密猟などの影響で、絶滅の危機に瀕している野生動物のひとつです。とはいえ、ユキヒョウと聞いてもどんな動物なのかいまいちピンとこない人も多いかもしれません。

そこで今回は、ユキヒョウの特徴や絶滅危機に瀕している理由、ユキヒョウを守るための活動などを解説します!

ユキヒョウってどんな動物?

ユキヒョウはネコ科の大型野生動物で、ロシア・モンゴル・中国・カザフスタンなど12カ国にまたがって生息しています。

ヒマラヤなど標高6,000メートル級の高く険しい山で暮らしているため、人が立ち入りにくく生態に関する情報が得られにくいことから「幻の動物」とも呼ばれています。

しかし近年では調査機材の進化や分析技術の進歩によって、ユキヒョウの生態が徐々に解明され、個体数の減少が明らかになりました。そして、現在ユキヒョウの推定個体数は約4,000頭とされ、絶滅危惧種に認定されているのです。

(参照:ユキヒョウを通じて人と野生をつなぎ、野生動物との豊かな共存への道を考える〜まもろうPROJETC ユキヒョウ)
(参照:地球温暖化ですみかを追われる「幻の動物」ユキヒョウ 10月23日「世界ユキヒョウの日」にWWFが保護を訴える)

ユキヒョウが絶滅危機に瀕している理由

なぜ、ユキヒョウの個体数が絶滅危機になるほど減少しているのでしょうか。それには主に2つの理由があります。それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。

人による密猟や軋轢(あつれき)


1つ目の理由は、人による密猟や軋轢です。ユキヒョウは毛皮を目的とした密猟によって、生息数が減少しているといわれています。ワシントン条約で毛皮の商業取引は禁止されていますが、密猟があとを絶たない背景には現地の人の低い収入が関係しています。

また、ユキヒョウが獲物とするアイベックスなどが密猟されることも、ユキヒョウの個体数が減少する原因のひとつです。

さらに、ユキヒョウの生息地では家畜の放牧が盛んですが、ユキヒョウが家畜を襲うようになったため、人による報復殺によって減少する事態が起きています。地域住民との軋轢が原因で殺されるユキヒョウは少なくありません。

ユキヒョウが家畜を襲う原因は、ヒツジなどの家畜の過剰な放牧によって餌となる草食動物が減少したからだと考えられています。

(参照:世界ユキヒョウの日:ユキヒョウの未来を守る女性たち)

気候変動による環境の変化


2つ目の理由は、気候変動による環境の変化です。ユキヒョウが生息する場所は標高が高いため、草木が生えない森林限界と呼ばれる崖のような環境です。

しかし、気候変動による著しい気温上昇によって、これまで寒くて育つことができなかった植物が育ち、緑で覆われるようになるなど植生に変化が生じる可能性があります。それによって、ユキヒョウの生息に適した環境が減少すると考えられているのです。

また、気候変動による気温の上昇は、ユキヒョウが餌とする大型のヤギやヒツジなどの生息にも影響を与える恐れがあります。

WWFの報告では、地球温暖化への対策を講じなければユキヒョウの生息地は現在の3分の1まで減少する可能性があるとされています。

(参照:地球温暖化による野生生物への影響)

ユキヒョウを絶滅から守るための活動 

ユキヒョウを絶滅の危機から救うために、環境保全団体のWWFをはじめ、絶滅危惧種の保全活動を行う任意団体などが、ユキヒョウの調査と保護活動を行っています。

モンゴルやキルギス、インドなどで活動する現地のユキヒョウ保全団体と協力して生態調査を行ったり、ユキヒョウの痕跡がある場所に赤外線カメラを設置し、ユキヒョウの姿を撮影して動画や写真を動物園での教育展示に提供したりする活動が行われています。

また、JICA(国際協力機構)の「一村一品プロジェクト」に賛同し、現地の女性たちに羊毛を使った伝統的な手法でユキヒョウグッズを手作りしてもらい販売するといった支援も、ユキヒョウの保全につながる取り組みのひとつです。

現地の女性たちが収入を得られる仕組みを作ることで、過放牧や密猟に頼らずに生活できるようになり、自然環境への意識を変えていくことを目的としています。

(参照:ユキヒョウを通じて人と野生をつなぎ、野生動物との豊かな共存への道を考える〜まもろうPROJETC ユキヒョウ)
(参照:一村一品・イシククリ式アプローチの他州展開プロジェクト)
(参照:世界ユキヒョウの日:ユキヒョウの未来を守る女性たち)

ユキヒョウの絶滅を防ぐために私たちができること 

ユキヒョウは人による密猟や家畜が襲われたことに対する報復殺、また気候変動による環境変化によって個体数が減少し、絶滅が危惧される状態になっています。

「ユキヒョウが減少したからといって私たちの生活には関係ない」と思う人もいることでしょう。しかし、ユキヒョウの減少は人間による影響といっても過言ではありません。

人間によって自然界のバランスが崩れた結果の個体数の減少は、将来的に私たちの生活にどう影響してくるかはわからないものです。

ユキヒョウの絶滅危機は地球環境の変化を意味しており、人間はこの状況に向き合う必要があります。私たちができることは、気候変動による環境変化が進まないように対策をとることです。一人ひとりが温室効果ガスの排出を減らす努力をすることで、気候変動を抑えることにつながります。

また、ユキヒョウを守るプロジェクトを実行する団体に寄付をして支援するのも良いでしょう。ぜひユキヒョウを通して環境問題について考え、自分にできる行動を起こしてみてはいかがでしょうか。

(参照:まもろうPROJECT って、なぁに?)

あわせて読みたい: 気候変動の影響でホッキョクグマが絶滅の危機に?!

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