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環境中の化学物質がアレルギーの発症を増やしている?その理由とは

Tuesday, 07 March 2023

現在日本では国民の2人に1人が何らかのアレルギー性疾患に悩まされていることがわかっています。近年アレルギー疾患が急増している原因として考えられているのが、身近な環境中の化学物質です。

今回は、環境中の化学物質によってアレルギー疾患が増えているといわれる理由や、化学物質がどれだけ私たちの生活に身近であるかについて解説します。

(参照:アレルギー疾患の現状等)
(参照:アレルギー性疾患への環境化学物質の影響)

そもそもアレルギーとは?

そもそもアレルギーとは、体内に備わっている免疫機能が現代における環境や生活スタイルの変化によって異常を起こし、くしゃみや呼吸困難、発疹などの症状を引き起こすことをいいます。

アレルゲンには食べ物、動物、花粉、ダニなど多くの原因物質が存在し、アレルゲンが体内に入ると異物とみなして排除しようとして起こる反応が、アレルギー症状です。

アレルギー疾患には、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎(花粉症)、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、薬剤・動物アレルギーなど、さまざまな種類があります。

(参照:アレルギーについて

アレルギー疾患を持つ人が増えている原因は化学物質?

アレルギー疾患の主な原因は、遺伝因子や環境因子といわれていますが、遺伝因子は急速に変化することはないとされています。

また、開発途上国よりも先進国の方がアレルギー患者の有症率が高いなどの理由から、近年アレルギー疾患が増えている原因は環境因子によるものだと考えられています。

環境因子の変化として挙げられるのが、住環境や食環境、衛生環境などに関わる環境化学物質の増加です。

化学物質などの汚染物質が生活空間や大気中に放出され、人体に影響を及ぼし、アレルギー疾患を発症させたりアレルギーの症状を悪化させたりしていると考えられているのです。

(参照:環境化学物質がアレルギーに及ぼす影響とメカニズムの解明 にむけて

私たちの生活に身近な化学物質

文明の発展に伴い、化学物質は私たちの身近なところに存在するようになりました。具体例を見ていきましょう。

(参照:アレルギー性疾患への環境化学物質の影響)

木材や建材、壁紙や塗料などに使われる化学物質

居住環境の変化に伴って、木材や建材に使われる防腐剤や、防虫を目的とした薬剤、壁紙や塗料、接着剤などにも化学物質が含まれたものが使われるようになりました。

また、家具にも化学物質が含まれているものが多く、目には見えない形で私たちの生活空間に存在するようになりました。

食環境による化学物質

食が多様化したことでさまざまな添加物(化学物質)を含んだ食品を食べる機会が増えました。また、使い捨て食器やプラスチック製保存容器などにはプラスチックをやわらかくするための可塑剤(かそざい)として、数種類の化学物質が使われています。

抗菌グッズに含まれる化学物質

感染症対策などの衛生環境の変化により抗菌グッズが増加しましたが、これには抗生物質や抗菌化学性物質が含まれています。

悪質なケースでは、殺菌はできるものの人体への影響が懸念される物質を使っている商品もあります。

(参照:除菌や消毒をうたった商品について正しく知っていますか?-新型コロナウイルスに関連して-

大気・水・土壌に含まれる化学物質

工場から排出されるばい煙や車の排気ガスなど、大気中にはさまざまな種類の化学物質が放出されています。

大気汚染物質のPM2.5は髪の毛の太さの30分の1程度しかないため、肺の奥まで入りやすく、呼吸器官や循環器系に影響を及ぼす可能性があります。

(参照:1.微小粒子状物質(PM2.5)とは)

アレルギーを悪化させる可能性のある健康問題

化学物質が原因とされる環境由来の健康問題は、アレルギー以外にもあり、それらはアレルギーを悪化させる可能性があるといわれています。具体的にどのような健康問題があるのか見ていきましょう。

シックハウス症候群


シックハウス症候群とは、建材や家具などに使われている化学物質や、カビ・ダニなどの汚染物質を吸い込むことで発生する健康被害を指します。

シックハウス症候群になると、目がチカチカする、頭痛、吐き気、鼻水、湿疹など人によってさまざまな症状が起こります。

住宅の高気密化・高断熱化が進んだ一方で、室内の換気がしにくくなり化学物質による空気汚染が起こりやすくなっているのが原因のひとつといわれています。

また、換気できないと湿度が高くなるため、細菌やダニ・カビが発生しやすくなりアレルギーが悪化しやすくなるという悪循環が生まれてしまいます。

(参照:シックハウス対策のページ)

化学物質過敏症

化学物質過敏症とは、建材や塗料、接着剤などのほか、家庭用の殺虫剤、芳香剤、衣料用洗剤やシャンプーなどに含まれる、特定の化学物質に対して過敏に反応しさまざまな症状が出る疾患をいいます。

例えば、頭痛や吐き気、のどの痛み、目がチカチカするなど、人によって症状が違います。同じ空間にいて何も感じない人もいれば、敏感に反応する人もいるなど、個人差があるのが特徴です。

また、アレルギー反応や喘息を誘発する可能性もあるため、周囲の理解が必要になります。

(参照:化学物質過敏症をご存知ですか?~困っている人がいます~)

環境化学物質から身を守り、アレルギー症状を悪化させないようにしよう

文明が発展した今、私たちの身近なところにも化学物質は潜んでいます。化学物質は目には見えないものですが、健康に影響がある症状が出ている人が多く存在し、アレルギー疾患を持つ人を増加させている可能性があることも否めません。

社会的に化学物質への規制が必要なのはもちろんですが、自分にできることで化学物質から身を守る対策も不可欠です。

今アレルギーで悩まれている方は、住環境においては換気を良くして空気汚染を防ぎ、身近な生活用品では化学物質ができるだけ使われていないものを選ぶなど、アレルギー症状が悪化しないような環境づくりが大切です。

化学物質から身を守り、自分や家族の健康を守っていきましょう。

あわせて読みたい: 花粉症と風邪の見分け方は?早めの花粉症対策で春に備えよう

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