現在日本では国民の2人に1人が何らかのアレルギー性疾患に悩まされていることがわかっています。近年アレルギー疾患が急増している原因として考えられているのが、身近な環境中の化学物質です。
今回は、環境中の化学物質によってアレルギー疾患が増えているといわれる理由や、化学物質がどれだけ私たちの生活に身近であるかについて解説します。
(参照:アレルギー疾患の現状等)
(参照:アレルギー性疾患への環境化学物質の影響)
そもそもアレルギーとは、体内に備わっている免疫機能が現代における環境や生活スタイルの変化によって異常を起こし、くしゃみや呼吸困難、発疹などの症状を引き起こすことをいいます。
アレルゲンには食べ物、動物、花粉、ダニなど多くの原因物質が存在し、アレルゲンが体内に入ると異物とみなして排除しようとして起こる反応が、アレルギー症状です。
アレルギー疾患には、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎(花粉症)、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、薬剤・動物アレルギーなど、さまざまな種類があります。
(参照:アレルギーについて)
アレルギー疾患の主な原因は、遺伝因子や環境因子といわれていますが、遺伝因子は急速に変化することはないとされています。
また、開発途上国よりも先進国の方がアレルギー患者の有症率が高いなどの理由から、近年アレルギー疾患が増えている原因は環境因子によるものだと考えられています。
環境因子の変化として挙げられるのが、住環境や食環境、衛生環境などに関わる環境化学物質の増加です。
化学物質などの汚染物質が生活空間や大気中に放出され、人体に影響を及ぼし、アレルギー疾患を発症させたりアレルギーの症状を悪化させたりしていると考えられているのです。
(参照:環境化学物質がアレルギーに及ぼす影響とメカニズムの解明 にむけて)
文明の発展に伴い、化学物質は私たちの身近なところに存在するようになりました。具体例を見ていきましょう。
(参照:アレルギー性疾患への環境化学物質の影響)
化学物質が原因とされる環境由来の健康問題は、アレルギー以外にもあり、それらはアレルギーを悪化させる可能性があるといわれています。具体的にどのような健康問題があるのか見ていきましょう。
文明が発展した今、私たちの身近なところにも化学物質は潜んでいます。化学物質は目には見えないものですが、健康に影響がある症状が出ている人が多く存在し、アレルギー疾患を持つ人を増加させている可能性があることも否めません。
社会的に化学物質への規制が必要なのはもちろんですが、自分にできることで化学物質から身を守る対策も不可欠です。
今アレルギーで悩まれている方は、住環境においては換気を良くして空気汚染を防ぎ、身近な生活用品では化学物質ができるだけ使われていないものを選ぶなど、アレルギー症状が悪化しないような環境づくりが大切です。
化学物質から身を守り、自分や家族の健康を守っていきましょう。
あわせて読みたい: 花粉症と風邪の見分け方は?早めの花粉症対策で春に備えよう