ここ数年でよく耳にするようになった、『サステナブル』という言葉。けれども、いまいちよくわからないという人もいるかもしれません。サステナブルとは、『持続可能な』という意味。この言葉を使った目標や取り組みには、「社会や環境、経済を未来の世代にもつなぎ、安心して暮らせる世の中をつくっていこう」という願いが込められています。

今、世界の人々が立ち上がり、この目標の実現に向かって動き始めているのです。

＜サステナブルな社会を目指す理由＞

世界中がサステナブルな目標や取り組みを始めた背景には、地球の温暖化による異常気象や人口増加による環境破壊など、世界で起こるあらゆる問題が関係しています。また、これまでの消費型社会、経済の論理では、地球はもたなくなるとも言われています。
サステナブルな社会を目指すためには、目先の利益や便利さを優先して環境を壊したり、資源を使い過ぎたりしてはなりません。さらに、人権や暮らしなど地球規模で解決していかなければならない課題も多いと言えます。
しかし、誰もが笑顔で心地良く暮らせる未来をつくるためには、国や企業だけでなく、ひとりひとりが関心を持ち行動を変えていくことが大切なのです。

＜未来のために今私たちができること＞

地球のために……と聞くと「自分には何ができるのだろうか」と考えてしまうかもしれません。しかし、そこまで難しくとらえる必要はありません。日々の暮らしの中にこそ、サステナブルを取り入れられるヒントがあります。
とはいえ、一気に全てを変えるのではなく、自分に興味や関心があること、また楽しく取り組めることから始めるのがポイントです。ひとりひとりの小さな積み重ねが、未来の地球や生命を支えることにつながっていくでしょう。

ここでは誰でも簡単に取り組める、サステナブルな夏の過ごし方について紹介します。
全てを取り入れようとせずに、まずはできることから実践してみてくださいね。

＜①マイボトルで水分補給を！＞

日差しの暑い夏、外出時にも水分補給は欠かせないですよね。そんな時には、タンブラーや水筒などのマイボトルを持参するようにしましょう。
プラスチックカップやプラスチックストローの使用を避けることで、ゴミを減らすことができます。加えて、マイボトルならいつでも冷たい飲み物が楽しめるといったメリットもあります。

＜②マイバッグを持参して買い物へ＞

買い物へ行く時にはマイバッグを持って出掛けましょう。プラスチックカップやストローと同様に、レジ袋はプラスチックゴミの一種です。
捨てられたゴミが雨や風によって河川に運ばれ、最終的に海へとたどりつきます。そして、プラスチックが紫外線などによって細かく砕けてマイクロプラスチックとなり、魚がえさと間違えて食べてしまうといった問題が起こっているのです。
有害物質が魚の体に取り込まれ、それを食べた人間にまで影響を及ぼす可能性があります。ですから、マイバックを使用することで問題解決へ一歩近づくことでしょう。

＜③食材は買い過ぎない＞

夏休み、特にお子さんがいるご家庭は何かと食材が必要ですよね。しかし、食材の買い過ぎにはくれぐれも注意しましょう。たくさんの食材を冷蔵庫の奥にしまい込み、そのまま使うことなく腐らせてしまう恐れもあります。
やむなく捨てるといったことにならないよう気をつけましょう。この心がけがフードロスを防ぐことへとつながります。また、冷蔵庫に物を詰め込み過ぎないだけで、節電になりますよ。

＜④エアコンの使い方を工夫して節電を＞

夏はエアコンを頻繁に使いますよね。エアコンのフィルターをこまめに掃除することで、効きが良くなり節電になります。
また、外出先から帰宅した時には一度窓を開け部屋にこもった空気を逃がすのがおすすめです。こうすることで、暑い部屋を効率良く冷やすことができ節電になります。節電によって、CO2(二酸化炭素)の排出を減らし、地球温暖化を防ぐことへとつながるのです。

＜⑤サステナブルなファションを楽しむ＞

化学繊維などを使用せず、オーガニックコットンで作られた服を選んでみませんか。天然由来で環境や肌にやさしく、着心地の良さも特徴です。
大量生産されたファストファッションは、確かに価格の安さが魅力ですが、その裏には劣悪な条件で働かされている途上国の子どもたちや、立場の弱い生産者の姿があることを忘れてはいけません。
「ちょっと良い物を選び、長く大切に着る」そんな意識を持ってファッションを楽しむことで、救われる人たちがいるということを覚えておきましょう。

＜⑥オーガニック野菜や旬の果物を味わう＞

着るものだけでなく、野菜や果物もオーガニックなものを選ぶことで、エシカル消費につながります。エシカル消費とは、地球環境や人、社会や地域に配慮した製品やサービスを選んで消費する活動のことです。
オーガニックの野菜や果物は化学肥料や農薬を使っていないため、生産者の健康被害を防ぐことができます。また、農地へのダメージが少ないこともメリットです。そしてなにより、新鮮で美味しいこと。素材本来の甘みやうま味を堪能できます。
今が旬の夏野菜にはレタスやトマト、きゅうりにゴーヤ、果物ではスイカや桃、メロンなどがあり、一年で最も美味しい時期です。旬のオーガニック野菜や果物を取り入れることで、体も喜ぶことでしょう。

これまでサステナブルについてよく知らなかった人も、関心を持っていただけたのではないでしょうか。まずは、身近なことから1つでも良いので取り入れてみることをおすすめします。そうすることで、自分の心がより豊かになっていくのを感じることでしょう。

自分にも地球にも優しくなれるサステナブルなライフスタイル。ぜひ、あなたもこの夏から始めてみませんか。