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SDGs達成に向けた名古屋市の取り組み|活発な理由も解説
Wednesday, 08 January 2025
また、歴史的な建造物や文化財があることに加え、活発な都市開発が進み、話題の商業施設も多いのが特徴です。
そんな名古屋市は、SDGsの取り組みも活発であるとして注目されています。今回は、名古屋市でSDGsの取り組みが活発な理由や、主なSDGsの取り組みを解説します。
名古屋市でSDGsの取り組みが活発な理由
名古屋市でSDGsの取り組みが活発な理由には、いくつかの要因が挙げられます。具体的にどんな要因があるのか見ていきましょう。
<「ごみ非常事態宣言」の経験>
名古屋市では1999年に「ごみ非常事態宣言」が出されました。年々増え続けたごみ処理の量が100万トンに迫る中、計画していた新たな埋め立て処分場の建設が中止になり、市のごみ処理能力が限界を迎えてしまったためです。
ごみ処理を2年以内に20%、2万トン削減することを市民に訴え、ごみ削減に向けた取り組みが始まりました。行政・事業者・市民が協力し、可燃・不燃ごみの他に、プラスチックごみや紙製の新資源収集などの分別を徹底したことで、目標を達成できたのです。
現在は当時に比べて約4割ごみを削減しているといいます。こうした危機的状況を乗り越えた経験が市民の環境意識を高め、SDGsの取り組み推進にも良い影響をもたらしています。
(参考:https://www.city.nagoya.jp/kankyo/page/0000111110.html)
<なごや環境大学の開講>
なごや環境大学は、市民やNGO・NPO団体、教育機関や企業、行政が協働で運営する、環境問題やSDGsについて学び合うネットワークで、2003年にスタートしました。
立場や分野を超え、知識や経験、問題意識などを持ち寄って学ぶことができ、子どもから大人まで誰でも参加できます。
また、なごや環境大学が運営するwebサイト「なごやSDGs街(エスディージーズマーチ)」では、ゲームや動画を通じて楽しくSDGsが学べます。
さらにSDGsに取り組んでいる施設の場所や、取り組み内容がわかる情報が提供されているのも魅力です。
(参考:https://www.city.nagoya.jp/kankyo/page/0000066462.html
<環境について楽しみながら学べる施設の充実>
名古屋市には環境について楽しみながら学べる「エコパルなごや」という環境学習施設があります。
大型スクリーンを見ながらクイズ形式で環境を学べるバーチャルスクリーンスタジオや、環境保全や生物多様性、地球温暖化などをパネルやタッチモニターで学べる展示室など、体験を通して楽しく学べるのがポイントです。
また、廃材を利用して工作や実験などを行うワークショップもあるなど、SDGsへの興味や関心を高められる施設になっています。
名古屋市におけるSDGsの取り組み
名古屋市は2019年にSDGs未来都市に選定されており、「経済・社会・環境」が調和した誰一人取り残さない、持続可能な都市の構築を目指しています。ここでは、名古屋市が取り組んでいるSDGsの一部をご紹介します。
(参考:https://www.city.nagoya.jp/somu/page/0000119688.html)
<ひとり親家庭の自立支援>
自立が難しい状況にあるひとり親家庭が、仕事と生活のバランスをとれた暮らしができるよう、就業支援や子どもが健やかに育つための支援、生活上の経済負担の軽減支援を行っています。
相談窓口や離婚前後に受けられる支援制度を詳しく掲載した「ひとり親家庭サポートブック」も提供しており、一人に寄り添い、生活困窮者を救う重要な取り組みです。
(参考:https://www.city.nagoya.jp/kurashi/category/8-18-0-0-0-0-0-0-0-0.html)
<健全な水循環を回復するための取り組み>
名古屋では、健全な水の循環を回復させるために「水の環復活2050なごや戦略」を策定し、取り組みを進めています。都市開発によって緑や水辺が減り、雨が地中に浸透しにくくなりヒートアイランド現象や水害の危険性、河川や海の水質汚染が問題視されているためです。
この戦略では、雨水の浸透・貯留を促進するためのアクションや、堀川・新堀川の水質調査を行い浄化作業を実施するなど、地下水利用に向けて取り組んでいます。
(参考:https://www.city.nagoya.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000076/76697/mizunowa.pdf)
<名古屋市の施設で再生可能エネルギーを100%導入>
名古屋市では、二酸化炭素排出量を削減するため再生可能エネルギーを100%導入する施設が増えつつあります。これまで再生可能エネルギーを100%導入してきた施設は、「東山動物園(北エリア)・名古屋城・水の歴史資料館・名古屋市科学館・名古屋市役所庁舎」などです。
令和4年の実績から算出したデータによると、年間約8,000トンのCO2削減に成功しているといいます。
また、一般家庭の一世帯分のCO2排出量に置き換えると約3,100世帯分、杉の木が吸収するCO2量で表すと約57.6万です。
名古屋市は温室効果ガスの排出量を大幅に削減することで、脱炭素社会の実現を目指しています。
(参考:https://www.city.nagoya.jp/kankyo/page/0000152196.html)
<エコ活動に取り組む人を増やすためのエコラボポイント>
名古屋市では、エコ活動に取り組む市民を増やすことを目的とした「エコラボポイント」を実施しています。
エコラボポイントとは、市が実施する省エネ製品促進キャンペーンや環境学習などのエコライフ事業に参加した市民に対し、事業者が提供するポイントを獲得できるというものです。
獲得したポイントは買い物や電気・ガス料金などに使用できるとして、市民の環境意識を高め、エコ活動を促す役割を果たしています。
名古屋市のSDGsは市民が楽しく取り組める工夫がいっぱい!
名古屋市のSDGsの取り組みが活発な理由には、行政だけでなく、企業やNGO・NPO団体、教育機関が協力し合い、市民が環境問題に対して関心を持ち行動しやすい工夫をしている背景があります。
SDGsの達成に向けて、名古屋市の取り組みをヒントにしてみてはいかがでしょうか。
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