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ノルウェーのSDGs達成に向けた取り組み|EV車や水力発電を推進

Thursday, 26 December 2024

美しい自然と高い生活水準で知られるノルウェーは、持続可能な社会への意識が高く、SDGsの取り組みも先進的に行う国のひとつです。

特に電気自動車(EV車)は世界一の普及率を誇るほか、家庭で供給される電力はほぼ水力発電で担っているとして注目を集めています。

今回は「SDGs達成のための、各国の取り組み」をテーマに、ノルウェーのSDGs達成に向けた取り組みを解説します。

ノルウェーってどんな国?

ノルウェーはスカンジナビア半島の西岸に位置し、スウェーデンとフィンランドに隣接しています。国土の90%が山地で、氷河やフィヨルドが多く、壮大な自然景観が魅力の国です。フィヨルドとは、氷河が溶け出すことで形成された深い谷を指します。

 

日本と同等の面積でありながら、人口は500万人程度で兵庫県の住民に満たないほどです。そしてノルウェーは豊富な自然資源を抱えており、世界第3位の石油と天然ガスの輸出国として知られています。

 

また、水産分野においても生産・輸出ともに世界トップレベルです。これらによって豊かな経済基盤を築き、健康保険や教育が無償で提供されるなど高い福祉水準が実現しています。

 

加えて環境問題への意識が高く、気候変動や自然保護に高い関心を持っています。国全体としてカーボンニュートラル(脱炭素社会)を目指し、クリーンエネルギーの導入や都市部における交通機関の電動化が進んでいる点も特徴です。

 

ノルウェーは世界の中でも気候変動対策をリードする立場にあるといえます。さらに、ジェンダー平等が進んでいる国としても有名です。

 

(参考:https://www.norway.no/ja/central-content/ja/values-priorities/norway-today/

https://a-tabito.jp/world/norwegian-history-and-culture/)

ノルウェーが推進するSDGsの取り組み

自然と調和して暮らすことを大事にしてきたノルウェーは、若者の環境保護活動家も多く、SDGs(持続可能な開発目標)にも熱心に取り組んでいます。ここからは、ノルウェーが推進するSDGsの取り組みを見ていきましょう。

 

<水力発電の導入>

ノルウェーは石油や天然ガスを輸出している一方で、再生可能エネルギーへの転換にも積極的に取り組んでいます。特に水力発電においては、国内の電力供給のおよそ9割を実現するなど、高く評価されています。

 

水力発電で賄える理由は、地理的な条件に恵まれているためです。ノルウェーの水力発電は、水が高いところから低いところへ流れ落ちる際に生まれる位置エネルギーを使って水車を動かし、発電する仕組みになっています。

 

山やフィヨルドが多く、積もった雪が溶けて流れ落ちるノルウェーの自然環境は、水力発電に適しているのです。

 

また、周辺の北欧国と電力供給し合える電力市場の「ノルドプール」を導入したことで、雪や氷の季節でも他国から再生可能エネルギーを供給することに成功しています。

 

(参考:https://spaceshipearth.jp/hydro-power/)

 

<電気自動車(EV)の普及> 

ノルウェーでは、2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量ゼロのカーボン・ニュートラルを達成することを目標に掲げています。

 

温室効果ガス排出量を大幅に削減する計画として推進しているのが、電気自動車(EV)の普及です。具体的な取り組みとして、EV車を購入した場合、購入税や道路関連税の免除、バスレーンの通行許可が認められるなどの優遇制度が取り入れられています。

 

またガソリン車とディーゼル車のCO2排出量の削減に向けて、これらの都市中心部への乗り入れを禁止にしました。さらに、2025年にはガソリン車とディーゼル車の新車販売を停止するとしています。

 

こうした徹底した取り組みにより、ノルウェーはEV車の普及率世界一を達成しています。

 

(参考:https://rief-jp.org/ct4/61980)

 

<海洋保護と持続可能な漁業> 

世界的に重要な海洋国家でもあるノルウェーでは、SDGs14「海の豊かさを守ろう」に向けた取り組みも推進しています。例えば漁業資源の乱獲を防ぐため、すべての漁船に対して年間の漁獲量が割り当てられているのもそのひとつです。

 

また、すべての船を監視できるIT技術を導入し、密猟や乱獲を防げる仕組みを取り入れています。さらに海洋プラスチック問題の解決策として、使い捨てプラスチック製品の使用禁止や、漁師が漁具を紛失した場合に海上保安庁へ報告するなどの漁具回収プログラムなども取り入れています。

 

(参考:The Ocean 海洋 – ノルウェーの取組み

浮体式洋上風力発電を活用した水素利用と 燃料電池船の開発)

 

<ジェンダー平等に向けた女性のクオータ制度導入> 

ノルウェーはジェンダー平等が進んでいる国として知られています。女性の社会進出を推進し、政治やビジネスにおける男女格差の解消を積極的に進めています。

 

世界で初めて企業役員への女性のクオータ制を導入したのもそのひとつです。上場企業の取締役や政治における女性の進出を促進するため、ノルウェー政府が女性の割合を引き上げることを義務付けました。

 

法律が制定された2003年時点で6%だった女性の取締役の割合は、現在40%を維持しており、国会議員の女性の割合においても40%を占めています。

 

(参考:https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2022/202206/pdf/202206.pdf)

EV車やジェンダー平等でリードするノルウェーからSDGsの取り組みを学ぼう! 

ノルウェーは山地やフィヨルドといった大自然の地形を生かし、水力発電で国内のほとんどの電力を賄っています。また、EV車を普及するために優遇制度を取り入れるなど、国民に行動のきっかけを促がしているのが特徴です。

 

さらに、ジェンダー平等における取り組みなどは、政府による法規制があったからこそ進んだといえます。日本もノルウェーの数々の取り組みから学び、SDGs達成に向けて行動していきましょう。

 

あわせて読みたい: 気候変動による生態系への影響|起きている現象と今後の予測

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