今、世界では気候変動による異常気象をはじめ、化石燃料による大気汚染などの影響でさまざまな健康被害が起きています。
また健康被害により医療費が増大し、経済的負担が大きくなって生活が不安定になるといった二次災害も起きているのです。
今回は、気候変動や大気汚染による健康被害や医療費増大の問題についてわかりやすく解説します。
気候変動や大気汚染による健康被害は増加傾向にあり、それに伴って医療費が増大していることが明らかになっています。
米国の環境保護団体「NRDC(天然資源防護協議会)」や「気候と健康に関する医学会コンソーシアム」が出した報告書によると、米国では気候変動と大気汚染に伴う医療費が年間8200億ドル、日本円にして年間約90兆円を超えると推定しています。
また、対策を強化せずこのまま気候変動が進めば、数年間で医療費がさらに増大すると予測しています。年間約90兆円は一人当たりに換算すると約27万円であり、経済的負担は決して少なくありません。
健康被害によって思うように働けなくなると、労働生産性が低下して生活費がまかなえなくなるなど、家庭や社会においても二次被害が発生してしまうのです。
(参照:気候変動がもたらす健康への影響が深刻化 米国では医療費が年間90兆円超に)
では、気候変動や大気汚染によってどのような健康被害が起きているのでしょうか。ここからは実際に起きている健康被害を見ていきましょう。
気候変動や大気汚染による健康被害を防ぐには、化石燃料の使用を控え、気候変動を最小限に抑えることが不可欠です。気候変動を完全に抑えられなくても、これ以上地球温暖化が進まないよう対策を講じることが求められています。
化石燃料の代わりに太陽光や風力発電などの自然エネルギーへ切り替えることで、大気汚染を緩和させながら温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出を抑えられます。
環境省では温暖化による気温上昇を1.5℃に抑えることを目標に掲げており、CO2の排出量を2030年までに45%削減する取り組みを進めているところです。気候変動を抑えられるかどうかは、人間の健康を大きく左右するといっても過言ではありません。
気候変動や大気汚染による健康被害を防ぐために、私たち一人ひとりが日常生活の中で省エネやプラスチックの削減などできることを実践し、2030年までに45%のCO2削減を目指していきましょう。
(参照:環境省における気候変動対策の取組)
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