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メンタルヘルスと睡眠の関係|睡眠不足による影響と快眠のポイント
Thursday, 12 June 2025

心の健康を保つためも、質の良い睡眠は欠かせません。そこで今回は、メンタルヘルスと睡眠の関係性や睡眠不足による影響、睡眠の質を上げるポイントを解説します!
メンタルヘルスと睡眠の関係性とは?
睡眠はメンタルヘルスと密接に関わっているといわれています。睡眠時間が足りていない「睡眠不足」は、メンタルヘルスに不調をきたす可能性が高まるのです。
国立精神・神経医療研究センターの研究では、1日4時間半程度の睡眠しかとらず、5日睡眠不足が続いた場合、不安や混乱などが起きやすくなり、うつ病のリスクが高まると報告されています。
睡眠は体だけでなく脳を休めて機能を回復させる役割もあるため、心の状態にも大きく影響してくるのです。

睡眠不足による影響
睡眠不足はうつ病のリスクを高める以外にも、心身にさまざまな影響を及ぼします。ここでは睡眠不足による影響を確認していきましょう。
<集中力・注意力の低下>
だれしも睡眠不足で頭が働かなかったり、ぼーっとしてしまった経験があるかもしれません。睡眠不足は集中力や注意力を低下させるといわれています。アメリカの学会誌で発表された研究結果によれば、夜勤明けの医師たちは「瞬間的居眠り」を繰り返していることがわかりました。
瞬間的居眠りは、目が開いていても脳が反応していない状態のため、作業効率が落ちたり、運転中に事故を起こしたりする可能性が高まります。
<ストレスを感じやすくなる>
睡眠不足は、ストレスに対抗するためのホルモンの分泌が不十分になるため、ストレスを感じやすくなるといわれています。
また、睡眠中に脳内の情報が整理され、ストレスが解消される効果があるため、睡眠不足が続くとストレスは溜まっていく一方です。ストレスがたまると睡眠障害につながる恐れがあり、悪循環を引き起こしてしまいます。
<頭痛が起こりやすくなる>
睡眠不足になると頭痛が起こりやすくなるといわれています。なぜなら、脳への酸素供給が不足するため、脳の酸素が欠乏し血管の収縮が起こると考えられているからです。脳の酸素欠乏による頭の筋肉の過剰な緊張も、頭痛を引き起こすと考えられています。
<生活習慣病につながる可能性がある>
睡眠不足は、食欲を抑えるレプチンというホルモンの分泌が減少し、グレリンという食欲を増進させるホルモンの分泌が増加するといわれています。
食欲が高まることで肥満傾向になり、結果的に生活習慣病につながってしまうのです。グレリンが分泌されることで、特に甘い物や炭水化物が食べたくなるため、注意が必要です。
(参照: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-008.html)

睡眠の質を上げるポイント
ベストな睡眠時間は個人や年齢によって異なりますが、成人で6時間半~8時間が理想とされています。「十分眠れた」と感じる時間は個人差があるため、日中に眠気を感じることがなければ、睡眠不足は防げているといえるでしょう。
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十分な睡眠は、うつ病や生活習慣病のリスクを下げます。ここからは睡眠時間を確保するための、睡眠の質を上げるポイントを見ていきましょう!
<生活リズム・習慣を整える>
「毎朝同じ時間に起きて、朝ごはんを食べて日差しを浴びる…」など、生活リズムや習慣を整えることで、体内時計が整います。睡眠は体内時計によってコントロールされているため、起床時間や就寝時間は毎日同じにしましょう。
また20~30分の有酸素運動は、睡眠の質を上げてくれます。週2~3回でも効果があるため、取り入れるのがおすすめです。さらに21時以降の夕食は、睡眠の質の低下と関連があるといわれています。
どうしても21時を過ぎてしまう場合は腹八分目にし、食べ過ぎないようにしてください。さらに過度な飲酒は眠りを浅くするため、飲み過ぎには注意しましょう。
(参照:
https://www.tmu-ph.ac/recovery/01.php?_ga=2.112932292.1775547153.1695509455-2108742681.1695509455)
<寝だめをしない>
寝だめをして一時的に睡眠時間を確保できたとしても、睡眠不足による心身への影響が解消されるわけではありません。睡眠時間は毎日平均して6時間半~8時間とるように心がけましょう。
<昼寝は15分~20分まで>
夜に十分な睡眠時間が確保できない人は、昼寝を取り入れるのがおすすめです。ただし、昼寝時間は15分~20分程度にしましょう。30分以上昼寝してしまうと、眠りが深くなって体がだるくなってしまいます。
また、夜の睡眠にも影響してくるでしょう。
昼寝の前にコーヒーを飲むと目が覚める頃にカフェインが効き始め、寝すぎを防げるのでおすすめです。
<寝る前にスマートフォンやパソコンを見ない>
スマートフォンやパソコンの光に含まれるブルーライトは、体内時計をずらし睡眠の質を下げるといわれています。
ブルーライトは、睡眠を促すホルモンである「メラトニン」の分泌を抑えてしまうからです。スマホやパソコンの作業は就寝につく90分前までにして、それ以降は見ないようにしましょう。
<寝室は暖色系の薄暗い照明に>
寝室が明るいと睡眠の質が低下するといわれています。反対に真っ暗では不安を感じやすくなり寝つきが悪くなるため、寝室は暖色系の薄暗い照明がおすすめです。

睡眠の質を上げてメンタルヘルスを整えよう!
睡眠不足はうつ病のリスクが高まるなど、メンタルヘルスに大きく関係しています。また、生活習慣病につながる可能性があるほか、集中力や注意力が低下するなど、さまざまなリスクが伴います。
何をしてもなかなか眠れない場合は、医療機関に相談するのがおすすめです。睡眠の質を上げ、心と体の健康を整えていきましょう。
