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SDGsに関連するルッキズムとは?起こる原因と社会問題

Wednesday, 11 October 2023

ルッキズムという言葉を聞いたことがありますか?日本ではルッキズムを「外見至上主義」と訳しており、差別を生む思想として問題視しています。

今回はルッキズムとは何か、SDGsとの関連性やルッキズムが起こる原因、社会問題をわかりやすく解説します!

SDGsに関連する「ルッキズム」とは?

ルッキズムとは、他者を見た目や身体的な特徴で判断することです。Looks(見た目)+ism(主義)を組み合わせた造語で、日本では「外見至上主義」ともいわれています。

例えば容姿に対して一定の基準を持ち、その基準を満たしている人だけ採用するといった「顔採用」などが挙げられます。仕事の力量ではなく、見た目の優劣によって組織での立場や評価がされてしまうのです。

職場に限らず、学校においてもルッキズムは存在します。学校の基準で定めた服装や髪型などを守らない生徒は、「学校の風紀を乱す」「反抗的な人物である」といったレッテルをはられてしまう風潮があります。ルッキズムの考えは、社会のさまざまな場面に存在しているのです。

(参照:まなこ)

SDGsとルッキズムの関連性

美しい外見や、組織が定めた服装や髪型、メイクなどだけで人を判断し、立場が優遇されるというのは、差別を生み出すことにつながります。これはSDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」にも関連する問題です。

差別は人種・年齢・性別・民族・宗教などさまざまな理由で行われていますが、容姿によって優劣をつける行為も立派な差別のひとつです。

ルッキズムの脱却は、SDGs目標10にある「不平等をなくす社会」を築く上でも欠かせない課題といえます。

(参照:10.人や国の不平等をなくそう)

ルッキズムが起こる原因

人を外見で判断してしまうルッキズムはなぜ起きてしまうのでしょうか。ここからはルッキズムが起こる原因を見ていきましょう。

YouTubeやSNSなどでの容姿に対する誹謗中傷

現代ではYouTubeやSNSを通して日常の生活やファッションなどを誰もが気軽に発信できるようになりました。それに伴い、コメント欄では容姿に対する誹謗中傷が投稿されることがあり、深刻な問題となっています。

SNSでの誹謗中傷は相手が特定されづらく罪に問われにくい点が、ルッキズムを加速させるひとつの原因です。

女性の容姿に対する思想の押し付け

「女性は美しくあるべき」といった女性の容姿に対する思想の押し付けも、ルッキズムを生み出す原因です。

女性アナウンサーや女性タレント、俳優などメディアに登場する女性に対しても、容姿やファッションに対して言及する場面が少なくありません。年齢を重ねただけでSNSに侮蔑的なコメントが飛び交うケースもあるほどです。

また「美しすぎる女医」などのフレーズに見られるように、一般社会においても仕事の業績で判断されず、見た目で評価されることもあります。容姿が重視され、本来の評価に結びつかない問題も未だ残っているのが現状です。

(参照:見た目で評価「ルッキズム」どう向き合う? 外見ネタにした笑い “女らしさ”の押しつけも・・・)

ルッキズムによって起きている社会問題

2019年に内閣府が発表した「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度)」によると、日本の若者のうち54.7%が自分の容姿に対して何らかの心配をしています。

この結果からもわかるように、今の世の中では若者を中心にルッキズムによる問題が深刻化しています。ここでは、ルッキズムが引き起こしている社会問題を見ていきましょう。

(参照:内閣府:「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度))

摂食障害

国立成育医療研究センターが行った「2021年度コロナ禍の子どもの心の実態調査」によると、摂食障害の「神経性やせ症」の患者が増加傾向にあります。さまざまな原因が考えられますが、ルッキズムもそのひとつです。

コロナ禍で在宅時間が増え、SNSに時間を費やす若者が増えました。それに伴って美容医療業界ではネットでの美容広告を広く打ち出し、痩せていることが正解であるような広告を流しています。

このような価値観を植え付けられた若者が、摂食障害に陥ってしまうケースも少なくありません。

(参照:国立成育医療研究センター:「2021年度コロナ禍の子どもの心の実態調査」)

10代の美容整形

美容医療の広告問題に通じますが、10〜20代の美容整形が増加傾向にあります。小学生で目を二重整形する動画が拡散されるなどして、子どもたちに影響を与えているのです。

また、友達に容姿に対して悪口を言われたことがきっかけで、整形を選択するというケースもあります。さらにYouTubeやSNSなどで美に対する基準値が上がっていることも原因にあるでしょう。

大きな目やスタイルの良い体型など美への追及が過度になり、顔にメスを入れる若者も多いのです。しかし、美容医療で高額コースを勧められ、契約をしてしまうといった若者の美容医療サービスのトラブルも増加しており、消費者庁は注意を呼びかけています。

(参照:【若者向け注意喚起シリーズ〈No1〉】美容医療サービスのトラブル)

ルッキズムに囚われない自分に!SDGsにつながる差別のない世界へ

ルッキズムに囚われないためには、自分を客観的に見つめ直しありのままの自分を受け入れることが大切です。他人からどう思われているのかではなく「自分がどうありたいのか」を大事にすると良いでしょう。

自分も他人も尊重する「アサーショントレーニング」を実践してみるのもおすすめです。同時に職場や学校などでルッキズムを築かない環境づくりも必要といえます。

容姿に対する発言がないか自分でも意識しながら、外見だけで人を判断しない差別のない世界を目指していきましょう。

あわせて読みたい: SDGsに通ずるユニバーサルデザインとは?原則や実例を解説

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