ルッキズムという言葉を聞いたことがありますか?日本ではルッキズムを「外見至上主義」と訳しており、差別を生む思想として問題視しています。
今回はルッキズムとは何か、SDGsとの関連性やルッキズムが起こる原因、社会問題をわかりやすく解説します!
ルッキズムとは、他者を見た目や身体的な特徴で判断することです。Looks(見た目)+ism(主義)を組み合わせた造語で、日本では「外見至上主義」ともいわれています。
例えば容姿に対して一定の基準を持ち、その基準を満たしている人だけ採用するといった「顔採用」などが挙げられます。仕事の力量ではなく、見た目の優劣によって組織での立場や評価がされてしまうのです。
職場に限らず、学校においてもルッキズムは存在します。学校の基準で定めた服装や髪型などを守らない生徒は、「学校の風紀を乱す」「反抗的な人物である」といったレッテルをはられてしまう風潮があります。ルッキズムの考えは、社会のさまざまな場面に存在しているのです。
(参照:まなこ)
美しい外見や、組織が定めた服装や髪型、メイクなどだけで人を判断し、立場が優遇されるというのは、差別を生み出すことにつながります。これはSDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」にも関連する問題です。
差別は人種・年齢・性別・民族・宗教などさまざまな理由で行われていますが、容姿によって優劣をつける行為も立派な差別のひとつです。
ルッキズムの脱却は、SDGs目標10にある「不平等をなくす社会」を築く上でも欠かせない課題といえます。
(参照:10.人や国の不平等をなくそう)
人を外見で判断してしまうルッキズムはなぜ起きてしまうのでしょうか。ここからはルッキズムが起こる原因を見ていきましょう。
2019年に内閣府が発表した「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度)」によると、日本の若者のうち54.7%が自分の容姿に対して何らかの心配をしています。
この結果からもわかるように、今の世の中では若者を中心にルッキズムによる問題が深刻化しています。ここでは、ルッキズムが引き起こしている社会問題を見ていきましょう。
(参照:内閣府:「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度))
ルッキズムに囚われないためには、自分を客観的に見つめ直しありのままの自分を受け入れることが大切です。他人からどう思われているのかではなく「自分がどうありたいのか」を大事にすると良いでしょう。
自分も他人も尊重する「アサーショントレーニング」を実践してみるのもおすすめです。同時に職場や学校などでルッキズムを築かない環境づくりも必要といえます。
容姿に対する発言がないか自分でも意識しながら、外見だけで人を判断しない差別のない世界を目指していきましょう。
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