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SDGs目標2「飢餓をゼロに」とは?世界の現状と飢餓の原因

Friday, 18 November 2022

SDGs2番目の目標に「飢餓をゼロに」があります。飢餓とは長い期間食べ物が十分に食べられず、栄養不足で生活や生存が困難な状態のことを指します。

今回はSDGs目標2「飢餓をゼロに」について、世界の現状や飢餓が起きる原因を解説します。

あわせて読みたい: SDGs目標12:つくる責任 つかう責任/食品ロスの現状を知ろう

SDGs目標2「飢餓をゼロに」とは?

SDGs目標2「飢餓をゼロに」は、2030年までに世界の飢餓を終わらせ、誰もが一年中安全で栄養のある食べ物を十分に得られるようにすることを目標にしています。

目標は8つのターゲットで構成されており、その中には気候変動や異常気象などの災害にも強い、持続可能な農業の実現も含まれています。

また、食料の価格が極端に変動しないように食料市場がきちんと機能するようにし、どれだけの食料備蓄があるかといった情報を必要な時に見られるようにすることもターゲットのひとつです。

(参照:2.飢餓をゼロに | SDGsクラブ[日本ユニセフ協会]

目標設定の背景にある飢餓問題の現状

SDGsの目標に「飢餓をゼロに」が掲げられたのはなぜなのでしょうか。それは世界人口の9人に1人が飢餓で苦しんでいるという現状があるからです。

ユニセフ(国連児童基金)、国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国連世界食糧計画(国連WFP)、世界保健機関(WHO)が共同で発表した「2022年世界の食料安全保障と栄養の現状」の報告書によれば、世界全体で飢餓に苦しむ人は、2021年時点で8億2,800万人にのぼるといわれています。

飢餓人口はしばらくの間減少傾向でしたが2014年から再び増加し、2020年の新型コロナウイルスのパンデミック以来、1億5,000万人増加しました。今後2030年に向け、飢餓人口はさらに増えていくと予測されています。

世界で飢餓人口が多い地域は、上から順にアジア4.24億人、アフリカ2.78億人、ラテンアメリカ・カリブ地域で5,650万人となっており、意外にもアジアがアフリカを上回っています。

(参照:The State of Food Security and Nutrition in the World 2022[UNICEF DATA]

飢餓はなぜ起こるの?

世界の飢餓人口が増加している背景には、新型コロナウイルスのパンデミックもありますが、原因はそれだけではありません。

<収穫、加工の過程で出る食品ロス>

途上国における飢餓の大きな原因が、収穫や加工の段階での食品ロスです。人手や機械不足で収穫が間に合わず作物を腐らせてしまったり、衛生状態の悪い倉庫で害虫やカビが発生したりして、生産した食料の約4割が失われてしまいます。

さらに、雨水に頼るなど農業技術の不足で作物の生産効率が悪いことや、交通インフラが整っておらず食料の輸送に時間がかかることなども、食料を不足させ、飢餓を増やす原因としてあげられます。

(参照:飢餓と食品ロスに関する、5つの事実[World Food Programme]

<自然災害や気候変動>

自然災害や気候変動も飢餓が起きる原因のひとつです。飢餓に苦しむ人の8割以上は自然災害が発生しやすい地域で暮らしています。

気候変動によって集中豪雨や干ばつが起こると、農作物や田畑が被害を受けたり、農機具を失ったりします。すると農業従事者は財産や生業を奪われ、生活が困窮してしまいます。

また、地震や津波、森林火災などの自然災害で家を失い、避難を強いられた結果貧困に陥り、食料が確保できなくなるケースも多いのです。災害は人々の栄養状態を大きく左右するといえます。

(参照:災害が飢餓に与える影響[国連WFP]

<紛争による食料危機>

紛争も飢餓を生み出す大きな原因です。世界の飢餓人口のうち約6割は、紛争地域で暮らしている人々だといわれています。

紛争が起きた地域では、自分や家族の命を守るために家や農地などを泣く泣く手放し、避難せざるを得ません。

しかし、避難先でも十分な食料が確保できず、飢餓に陥ってしまうのです。また、紛争地に残ったとしても仕事を行うのが難しいため、生活が困窮し飢餓状態になってしまいます。

(参照:深刻化する紛争地域の飢餓[World Food Programme]

飢餓問題の裏にある先進国の食品ロス

飢餓で苦しむ人々がいる一方で、先進国を中心に肥満や食べ過ぎで健康を害する人がいるというのも事実です。世界の穀物生産量は毎年26億トン以上で、これは世界中の人々が十分に食べられるだけの量になります。

しかし、国際連合食糧農業機関(FAO)の調査によれば、世界の食料の3分の1が消費されず、廃棄されていると報告されています。日本では年間522万トンの食品ロスが出ており、その量は世界の食料援助量の1.2倍にのぼります。

世界中の飢餓をなくすためには、先進国に住む一人ひとりが飢餓問題を知り、行動を変えていくことで大きな成果が生まれるのかもしれません。

(参照:世界の食料問題 : 「世界食料デー」月間 みんなで食べる幸せを
(参照:食品ロスについて知る・学ぶ[消費者庁]

私たちにできることは食べ物を無駄にしないこと

SDGs目標2に掲げる「2030年までに飢餓をゼロにする」を達成させるために私たちができることは、食べ物を無駄にしないことです。

例えば家に保管してある食品が食べ切れなかったり使い切れなかったりしそうな時には、フードバンクなどを活用するのも良いでしょう。

フードバンクとは食べ物を必要としている人に、余った食べ物を寄付できる仕組みのことで、食品ロスの削減になる上、食べ物に困っている人を助けることにつながります。

世界では飢餓で苦しんでいる人がいるという事実を受け止め、食べ物を無駄にしないよう心掛けていきましょう。

(参照:フードバンク:[農林水産省]

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